第55話サイクロプス



「ああああ、あれって何!人が燃えてる!」


「人が燃えてるんじゃーーなくて、火の魔物だって、キキはダメよーー」


全身が炎で燃え上がる人型が空中を飛び交っていた。

その人型の数は100体。


カナブンが空中バトルを展開中。数で負けてる。

そこに球体が加勢に入る。


「何なの・・・床に何かが・・・」


それに対して床面には、大きくなったり小さくなる影がうごめいている。


そんな広い空間に這ってゆくアカベー。


その影がアカベーを捕らえる。


『キュウ!キュウ!キュウ!』


そのまま引きずり込む。

必死にもがき引きずり込まれないようとするアカベー。

そんなアカベーを空中にいたカナブンが助け出す。


『大丈夫かアカベー』


『キュウ!』



しかしアカベーは怒っていた。体を真っ赤にして発熱を始める。


あまりにも熱さで手放すカナブン。


『あ!アカベー』


落下するアカベーは、影に向かって赤いビームを放つ。

赤いビームが影に当たった瞬間に大爆発が起きた。

その爆発でアカベーは飛ばされた。


爆発跡には、影が徐々に薄くなり消えていった。



人型や飛んでいたカナブンも同じように吹き飛ばされた。

炎の人型は壁に激突して床に落下。


絶好のチャンストと思ったリサは、水魔法を発動して放水。

その放水で炎の人型は、あっという間に消えてピキピキッと亀裂が入った。

そして足元から崩れだして崩壊。



俺は、爆発に巻き込まれなかった人型に向かって放水を始める。

もの凄い水量で2体の炎は一瞬で消えて、そのまま落下して崩れる。


球体の激突で落下する人型は、リサの放水によって倒された。


2体の残骸に向かって召喚。

人型を形成して炎がメラメラと燃えだす。


「お前も戦ってこい!」


『命令のままに』


そして飛んで行った。



あ、火球が俺たちの方に放たれたぞ。

一瞬で結界を張るシズ。


それによって火球は、結界にはばまれる。


「シズ!消しっていいぞ」


結界が消えると俺は。水の玉を作って追尾機能を追加して放つ。


それによって人型の数を減らすことに成功。


「やっと終わったわ」



仲間になった人型は22体。



「あんたボウボウ燃えてるけど熱くて仕方ないのよ。もっと、あっちに行ってよ。それに引き換えアカベーは、発熱を止められるから凄いわねーー」


『キュウ』




「あ!またのゲートが開いたぞ」


前回同様に人型と影が出てくるパターンか・・・


「なによ・・・あの1つ目は・・・」


1つ目の巨人がゲートを広げながら出てきた。

もしかしてサイクロプスって奴か・・・神話なんかに出てくる奴だぞ。


「ガオーーオ!」と雄たけびが・・・


「やるしかないないわ」


最初に動いたのがアカベー。

体を真っ赤にしてサイクロプスの足に絡みつく。


「ガーー!」


必死で両手で引きはがそうと・・・しかし、球体になったムンモが突進。

それも複数が・・・何度も。


顔や腹にも襲いだす。

痛さと熱い足でグロッキー寸前だ。


俺は結晶刀を取り出す。

結晶刀に高周波振動を発動させてサイクロプスに向かって放つ。


サイクロプスもやばいと思ったのか避ける。

しかし、魔法操作で結晶刀の軌道を変えて首を深く斬る。


「グガ・・・」


大量の緑の血を噴出しながら両足をついて、そして倒れる。


こいつも召喚だ。

傷は癒えて立上がるサイクロプス。


『ガガ、ガガ』


なんだ!話すことが出来ないのか・・・




「ゲートが開いたわ」


え!又かよ・・・



「キャーーァ!ハエがあんなに居るなんて・・・信じられない」


全長15センチのハエがゲート内から飛び出してくるぞ。

その数無数だ。


これは俺が相手だ。


毒魔法を発動してモクモクと紫の霧が発生。

1匹、2匹と落ちだす。


苦しみ悶えるハエ。

それでも命を奪えないか・・・ならば紫の霧の中で雷魔法の雷を発生させる。


もの凄い雷が発生。全方位に雷が・・・ようやく動きが止まったぞ。

ようやく全てを倒したのか・・・ならば召喚だ。

あ!元気に動き出したぞ。


え!どっと魔力が・・・これはやばい・・・


「又もゲートが開きだしたわ」


黒いヘビがニョロッと出てくる。


いい所に出てきた。生命吸引を発動。


弱ったヘビには悪いが助かったぜ。

ボコボコにされたヘビに止めを刺す。


「え!又もゲートが・・・」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る