第2話 買ったバイクはライオンのエンブレム
私は何か新しいことを始めるのが好きと同時に嫌いだった。
それが大切なら大切な分、思い入れがあるならその分尚更、完璧を求めてしまうからだ。
ツイッターやインスタのアカウントもそう。ちょっと誤字だったり、ハッシュタグのズレがあるとすぐ投稿を消去して、再度投稿する。インスタなんてものは写真を必ず載せなくてはならないからもう大変だ。加工のパターンなど無限にあり、雰囲気を統一しようと思ってやっとのことで気に入ったフィルターがあっても、数日経ち、他の人の投稿を見ると、こういった雰囲気にすればよかった等、ここに挙げればキリがない。
つまり私は、細かいところを気にしすぎる気質なのだ。
そんな私がバイクを買った。
フランスのブランドであるプジョーのバイク。ライオンのエンブレムのアレである。知っている人もなかには居ると思う。
中古品だが新品に近いくらい綺麗で大切に乗ろうと思った。
そう、"中古品"。
誰かが使用したもので、新品ではない。自分が買ったときから、完璧な状態ではないものだ。
その事実が私の心を楽にさせた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます