お前ら人間はセックスしたら百発百中で妊娠するのか?しないだろ?ましてや食事すると妊娠するのか?するわけねーだろバーカ
「これで分かったろ?本物の吸血鬼だよ。」
吸われた?血を?吸血鬼に?ってことは俺...
「吸血鬼になっ...」
「んなわけねーだろバーカ」
「えぇ...?」
吸血鬼に血を吸われると吸血鬼になる。あまりにも有名な話だ。でもそんな想像は、目の前の本物によって即座に掻き消される。
「血を吸うといつも人間はそれを言うんだよな」
「だってそりゃあそうだろ?よく考えてみろよ」
そう言って左腕でテーブルに頬杖をつき、右腕でジェスチャーをしながら話し始める。そのジェスチャーはOKサイン...エッチな意味の方だ。
「お前ら人間はセックスしたら百発百中で妊娠するのか?しないだろ?ましてや食事すると妊娠するのか?するわけねーだろバーカ」
「あ、うん...いや、まあ、ね?その...」
ぶっ込んで来た。同年代の同姓で言われるにはともかく見た目年下な女の子に言われるとなんだかな...
まあ年下と言ってもそれは顔立ちや肌の質感だけの話ではあるんだが。
そんなことを考えていると吸血鬼はまたもやぶっ込んでくる。
「どうやったら吸血鬼になるか知りたいか?」
返事をする間もなく話し始める。
「愛し合った人間と吸血鬼でまぐわう。すると人間側が吸血鬼になる。って感じ。まあ人間と恋愛するなんてそんなに多くねーから、種を維持するなら吸血鬼同士で子供を作るのが多いけどな」
「あぁ...なるほど」
などと話していると、机の上に置かれた献血バッグのようなものが目に入る。
完全に忘れていた。目の前の吸血鬼が明らかに異常だが、ダイニングテーブルに献血バッグがあるのも十分異常だよ。
「そういや、血を持ってきたって...それ?」
「ああ、これだよ?」
「献血バッグ?」
「当たり前じゃんか、今の時代人から吸ったら目立つし、常識だろ?」
「吸血鬼の常識なんか知らないんだが」
「病院の採血とかから流れてくるし看護師はだいたい吸血鬼だったりする」
「嘘でしょ」
「つーかさ、折角血を持ってきたってのに、飲まないのか?」
突拍子もない...と言うわけでもなく原点回帰の話題になる。
「いやいいよ...俺、人間だぞ?」
「? いやいや、血が欲しいって念じてたからあたしがこれを持ってきたんじゃん」
おっと、言い逃れができないかもしれない。
「いや〜それにしても珍しいなぁ。血を飲む人間なんて」
「違う...」
「へ?」
「俺は!血単体が好きなんじゃない!」
「と、言いますと?」
「女の子の首筋から飲んだ方が美味しいし可愛いしえっちだろ!!」
「うわぁ....」
目の前の吸血鬼が顔をしかめる。おい、
ゔぁんぱいありずむ! 九条 楓 @kuzyou_kaede
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