第54話アーマー
「アカベー、通路が大きくなって良かったね」
そんなこと言いながらアカベーの頭に乗ってるナナ。
その後ろには、キキも乗ってはしゃいでるよ。
「これはいいわ・・・あなた達も乗りなさいよ。きっと気に入るって・・・」
「ムカデに乗りなんて、まっぴらです」
シズは、顔をブンブンと振ってみせる。そしてリサにしがみつく。
『キュウ、キュウ、』と悲しそうなアカベー。
そうなのだ。急に通路が大きくなっているのだ。
もし通路が大きくならないと瞬間移動で、ピラミッドの外へ移動させようかと考えたよ。
それ程に遅いんだよ。
「とうとう広い空間にでたぞ・・・ちょっと待て・・・そんな空間の真ん中に頑丈な木箱があるぞ」
魔眼では空間の壁や天井や床まで見たが怪しい物はない。
しかし、木箱も普通の木箱とは思えない。
なぜって黒塗りで幅が1メートルで全長は2メートルを超える。
そして角には金属で補強までされてるぞ。
それに魔眼でも中が全く見えない。
トラップが仕掛けられているのかも分からない状態だ。
そしてアカベーに押出される。
「何をするんだ・・・危ないぞ」
「そんな悠長に見ていてもダメよ・・・アカベー!壊しなさい」
凄い速さで動く。
『キュウ』と鳴いて真上から襲いだす。
大きく開けた口で、凄いで勢いで噛み壊す。
木箱は破壊されたが大盾によって、噛むことができない。
そこには、フルプレートアーマーが大盾で攻撃を防いでいた。
床の木箱の
「アカベー!逃げろ!」
アカベーは、口を大きく開いて素早い動きで頭を反らす。
頭があった位置に大剣が突き抜けた。
そして空中で停止。
フルプレートアーマーは、「ガシャン」と床に着地。
持っていた大盾を放り投げる。
投げられた大盾は、大剣の横で停止。
フルプレートアーマー、大剣、大盾もシルバーで、訳も分からない文字が刻印されている。
その刻印部分が光ってるのだ。
ナナは、飛び出して結晶剣を振りかざす。
そしてアーマーに向かって振り下ろした。
しかし、大盾が防いでいた。
結晶武器が通じないのか・・・ナナは風魔法を発動。
大盾が光、ナナを吹き飛ばされている。
後ろに回ったキキが風の乱舞を放つ。
無数の風の刃が乱れながらアーマーを襲った。
しかし、大剣がことごとく斬り捨てた。
俺も雷魔法でアーマーや大盾に放電を放つ。
又も光って防いでいる。この光りが邪魔だ。
カナブンもムンもモ攻撃に参加。
アーマーに球体が激突。
アーマーの右腕を吹き飛ばした。
勝てると思った瞬間に、アーマーの左に新たな大盾が現れた。
右には大剣が・・・
なんだよ・・・反則だぞ。
そんな時だ。
シズの火球が大盾の裏側に命中。
大盾は炎に包まれて溶け出す。
もう1つの大盾は、ナナの突きが裏から突き抜けて風魔法で粉砕。
残るは、大剣2つとアーマーだ。
「大剣のグリップを狙え!」
カナブンの一撃がグリップに当たり「ズバッ」と切断。
その途端に落下。
大剣の弱点は、グリップだった。
ならば雷魔法を放つ瞬間にアーマーの中に瞬間移動。
アーマー内で放電の光りが漏れる。
「ガラ、ガラ、ガシャン」とアーマーが崩れた。
残った大剣も無傷のまま落下。
俺達は勝ったのだ。
「手強い敵だったわねーーアカベー」
『キュウ』
俺はアーマーの所へ行って召喚を発動。
バラバラだったアーマーがあれよあれよと合体。
大盾と大剣を持ったフルプレートアーマーが立っていた。
『なんなりと御命令を』
「そうだな・・・敵が来ないか見張れ。そして来たらやっつけろ」
『御意!』
フワッと浮いて2メートル上に停止して光を放ってる。
あれが見張りなのか・・・
「みんなーー、そろそろ飯にして、ここで寝よう」
「すっかり食事を忘れてたわ」
鍋の肉と野菜の煮込み料理をだして準備だ。
「中々の味だわ」
「この肉ってマンモスよ。絶対に間違いないって」
ワイワイいいながら食べたよ。
そして、ここで仲間になった連中も、生肉をだすと食うってたよ。
グルメだけが魔石を欲しがった。
「仕方ないなーー、これ1個なーー」
『感謝しますぜ旦那』
もう、嬉しそうにペロペロ舐めるグルメだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます