200〜

201 箱庭の少女


今日も見える空の景色は変わらない。曇天の曇り空に無機質な鉄格子。

腐った鳥籠で売れ残ったラトゥンアップルを両手で抱えて、少女は今日も躍る。

明るい未来を信じて疑うことなく。その澄んだ瞳に、歪んだ世界を映しながら。

只外に警鐘を鳴らす。「ここに来ちゃいけない」と。



202 心象放映


辛いなぁ、暗いなぁ、湿っぽいし。

部屋が今の心情みたいだよ、全く。

ベッドも出たくないな、魔剤が抜けてないし。

何がどう間違ってこうなったんだろうな。どこで踏み外したんだろうな。

もう、遅いけど。



203 憧れの苦い世界


珈琲、それは「知識人の飲み物」とも呼ばれる賢者の原動力だ。

一口に珈琲と言っても豆、焙煎、などなど表現は多岐にわたる。

ある種芸術と呼ぶにも遜色ない、人類の叡智だ。

苦いのが嫌いでも、先ずは飲んでみたまえ。そこから始まる話もあるのだよ。



204 躊躇もクソもない


他人ありきの生活は暮らしづらい。日常生活のどこまでを他人に依存させているかによって独立が遠のいていく。

そして現在俺はニート。依存度は脅威の100%。

家なんてここ半年は出てないぜ!



205 君はよく人間を知っているかい?


真偽も解らない人たらしめる生き方は、時に混乱を加速させる。

消耗品の器で魂を飛ばしていく、そんな生き方。

金で殺して、愛を買う。そんな一辺倒な生き方もあるんだ、すまんね。



206 あの青かった僕らの戦争


大人には理解されない、僕らのアングラな戦争。

ステゴロでの正義のぶつかり合いは心を叫ばせる。

君の正義はなんなのって、ずっと望む次の日の朝日を目指して問う。

面倒臭い僕らの青に、鈍感な愛の戦争で 毎日、報復しよう。



207 これをやるのが勧誘はいちばん効く(本人談)


成程、神は全てを見ていて救ってくれる、と。

背理、ですね。神様が見てくれているならあなたの背後にそんなどえらいのが憑いてるわけ…あぁいや何でもないです!そうですよね、見えないですもんね!

それではすみません、この辺で〜えぇはい、お気をつけて〜



208 二大麺類の辿る道


その昔江戸時代、うどんは都の食べ物だったらしい。

小麦が貴重品だった時代には、蕎麦とうどんでも明確な価格の差があったんだ。

今でこそに大巨頭的なマーケティングをされる二品だが、その二つが辿った歴史は全く違うものなのだよ



209 結局また交差する愛


試しで嫌ってみる愛に意味はあるの?

でもそんなこと言って私もう、ハマっちゃってるもんね。

「好きになって、順序踏んで」って、結局あなたのため。

ホンネを隠して嘘をつく、そんな愛に

嫉妬してって、言っといたじゃん?



210 素質あり、っと


さて、待ちに待った初任給!私の一ヶ月の努力の結晶!

さて、とりあえず…全部引っ張り出して推しに貢ぐか。

五万、だな…とりあえず最高額行くか。



211 こういう尊い空間の壁になりたい


今日のお泊まり楽しかったね!

私の部屋、可愛かったでしょ?ちゃんと片付けて…じゃなかった、いつも綺麗だからね!

もしよかったら、あなたの家にもお泊まり、したいな?



212 腐れ縁は心でモノを言う


ごめんねぇ!!夜遅くまで勉強付き合わせちゃって…

ずっと一緒に遊んできてたのに、私だけおバカになっちゃって…w

でも今回の課題出さないと本当にヤバいらしくって!

お願い!これで最後だから今回も泊まりで勉強させて?



213 久々に会った君は、思ってた以上に優しくて


もしもし…久しぶりだねって、なんで今まで電話してくれなかったの!

忙しかった?しょうがないなぁ、じゃあ今日お酒一緒に飲む?

…声でわかるよ、ずっと一緒にいたんだもん。疲れてるんでしょ?

久しぶりに会うんだし、ちょっとぐらい遊ぼうよ、ね?



214 ビームが打てそうなお年頃


おっきなお兄ちゃん、お姉ちゃんへ!

お前らが打ち込んでる虚無には、なんの意味があるの?

みこに教えてよ!ロリコンのおにーちゃんおねーちゃん!

私、ぜーんぜんわからないんだ!



215 ダメダメのあたしを好きなのは貴方だから


おはよう、朝だよ!まだ眠いよねー、私も。

でも君は起きなきゃね、おねがーい、早くご飯作って?

私?私はご飯作るのへたっぴだから、キッチンに立たないって決めたじゃん。

一番初めに決めたんだよこれ、じゃあご飯、お願いね♡



216 いっつも僕はたぶらかされる


嫌い?ふーん。そんなこと言うんだ。私は好きなんやけどなー。ふふっ。じゃあ私も嫌いになっちゃおうかなー、なんて。あはは!嘘ウソ、冗談だよ!ずーっと大好きだから。



217 地元で有名なおしどり夫婦


はいこれ!ずっと欲しいっていってたやつ!特別な記念日じゃないけど、頑張ってるあなたにプレゼントしたいな、って…買っちゃった🎶

買うの大変だったって?大丈夫、あなたの方が頑張ってるんだから、このくらいへっちゃらだよ!



218 こうして汚部屋は生まれる


あちゃー、部屋汚くなってきちゃったなぁ…でも、あれもこれも使うものばっかり…

捨てれない!どぉしよう…そもそも部屋が小さいいんだよなぁ…

誰か、一緒に片付けてくれたりしないかなぁ。チラッ

片付けてくれたら、助かるんだけどなぁ。チラチラッ



219 「え?眼鏡ってかけたら頭良くなるんでしょ?」


最近、ちょっと「読書」にハマっててさ。頭良さそうでしょ?

マンガとかも面白いけど、小説とか読むのも面白いと思うんだよねぇ。

でも…夜小説を開いて読んでると途中から記憶がなくってさ。なんでなんだろう?



220 全てを包み込んで


あんまり無理すると、疲れちゃうよね。わかるよ?私もそうだったから。

だから一回深呼吸して、もしよかったら私のところに来て?

いつでもお話、聞いてあげるから。大丈夫、一人じゃないよ。



221 純真なんだろうな、先輩は


えらいねぇ、よく頑張ってるじゃん!

すぐには結果なんて出ないよ、こういうのはいうのはじーっくり時間を掛けるの!それにそこまで一人でできたんでしょ?頑張った証拠だよ!

大丈夫、あなたならできる!



222 私の命を賭けるから、嗚呼。


こんな嘘つき、見たことない!

世界中を騙して、裏切って、ただわがままに揺り動かして!

でもそんな彼女の注ぐ愛もきっと、世界を彩るホンモノになる。

嘘も愛で、彼女もきっと正解を心に宿して嘘をつく。

遠い未来であの子の隣に入れなくても、彼女は笑い続けるだろう。

悲しみに歪んだ笑顔で、「誰と生きたか思い出して」と呟きながら。



223 心と体の相反するSOS


大丈夫、大丈夫だから。心配しないで?

ちょっと…辛かっただけだから。うん。そう、もう大丈夫だから。

…大丈夫って言わなきゃ、心配かけないように、迷惑かけないようにしなきゃいけないのに。大丈夫じゃなくても、大丈夫っていうしかないのに、…体が辛い…!!



224 地獄の晩餐会


どんだけ食っても吐き出して仕舞えば全部一緒だ。

飲んで、食って、吐いて、きっと全部忘れちまえる。

今宵宴もたけなわなんて言わせねぇ、祭り火鬼火は燃え盛り。

行きは良い良い帰りは怖い、転じて今宵も返さんでぃ。



225 そう言う世界、そう言う区切り


冬の寒さも抜けきらないまま告げられたさよならの言葉が、今も頭の中に巡っている。

寒さに当てられて早鐘を打つ鼓動、届かなかった右手、口を出なかった「待って」の三文字。

苦悩と後悔の冬、あの子とまた会えるのは、次の章。

次はきっと、彼女と並んで歩ける、そんなストーリーがいいな。



226 日の本を守る神仏様


かくも儚く散り行く人の世は、流れうつろう三千世界の台頭が一番。

私の名は九十九(つくも)、世の監視者にして俯瞰者の依代。

欠伸が出るほどの愚鈍が蔓延る諸行無常をただ眺めるだけの置物の神。

滅びゆきたもう齢幾千のこの日の本の国を統治する、国土の付喪神なりけり。



227 君と僕は違うけど、僕は君の後悔になりたいから


もう、どうだっていいんだ。きっと君の苦悩の嵐は過ぎ去ったんだろう?

僕の嵐はもう僕を吹き飛ばしてやまないみたいなんだ。

大丈夫、心配ないよ。みんなが悲しんでくれるなんていうのは一方的な僕のエゴだ。

君にとってもとってもなんてことはないさ。今は僕に囚われても、じきに夜は明けるんだから。



228 もう僕にも何が楽しいのかわかんないや


あぁ楽しい、多分楽しいよ、多分。

この狂った世界で息を潜めて平凡に生きるのは楽しいかい?君に聞いてるんだよ、そう貴方。あぁそんなのやるせない、そんな人生全部嫌になっちまうよ。



229 だって君も前の人と同じだから


死ぬなって生きろって、そんな自己中な希望ばっかり押し付けて!!

どうせ好きなだけ生かしたあとで僕の前で先立って行くんだろう?辺鄙(へんぴ)な手紙だけ残して、君は簡単に僕とさよならするんだ!



230 大丈夫、心配ないよ


よくわかんないよ貴方、「嗚呼未だ生き足りない!」って叫びながら「嗚呼もう死にたいな」なんて呟くんだから。そんな自分に嫌気がさして、また自分をいじめて嫌いになるんだから。



231 これからの全てが青く白くなっていく


私にとっての天国が君にとって地獄であったように、君が生きたこの世界が私にとっては地獄なんだ。

どこに行っても君を思い出す。君が行きたかった場所、君と出かけた場所、あの時の香り、あの時の風景。でも全部脳裏のメモリーが劣化していくようで。

君に触れた温もりすら色褪せていく、「時間の流れる世界」が、僕にとっての地獄だ。



232 カミサマノ話、開演


古今東西八百万の神々と同等に数の多い日の本の人畜生ですが、触らぬ神には祟り無しと言われる少々困った神もおられます。これに関しては人畜生にも同じ種類の物もいますなぁ。幾世から爪弾きされる哀れな人間の逃避行の幕開けは、この狭い漫談場から始まるんでぇございやす。



233 透明な僕の手なんかじゃ


ヤァ、久しぶり。嫌だなぁ、そんな辛気臭い面しちゃってさ。

ごめん、って?嫌だなぁ、謝らないでくれよ。これは気付けなかった君が悪いんじゃないんだから。そう書き置きにも残しただろう?

あぁもう泣くなよ。もう君の涙すら、今の僕の体じゃ拭えないんだから。



234 それが僕なりの復讐だから


はぁ疲れた、こんなにしんどい人生になると思わなかったよ。

…なにを怯えているんだい?体を震わせて、顔を青ざめさせて。

自分の犯した過ちから逃げるな。僕を殺したのは君だ。どういう形であれ、僕の思念を孕んだ厄災は必ず君を穿つ。覚悟して待っていてくれ。



235 あーあ、途中まで感動的だったのに


待て、待つんだ!それ以上身を削ると、最悪な目に遭わされるぞ!

少しは考え直せ、今じゃなくてもいいんだ!一旦冷静になって、その手を止めろ!

…だから、いい加減課金の手を止めるんだ!月末の請求がどうなっても知らないぞ?!



236 けんた食堂構文


暑い夏には、キンっキンに冷えたエナドリが効く。

種類を選ぶ、フレーバーや会社はどんなものでも構わない

冷蔵庫で整える。何時間整えても良い

そのまま缶から行くのもいいが、私はグラスに注ぐのも好きだ

(飲む音)ん〜、体に悪い味。試してみてね



237 ※実話

あ、もしもし店長お疲れ様です〜。

え、明日ヘルプで出勤?あー大丈夫ですけど…ちなみに何時からですかね?

あー…開店から。ッスー…了解です。ちなみに明日入ると六連勤なんですけど大丈夫ですかね?あ大丈夫。はい。了解です。はいーお疲れ様ですー。

…つら。


238 小説家の苦悩


「乙女のたおやかな右手をすり抜けた彼女の命は水面下に沈み」…

だめだな、表現が情景に追いついてない。映像を映す映写機には文字の羅列は敵わないって暗に言われてるみたいで嫌だねぇ。

私から文字を取ったら不養生しか残らねぇってのに、酷な話だねぇ。



239 この同好会だとガチ絶望だよね


おはようございます、私です。

現在時刻は夕方6時、ちなみに木曜日です。

…詰みですね⭐️今日はもうどうしようもないので、ここから二度寝を決め込みたいと思います。

それでは皆様、おやすみなさい。提供は私でした。



240 音楽という世界観


物語のエピローグは繊細に幕開き、主人公の鎮魂歌は荘厳に奏でられる。

情景が楽章で移り変わり、重なり合う音色で世界は開ける。

喜怒哀楽を記号と指示表現だけで言い表す受動の世界に彼らは生きる。

音楽とはそれであるから奥が深い。



241 それが苦しい残り方だったとしても


僕のこと、覚えてるかい?君の記憶に鮮烈に残っているかい?

僕は君の一部になれた?君を繋ぎ止められる鎖になれた?

君との新しいメモリーはもう作れないけど、これまでの思い出を大事にして欲しいって、思うな。僕のわがままだけどね。



242 私(死)を賭した記憶の実験


幾度目かのさようなら。何度も失敗したこの人体実験もいよいよ佳境で大詰め。

体に残る傷は消えるかもしれないけど、心の傷はそうでもないんだ。

それを証明するための実験なんだ。

私の最後を目にした人間に、【ソレ】はいかに焼きつくか。今回の論点だ。



243 だから君は安心して神様に抱かれていて


神様なんていない。だって僕がいるんだから。

神様なんていない。だってあなたが悲しむから。

神様なんていない。じゃあ誰が君を助ければいいの?

…神様なんていなかった。だから僕が君のカミサマになってあげる。



244 超短期記憶障害症候群


あぁこれ?うん。私忘れっぽいからさ、どんな事でもこうやって見えるところに書いておかないと忘れちゃうんだよね。おかげで両手中メモだらけで真っ黒!

これだけメモがあると内容を読み取るのも精一杯で……

ごめん、あなた誰かしら?



245 幻想に照らされた世界で


月光に照らされたステンドグラスの光が差し込む。

生命と、宇宙と、Meta的な理論を飛び越えて。

私のMysteriaは今、完成する。



246 僕は見てもらえる価値もないから


そうだよね、僕がいけないの。

だからお願い、見捨てないで!君がいなくなるなんて耐えられない…!

え…でも、その、これは…この傷がないと、君は僕を見なくなっちゃうかも、って…



247 考えて欲しかったな。


ねぇ、もし、もしもだよ?私と二人っきりで暮らすってなったら、あなたはどう?

ちょっと、そんな怖い顔しないでよ。例え話じゃない。

でも、例え話でも答えられないんだね。そうなんだ。

じゃあ君は、いらなかな。



248 優しい分かれ道


さよならなんて言わないよ?だってまたきっと会えるんだから。

幾億分の確率で出会った私たちなんだから、もう一回会うことぐらい簡単だよ。

だから私は「さよなら」は言わない。「またね」っていうの。



249 Hello. Nice to meet you.


どうも皆様ご機嫌麗しゅう!最悪の地獄から私が帰ってきましたぁ!

とは言っても?私がいるところが言うなれば地獄な言うなれば地獄なもんですから?

まぁ、何というか。「地獄へようこそ」ですねぇ。



250 私の可愛い子犬ちゃん


あぁもう、本当に可愛いんだから。飼い慣らして食べちゃいたいくらい。

冗談よ冗談!食べたりしなわよ、そんな趣味ないし。

…でも飼い慣らしては見たいかしら。あなたが私の従順なペットになるのは見てみたい、なんてね?



251 圧倒的社不の塊


眠い目を擦ってまで辛い現実に戻る必要はある?

そのままオフトゥンの中でダラダラしていたいという素直な気持ち。

世間にひとつまみ程度のヒモ表明をして、

今日も私の1日はオフトゥンの中で完結する。



252 生への執着、人間の美学


何かに執着するのは醜いことではない。ものであれ場所であれ、みみっちくしがみつくのも人間としての美学を感じられる。

まぁ、人様に迷惑をかけるような執着は許されたものではないがね。

本人の本心でしがみつくなら、そこにそれだけの価値を見出してるってことだ。



253 トリガーは僕に何かあった場合だから


何でこんなことしたの、って?…最近、君は僕と会ってくれなかったでしょ?

だから、僕が傷付けば優しい君はきてくれるかなって。

卑怯だよね、君の優しさにつけ込んでさ。ごめんね。

こんなダメな僕で…ごめんね…!



254 軽やかなギターソロとアップテンポが飛んできそうな曲


流れる景色は変わるけど、辛い過去は消えないけど。何も信じれない時もあるけど。

でも、絶対君は大丈夫。人生はハッピーエンドに向かって放物線を描いていくから。

君の好きなものが、音が、僕が。君のすぐ近く、そう…ポケットの中から、見守っているから。



255 ファイナルラウンド


かつて僕たちは友達だった。同じ釜の飯を食らい、同じ床で寝、同じ戦場を駆け抜けた。

僕たちは友達だったはずだった。あの時瀕死の僕を庇って敵に連れ去られ、君は行方不明になった。

僕たちは友達だった!!!そうだったはずだろう??!!なぁ、そうだと言ってくれよ。友達の君と、戦いたくなんかないんだよ…



256 「これを相手取るって…何かの冗談でしょうよ」


落語の演目にですね、「死神」ってのがあるんですよ。

まぁ色々ありますが最後主人公は自分の命を延命できずころっと死んじまう。

神の力に近づきすぎた異能持ちの人間はいずれその力に蝕まれる。

身の丈に合った力を持てって先人からの教訓ですが…あんたのはちょっと…やばすぎやしねぇかなぁ…



257 感情と肉体の乖離


おはよ。あ、これ?なんか朝から涙とえずきが止まらなくてさぁ。

全然悲しいとかじゃないんだけど、うん。初見だとビビるけど普段と何も変わんないから!うん、大丈夫だよ。何でだろうね〜



258 世紀末高等学校


えー今から朝のHRを始める。まず初めに連絡だ。

最近田中が全裸で深夜徘徊していることは知っているだろうが、昨日遂に職質を受けたらしい。よって田中は今日休みだ。

免許持ってないのに原付でバイトに行ってる小林、夜は気をつけろよ。あとうちはバイト禁止だ。



259 目的を持たない命


生きる意思があるから人間としてやっていけるんだ。じゃあその意思が途切れた人間はどうなってしまう?

…そういうことだ、あまり舐めないでもらいたい。俺ほど命とフットワークが軽い人間はそうそういない。



260 偽りの涙とおくりもの


おやお嬢さん、私にハンカチを貸してくれるの?ありがたいけど、生憎私は道化師ピエロ。この涙はハンカチでは落とせないのよ。でもありがとう、お礼と言っては何だけど…これ、受け取ってくれるかしら?



261 悪魔ではないさ、外道なだけで


おおっと、慌てんなよ。俺だって悪魔じゃねぇんだ、情報くらい渡すさ。

この発信機を辿れば人質の元へ辿り着く。こいつはお前にくれてやるよ。

あっと、言い忘れていた。その発信機は起爆装置にもなっていてな、近づきすぎるとドカンだ。誰も「人質が無事」なんて言ってないぜ?マーダーを疑うことを覚えるんだな。



262 風紀委員の先輩のピアス跡


こら、そこの君。耳を見せたまえ。

…やっぱり。ピアスの穴が空いてるじゃないか。この学校はピアス禁止だろう?

その、ちなみに、なんだが。どんなピアスを開けているんだ?

あ、いや…今の質問は聞かなかったことにしてくれ。



263 史上最大の屈辱


い、いらっしゃいませwお客様っw

こ、こちらにはフフッwお一人でお越しでしょうかw

かしこまりました。…っwッスゥー…ん”ん”っ

お客様、当園テーマパークへようこそ!夢のような時間をお過ごしください!

…一人でw



264 弾劾(吊し上げ)裁判

さて、皆様お集まりいただきありがとうございます。

ではこれから私たちの担任の〇〇先生の改善案を出していきます。

特別ゲストとして、〇〇先生をお呼びしました。

では一番初めの議題で、「授業中の寒いギャグについて」改善案を挙げていきたいと思います。…先生、顔色が悪いですよ、大丈夫ですか?



265 ヘッドホンを壊されたのは実話


あーっ!そのヘッドホン、壊したの?!どうすんのそれ、確か2〜3万するって自慢されたやつ!バレたら怒られるよ!

え?修理する?でもそんな、どこがどう壊れたかもわかんないのに、

って叩けば治るって、昭和じゃん!絶対無理だよ…



267 こうして彼は今日も膝から崩れ落ちる


大丈夫だって、次のレースは絶対当たるから。

任せなって、百戦錬磨の達人だよ?

それに、今月の生活費だってかかってんだ。ここは勝てる!

なに?カス?人聞き悪いねぇ、「お馬さんに寄付しながら夢を見てる」って言ってくれ。



268 夜行性の生態


腹減ったなぁ…でも、こういう時に限って家に食いたいもんがないんだよなぁ。

ただこのまま寝るのはどうも難しい!待てよ、財布に金はあったはず…

コンビニでも行くかぁ、今日はあの夜勤のお兄さんいるかなぁ。



269 I wanna be your slave


君を自由に動かす主人になりたいし、君に従順に尻尾を振る奴隷になってみたい。

君に無様な格好をさせて優越感に浸りたいし、君の命令に付き従って動いてみたい。

君がどちらを望んでも、私は君にYesと言ってみたい。狂ってるかな?



270 新たな世界への抒情詩


流暢な語彙で並べ比べられないような感情表現は一定数存在する。

桜の雨の中交わされる訣別と別れ、人と人の交わりの移ろい、

新地と踏地の交錯。

別れと今まで。出会いとこの後。

これからの話は、他でもない私が作る物語。



271 んな無茶な


カット、なんか違うんだよなぁ。

もっとこう…狂ってほしい。主人公の狂気を引き出してほしいんだよね。

ナチュラルサイコ、っていうのかな。自分が狂ってるのを認識してないみたいな。

早い話、人間やめてほしい!



272 劇場版’(廃盤)


迫り来る年度末!山のようなレシート!迫り来る期限に追われながらの限界の戦い!

荒れ狂う主婦達よ、貴殿らに導きの経理管理システムが宿らんことを!

劇場版「確定申告合戦」〜政治家上層部の懺悔と決別を添えて〜



273 落語の演目みたいだよね


死人に死人に口無し世にも無し海なし山梨。

山梨県の山荘で見つかったこの死体は奇妙なことに海水で溺死させられた痕跡があった。海無しのこの地までどうやって運ばれてきたのか、またどうやって容疑者は殺したのか!

事件を解く謎は…果物?!

来週もお楽しみに、乞うご期待!



274 かわっちまったよ、本当に


かつて天才だった貴方へ、

あの頃は貴方の個性が怖かった!それが今じゃあ、みんなピッカピカに丸くなっちまってどうしようもない。

あの日神童だった私へ、

私は悪辣な大人に育ちきっちまって見る影もないぜ。



275 開幕十割原作ブレイカー


じゅげむじゅげむ、5秒でブチギレ。

海砂利粉砕からの水魚全滅の水風雲をちぎっては投げちぎっては投げ。

食う寝る住むなら金を払えとやぶらこうじを火で炙る。

パイポ・パイポ・パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、

グーリンダイのポンポコピーもポンポコナも、

長久命の長助も家を追い出されたとさ。



276 次の日、教授は捕まったらしい


その昔、偉い人は言った。「小5」と「ロリ」ではただの犯罪だが、

組み合わせてみろ、どうだ。「悟り」になったろう、と。

ん?どうした?あぁ、読み間違えか。修正だ、偉い、と書いた所の、「ら」を「ろ」に修正しといてくれ。

この板書が終わったら、今日の一限「猿でもわかるロリヲタコンプレックス」の授業は終わりだ。



277 こんな悲しい釣りスレいやだな


【悲報】ワイN高実質ニート、遂にバイトに受かるw w w w w

以下、名無しがお送りします


残念だったな

今日はワイの中で4月1日や




278 圧倒的レギュレーション違反


さあ始まりました「みたらし団子の容器についたタレを全て食べ切るRTA」出走です!まずは手際よく団子を食べていく!ここでのロスは避けたいところ…とまずい!

串で喉奥を刺してしまいタイムロスです!ここから挽回できるのか…あーっと?!バーナーです!プラの容器を全て溶かして飲み込んでしまったー!RTA世界記録更新です!



279 その昔、遊楽のお話でありんす


嗚呼、泣かねえでおくんなんし。所詮この籠の中では男と女の一夜の戯れ。あちきも主さんの事を愛しているけど…それも叶わぬ夢。行きはよいよい、帰りは涙があふれるような…口にするのは簡単な、そんな儚い愛でありんす。



280 飽きさせないでよ、全く


ふわぁあ、眠たくなってきちゃった。眠気覚ましなんて、家にあったかな。

…あなたが悪いんだよ。私に誠意を見せないで、退屈なんてさせるからさ。

私があなたを振り向かせるために努力を怠らなかったように、あなたも私のために努力しないといけないの。私がいなくなるのが怖いんでしょう?

じゃあ、ちゃんと「私の彼氏」でいなきゃね?



281 世界はそれに魅了されてKickと呼ぶ


月光上を躍る、たった三針(さんしん)にも満たない刹那の不可造形のこの虚像。

上も下もわからず落ちていくような黒に混ざるこの星明かりで、10HZのパンチラインが平衡感覚を乱していく。

ああまたこの不可解が途切れていく。この心地いいミステリアにまた飲み込まれてしまう。



282 偽りだらけの恋愛


そこの旦那さん、良うござりんしたらこちらにいらっしゃいな。

あら、こういう所に入ったことがねえ?あら、初心でありんすね。そういうのもあちき好きよ。さぁ、寄ってらっしゃいな。見るだけに足らずおいでなさいな。

金で買える薄い愛も、一夜の甘い夜に変わるんでありんす。



283 お嬢様の苦悩


ご機嫌よう皆様。本日もお日柄もよく、皆様とお茶会ができて嬉しい限りですわ!

そうそう、今日この日のために焼き菓子の練習をしましたの!爺やが火元は危ないってうるさいんですの!私達もう高等部ですのに!家庭実習で料理も作ってるって何度も言っているのに!

やっぱりどこのメイドも執事も心配性ですわよねぇ。はぁ…



284 漢の度胸試し


ポーカーフェイス、運、知識、心理描写、どれも対人の賭け事を教わる際に叩き込まれる絶対的な「ノウハウ」だが、そればっかりが全てじゃない。

本能で感じ取る「決断」が、全てを決めるんだ。

インテリで博識ぶったお前なんかに、この勝負は残れねぇよ。



285 その少女はまた自分を責める


幾度目かの覚醒、いつもと違う景色。

向けられる視線は、いつもの私を蔑むようなものではなく、真剣に向かい合うような、強い意志を感じるようなそんなもの。

体に植え込まれた赤色の支柱が私の体に愛を注入する。

冬場の庭先に捨てられる私のような雑草を繋ぎ止める緑色と無機質な白い部屋。

この部屋にいる間だけは、私は他の誰よりも人の愛と意志を浴びることが出来るのだ。

でも私はこの見せかけの承認欲求とエゴが嫌いだ。

ここは在る一室、見てくれの悪い少女と傷を癒す箱庭の話。



286 僕と君の世界の見え方


真夏の茹るような暑さにキンと音を立てるような君の笑顔。

向日葵も眩しさに顔を背けてしまうほど鮮烈な君の底抜けの明るさが、今はただ辛く感じる。過ぎていった夏、僕を捕まえて離さない、二度と冷めないほとぼりを。

君は簡単に思い出に変えてしまうのだろう。



287 星屑のホテル


誰かが紡いだ御伽話。この砂浜は星屑の休憩所らしい。

無限大の鳥籠を飛び回るあの碧い鳥達は、尾を引く羽を休めてまた旅立っていくらしい。この地は彼らを受け止める安息の地でなければならない。

だから今日も彼方からのお客様に、今晩は、と告げるのだ。



288 君だけのアイドル


甘い香りで人を惑わせ、みんなを幸せな気分にする。そういう意味では、私みたいなアイドルとあまーいスイーツは似てるのかもね?

でも気をつけてよ?あまーいパンケーキは重たーい生クリームが相場、アイドルだってそう。あ、私がデブってわけじゃないから!

私が振り撒くのは本物の愛、その愛から逃げるなんて許さないよ?

理想を押し付けるのは、何もヲタクくんだけじゃないんだから。



289 雑草の生存論


咲き誇る花に賞賛を与えないでください。なぜなら周りの雑草が浮かばれないから。

人間も同じ。できる子だけを褒めないであげてください。

平等ができないから公平があるんです。全員を1にすることができないから、不条理でも皆んなに同じだけしか与えられないの。



290 聖なる凶弾


聖なる銀弾シルバーブレッド。金属の冷たさを持つ白銀の弾丸が貫くのは、幼気な恋心と最期のあの言葉。紡げる言葉の弾倉はあと一節だけ。小さな声でいい、力強く。

「会いにきて」



291 比丘尼の尾飾りの風鈴


うちの風鈴は、ちょっと変わってる。チリンチリンという

小気味良い音と共に、水飛沫が尾を引いて溢れてくる。水滴は落ちる前に乾き切って、床を濡らすことはない。おじいちゃんが人魚の涙の風鈴って言ってたような気もする。今日も青く澄んだ硝子細工から、しとしとと嬉涙がこぼれ落ちる。



292 呪焉通販


相手を離したくない!そう思ったことはありませんか?彼がどこかに行ってしまわないか不安…彼女が変な蝿にたかられないか心配…そんな貴方に愛哀傘!縛りつける呪いのように、湧き立つ感情が全て貴方由来のものになる。お試しあれ。



293 野良猫の倫理観


吾輩は野良猫である、名前はまだ無い。当然ながら主人もない。あるのはさすらいの放浪だけ。最近の人間という生き物は溜息と将来像ばかりでつまらん。自由に生きる喜びを忘れちまっている。俺はそういう意味では他より先を征くのだと優越感に浸りながら、赤信号を堂々と渡るのだ。



294 静かな平面体、白く広がりて


病室の天井しか視界に映らない僕らからすると、カーテンの動く音は期待を大きく煽る。たとえそれが定時の清掃だったとしてもだ。両親が最後に見舞いに来たのはいつだったか。看護婦を心配させないように、溜息を飲み込む。

ここは無機質な部屋、煮沸された器具が立ち並ぶ、アルコールの香水が染み付いた一室だ。



295 君の心に潜む狂気


お早う御座いますお兄さん、こちら、地獄です。君は何かしら理由があってここに来た訳だけど…まぁ血溜まりに埋もれてる時点でまずい事したんだろうね。

ここは君の内面と性格を表す。絡められた包帯から憶測するに、私も関わりたくない程のインセインだろうねぇ。



296 終わりなき愚窟の行軍


おぉ勇者よ、冒険の旅路に栞を挟むことなかれ。そのまま栞を挟んではお前はこの冒険の書を本棚に仕舞い込んでしまう。そんな紙切れなど捨ててしまえ、篝火に押し掛け、この煌めく聖者の行進を止める事なかれ。



297 君の遠くからの言葉だけで


イヤホンから聞こえてくる君の声、つぶやかれるのは暗号、駆け落ちの合図。

大人達にはわからない言葉で、心で。

また大人達に呼び止められる、通話は切らなきゃバレてしまう。

終わりぎわの一言でまた今日も隠し通せるんだ。

「愛してる」の君の言葉だけで。


298 生涯設計を見逃して行って


君は手帳に縛られた生活を送っている。踏切を待つ間に予定を書き、並木道を抜ける間も予定を考えて、全部計画通りみたいな顔して生きている。でも私は知っている。

私が絡んで予定が崩れた時、君は困ったように満面の笑みになることを。



299 不死身の旦那様


やぁただいま。とりあえず濡れちゃったから着替えを持ってきてもらっても良いかな?いやぁ大変だったよ。みんなあんなにはしゃいじゃって、そのくせ終わった途端つまらなさそうな顔してさ。え?予定?延期になったよ。ギロチンでも死なない僕をなんとかして殺そうと皆んな必死なのさ、見ていて滑稽だよ。



300 少女の抜錨


心の傷を縫うのは私、分かってるはずなのに、涙が止まらないのは何故だろう。

叶う事も有りましょう、当然叶わぬことも有りましょう。誰かのせいにしようとも、やっぱり誰かのせいでもないでしょう。嗚呼、難しいものですね。それでも心に落ちた重い錨は上がっていくのです。

自分を変えた波を懐かしみながら、また私は愛することを学んでいくのでしょう。

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