400〜
401 天空の掃除人
何も見えない黒い空。闇に包まれたとか一丁前にほざいて。
この霧をどければ、あの星空が見えるのに。そうする事もなく。
文句だけのうのうと垂れて、風を吹かせない辺りは私の心と同じだなんて。
402 流るるは涙の如く
心は川のよう、、激情に身を任せ流れるし、下へ下っていくことに抵抗がない。何も変わってないみたいな顔をして絶えず波を持ち、枯渇して仕舞えばもう二度と元には戻らない。純度が高ければ評価されるあたりは、人間に似ているかも知れない。
403 文豪は乙女と演舞曲を踊る
おや、こんな所にいましたか。姫は相変わらず、お転婆ですね。一重に、待たせる私が悪いと言われれば、反論の余地もないのですがね。さぁ、此方へお越しなさい私の姫。あなたの好みの紅茶を探すのは全く、骨が折れましたよ。
あなたの瞳に映る世界を今日も、この本の虫にお教えなさい。
404 星屑を集めたお手紙
いらっしゃい!もう、また来たの?あんなに遠いところからわざわざ…
来ちゃったものはしょうがないわね、お茶会にしましょ。今日は箒星からとれたお砂糖が入ったのよ、それでクッキーも焼いたの!だから…そう、あなたが帰るまで!それまで「だけ」、楽しんでいかない?
405 偽りの自分と本物の恋心
嗚呼、泣かないでおくれ、怒らないでおくれ。心苦しいのは私もなんだ。
もうここには君が好きだった私はいない、あれは仮初の私だ、人為的に作られたものなんだ。でももう耐えられないんだ、あの仮面をかぶるのはもう無理なんだ。
だって他でもない本物の私が、君を好きになってしまったのだから。
406 最後に口をついた言葉だからこそ、本心なんだよ。
いつか二人で眺めたあの景色、あんなに綺麗だったのに。
407 君のおつむは相変わらず足らないんだから
どういうことをしていたって、あなたがどうして居たって。
私のことなんて知りもしない貴方は私を知ろうともしないで、私のこと上っ面でしか知らないくせして!それでも、貴方がみている私がどんなに仮初だって!
それでもそんな貴方を、私唯!…愛しているのに!
408 地獄の救い
助けてって鳴いた所で誰も見てくれやしない、救いの手なんて幻想なんだから。
踏み躙られた希望に
嗚呼、なんと心地のいい、こんな形で幸せになってしまう。嗚呼、こんな掃き溜めな世界でも、失うのが辛いなんて、本当に何を考えてるんだろう。
409 確実に手渡された灯火
あぁ、よかった。まだ君の意思は生きている。僕らが胸の中に秘めた灯火が君の心の奥底で燃えているんだ。君に重荷を背負わせるわけじゃない、君に神様になれってわけでもない。ただ世界を導け。それだけでいいんだ。君が進む世界が全てを開く、君という道標を元に全てが晴れていくんだ。
410 彼の者は何が為歩を進める
なんだか、疲れたなぁ…いや、もう少し。もう少しだからな。ここで頑張らないといつ頑張るんだってやつだ。よっこらしょっと。さぁ、動けよこの足。こんな所に根をはっている暇はないんだ。死にかけの体だろうが動けばまだ動く。作業再開だ。
411 虚像にはもう疲れたから。
なんだろう、辛くて、苦しくて、胸を締め付けるこの痛み。
今までとは違う心細さと孤独感、何なんだろう。何で涙が溢れるのだろう。
あぁ、わかった。寂しいんだ、僕。寂しくて、辛くて、誰かに会いたくて、あわよくば叶わないと分かっていながら愛されたくて、泣いてるんだ。嗚呼、寂しいなぁ…
412 心高鳴る最高潮へ
いいね、最高潮。気分も上々、コンディション抜群。これまでとこれから、全てに精算をつけて。いけるか?いけるな。楽しんだもん勝ちだからな、ここからが全力だ。
息を吸って、吐いて、整えて。地面を確かめて、踏み込んで、
3、、2、、1、、Ready, GO!!!
413 ありふれた「世界」という名の幻想
廃線路から眺める天体観測。廃れた現実から眺める星空はあまりにも綺麗で、汚い心象風景すら塗り替えるようで。寒空の中吐いた吐息は白く残って。名前も知らない鳥の鳴き声が響き渡る。なんでもないような無音漆黒の空間だからこそ、見えてくるもの、聞こえてくる音がある。
414 PNは蛾のようなひと
「嘘だよね」って?あぁそうだよ、嘘だよ。君が思ってるのと逆の方だけど。
いや〜大変だったんだよ?手紙。毎回ありもしない偽りの愛を囁かされるからさぁ!
…ふふ、可愛いとは本心で思ってはいたけど、さっきの銃声に怯えて震えながら黙ってる君が、今まで見た中でいちばん可愛いかも?なんてね!
415 人の心は始まりは透明だから
みんな知っている、トラウマは洗い流せない。どんなにいい石鹸を使ったって、ペンキのようにこびりつく。だからこそ重ね重ね色を抜いて、ほんのページのような分厚い層をめくるように、時間をかけて払拭していくのだ。その先は本心になる。
だから僕のこの感謝も、きっと偽物じゃないはずだ。
416 花吐の後悔
唇から漏れ出す、桜色の花弁。誰にも見つからないように、誰にも悟られないように。そんなことを考えながら、日に日に大きくなる花弁を吐き出す。
嗚呼、どこで間違えたのだろう、どこでこんな罰を受けたのだろう。
どこで、あの人を好きになってしまったのだろう。
417 地獄の幻想曲
砂浜に広がる弾薬の香りと重厚な機械音。ここはハッピーエンドを忘れた御伽話。
覚めない白昼夢、裏表紙のないアルバム、誰かの心象風景。アイスをくれて微笑んでくれた彼はもう海の底だし、またねといった彼女は彼女はもう二度と会えない。
これがこの世界の現実で、日常なんだ。
418 何度もずっとフラッシュバックしている
「左様なら」その声だけ嫌に頭に響いて、その後の悲鳴も、踏切の音も、何も入ってこなくて。将来を馬鹿みたいに誓い合ったあのハリボテの指輪も、変なプライドで喧嘩し合ったことも脳裏から欠け落ちるように消えていく。
君といた記憶を消しとばすことで、自分の脳を守るかのように。
419 スチームパンクと愛と呪いと
シャンデリアが豪勢煌めく裏、排気ガスという世間悪を撒き散らして世界は進む。
一つ落ちた野次と喧騒と、辿り着かないタクシー。愛憎混ざりゆく汚い世界で貧富を体感する。頬を伝う涙だけには、一切の価値を感じられないこの世界で。
420 君は僕を守ってくれるから
…やっぱり、
421 下を見て上を向く方法
俯く君に空を見る方法を教えよう。泣くんだ。泣いて泣いて、辛い感情を全部出し切って、溜まった水たまりに目をやれば、空に通る飛行機雲も綺麗に見えるんだ。
わざわざ灯りをたいて暗い空を仰ぎ見る必要はないんだ、自分らしい凸凹なやり方でいいんだよ。
422 残り香すら残さないように
螺旋階段と万華鏡。廻り続けて抜け出せない輪廻のようで。
だから僕は手を伸ばす。君を連れ出して抱きしめるために。
天国みたいな地獄から、君を救い出すために。
423 暖かな呪縛
色付いて落ちる
君がくれた呪縛と遺言はこれを目指していたんだね。君がくれたこの目は、この景色を指し示していたんだね。ふと紅葉に指が触れる、この暖かさをぼくを通じて、君は感じているだろうか。
424 世界を滅ぼせし凶悪
ふむ、我の名を問うか。命知らずなものよ。そも、貴様に教えられるほど落ちた名ではないのでな。我が名は魔王、とでも名乗っておこうか。貴様が首を狙って仕方のない魔王とやらはこの我だ。貴様の持ちし全てを以ってして、この我を淘汰して見せよ、余興にはなるであろう。
425 君に捧げた愛の唄も今思えばちっぽけで
ぼくは君に触れられるほど綺麗じゃないから、君に触れる資格もないから。
だからこそ君とのすれ違いは運命で、そういうシナリオだったんだって。
君をすり抜ける情報を、君の目を、手を、通り抜けた全てを知れたら。
次こそはちゃんと、君を、「ぼく」で愛することができるのかな、なんて。
426 貰い物の愛
世の中に義務が付き纏うように、どんなことにも権利がある。
君が水を飲む権利、寝る権利、どんな行動にも権利は付随する。
当然剥奪だって例外ではない。私は自ら何者かを愛する権利を消し去ったんだ。
そしてその君に残された「愛」の権利を奪うこともできる、いやあ有難う、
これで心からの愛を君に振り撒くことができるよ。
427 流れ出給え
黒い機械仕掛けの指板から、帰り道のあの電柱の黒い影が。
光板に焼き付くかのように我を引き込んで行く。
破り捨てるような
君に伝わらない踊る文字を残して、僕は沈んでしまう。
さようなら、また会う日まで。踊り文字は消えていく。真の解読者にその身を預けたまう為。
428 記憶に眠れ
赤黒く染まった、廃屋の螺旋階段。行き先はない。
潮風で風化した
潮風が呼び込む
429 私の中の夢の王子様
白昼夢に消える王子様。泣き顔も綺麗な王子様。
薔薇を
どこかに消えるけど必ずまた現れる、私だけの王子様。
私の夢から逃さないから、助けなんて呼ばせない。
430 縛り絡まる蜘蛛の糸
甘く張った
絡み付くような呪縛に鳴り止まないあなたへの電話。
さぁ、飲み込んで。これが私の愛の証。お返しは要らないわ。
これからたっぷりと、滲み出る愛で返してもらうもの。
432 浮浪者の平日
甘い砂糖菓子と小野良猫。自身の香りと滴る香水の匂いに当てられて、子猫は今日も道端に転がる。また暇そうな道端のお友達にお腹を差し出して撫でを催促する。待っているんだ、訪れる幸福を。
猫撫で声で世界を癒しながら、敵なんて作らないまま。
433 君たちが知らなくていい世界
本当に真っ当に生きてて偉いですねぇ。…はぁ、これで満足?
僻んでなんかないさ。人間として出来上がってるのが単純に羨ましいだけさ。
どーせ、死んじまいたいなんて微塵も思ったことないんだろう?
健全に生きてる証拠さ。私は何度でも死んだしその度死にきれなくて、何度でも絶望したしその度心を捨ててきた。あぁすまないね、わからないだろう。…日の光を浴びる君たちにはわからないさ。希死念慮を抱える僕らの命の軽さなんて。
君らは目標を持って生きる。目先の薄汚い快感を糧に生きるんだ。
理解したいなら。一回死の淵に立ってきな。
434 君だけの世界に乾杯
能書はいらない、今日は君だけに酔いしれていたい。
どれだけ深いこの紅も冷めてしまうほどに、今日という世界に取り残されていたい。世界を忘れて、二人で逃げ仰せられるような、そんな
435 世界を嘲笑う厄介者であれ
腐った
息も潜むような病床にこそ狂気は巣食う、触れる事象もなく湧き上がる怨嗟と世界への暴虐。嗚呼左様なら、僕の夢見た世界。
そしておはよう、僕が切に焦がれた地獄よ。
436 液晶に映った量子論が
おはよう、今日も世界が始まったみたいだね。
そろそろこんな日常にも霹靂としてきた頃さ。傘も無くすし、アイスも溢すし、あの日隣で笑っていたあの子はもう土の中だし。
目的と手段が入れ替わったつまらない戦争という「日常」、君と私はどう生きる?
437 ただ思っただけだから
ふと、終わりが見たくなった。自分がいない世界に興味を持った。
何気ない日常に亀裂が入るのが見たかった。そんな自分を異常だとも思った。
目に見えた愛が欲しかった。私がいなくなって恨んでくれる、怒ってくれる、泣いてくれる、そういった見え透くことすら烏滸がましい愛情が欲しくなった。自分が存在する証明がしたかった。ただ、それだけ。それだけだった。
438 調律のズレたピアノもここまでこればインテリアで
首筋を伝う冷たい私だったものが、事を急いている。形骸すら冷たくしてしまう事を急かしてくる。
苔生した廃校、屋根はない。揺れる名前も知らない花と、在りし日の少年少女の喧騒を幻聴して。揺れる視界に意識をあわせて。
「待って」なんてなかったから。ただ舞って、道を踏み外すだけ。
439 君も私と同じ所に来てよ
君の全てが私の心を刺す。宵闇の月光のような穏やかな君の愛と、何でも無いような慈愛に、私は脳を焼かれたんだよ。だからこそ君に聞こえないように呟くんだ。
「愛してたよ、だから私を愛しくて愛しくて仕方なくしてあげる」
440 カ オ ス タ イ ム
もう、遅い、遅い、おそ〜〜〜い!!こんなんじゃ私の中のKHAOS(超ネイティブ)は表現できなぁい!いい?!混沌っていうのは全部無茶苦茶なの!インフルの時に見る夢のように、全てに理性なんてなくて、頭がパンクしそうにならなきゃいけないの!理解出来ないものを理解しなさい、わかった?!
441 私たちの神様
福音なんてないよ、全ては俺の手帳の予定通り。彼が洗濯物を今干しているのも、桜の花びらの全ての散り様も、ほら、あの子が今転んでものを拾い集めるのも、「俺」の予定通りなのさ。
嗚呼、あと…少し隠れていなさい。5分後に、呼んでいないお客様が来るのでね。丁重におもてなしをしないといけない。
442 ひどく色彩の薄い夢
「初めまして、なのに…君とは初めてな気がしないや。」
そんな幻想から始まる恋愛なんて、虫がいいよね。ろくに味の記憶もない砂糖菓子に心を喩えてみて。世界の時間をかき消すような君の一挙手一投足に、心奪われる幻想。
向かい合った無機質な医療用ベッドの、二人だけの残り短い世界。
443 真昼間の流星群
ねぇ、今日の天気予報見た?「昼間から流れ星が降るでしょう」って。しかもしっかり降ってくるし。…それにしても、流れ星って星型だけど案外丸っこくて淡い色なんだね。なんかこういうグッズみたいで可愛いかも!
え?流れ星は1日で消えちゃう?!ニュースで言ってたって…そんなぁ、持って帰ろうとか思ってたのに〜
444 あの日の約束はもう遠い星のようで
何でだよ、約束したじゃんか、あの地平線まで広がる宇宙を全部観測して、二人だけの星を見つけるって!俺たち二人なら、絶対新しい星見つけられるって、言ったじゃんか!…え?病気でもう外出もやっと?今喋れてるのが奇跡?…くそっ、何だよ、何なんだよ…!
445 気付かなかった君への罰
せっかくの余興だし、選ばせてあげよう。
君には今二つの選択肢がある。一つはこのままなす術もなく僕に服従して、僕の愛を一生注がれ続ける。もう一つは、君の力の限り抵抗して、でも叶わなくて、縛り付けられたまま僕の愛を無理やりねじ込む。君に好きな方を選ばせてあげる、けど…あまり猶予がないよ、気をつけてね?
446
いそ。作成の台詞酋 @isorisiru
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