第47話深層のダンジョン



広大な土地に・・・あれって地平線なのか・・・まさに別の惑星なのか・・・

そして、空があった。こうこうと照るつく日差しも・・・

こんなダンジョンってめちゃくちゃだな。


そして、ここが【深層のダンジョン】か・・・そんな思いがフッとわいてきた。

たしか、ケット・シーが聞き知った話はこんな感じだ。



遥か昔の帝国の皇太子に雷帝ニアンと恐れられた人が居たんだ。

剣の一振りでカミラリを幾重にも発生させて、数百の魔物を倒す実力者。

帝国内で有名で幾つもの伝説を生み出した雷帝ニアン。


そして、この深層のダンジョンが発見されて、皇帝にダンジョン攻略を願い出たと・・・


皇帝も可愛い息子の願いを容易く聞き入れたらしい。

それ程の実力者だったのだろう。


仲間の供に入ったが、1日が経過。

1週間も経っても雷帝ニアンは戻って来なかった。


雷帝ニアンを探すために探索者シーカーが数組がダンジョンに入っていった。

しかし、誰1人も戻って来なかった。


皇帝の心配はピークに達したて、軍隊による探索を決行。

1万もの兵がダンジョンに入った。



4日目に生き延びて戻ってきた兵は4人。


「このダンジョンには黒龍に匹敵する魔物が何千も居ます」


「我々では手に負えません・・・魔法も無効にされて、あがなうことが出来ないのです。そして、あまりにも広大な土地が広がっています」


黒龍は、帝国でも恐ろしい存在として語り続けられていた。


それ以来・・・誰も入ることのないダンジョンとして有名らしい。




「ユウ、何を考えてるの・・・」


「あ、ごめん・・・ケット・シーの話を思い出していたんだ」


「さあ、わたし達も行くわよ」


リサは風魔法を発動して空中に浮き出した。

そして俺のことを上から見下ろしている。


俺も風魔法を発動してリサの所まで飛翔。


「行くわよ」


俺は、スケルトンの念話を通した。

あれ・・・あっちこっちに散らばっているぞ。1番近い居場所を特定。


「スケルトンはこっちだ!」


「え!そっちなの・・・」


しばらく飛んで見えてきたのは、戦っているスケルトンだ。


「あれってゴリラなの・・・腕が4本もあるわよ。それに身長が5メートル以上はあるわ・・・あんな魔物は初めてだわ」


ゴリラの腕の一振りで数体のスケルトンが飛ばされながらバラバラにされていた。

しかし、数分で元に戻るスケルトン。

そして剣と盾を拾って戦いに参加。


ついにスキをついて1本の腕を剣で切断。


「グギャー」と叫ぶゴリラ。


その時のは、数本の槍が胸や足に突き刺さった。

そして、胸を刺したスケルトンが更に槍を押出す。

ズブズブと体を貫通して心臓に・・・

ゴリラの足は、地面に槍によって突き刺されていた。

そのまま立ったままで息絶えた。


そしてゴリラの体は、徐々に崩壊ほうかいして土に戻っていた。


「あれって本当に魔物だったの・・・あんな風に崩れ去るなんて、初めてよ」


「そうだな・・・このダンジョンに関係してるのかな」


俺が倒しても召喚出来るのだろうか・・・

やるとしたら崩壊寸前に召喚するしかないぞ。まあ後で試してみよう。



1体のスケルトンが崩れ去った土をあさってるぞ。

何かを見つけて口の中に入れてしまった。その瞬間にポワンッと光った。


ゴリラ相手に戦っていたのは、6体のスケルトン。


俺とリサは、大地に着地。


『これは御主人様、何か御用ですか・・・』


「ああ、ナナ、キキ、シズを知らないかな・・・」


『我らが将軍の命令で分かれた時には、三角形の建物の方へ行くっと聞きましたが』


「お前らは、6体になる必要があったのか・・・それに、口に入れたのは何だ・・・」


『ここのダンジョンは、6体内で討伐すると経験値の吸収が良いのです。それに食べたのは魔物のスキルや魔法のオーブです』


「オーブ?」


『シズさまの話では、オーブを食べるとスキルか魔法を習得できると言ってました』


「シズの特殊能力ね・・・あの子は一風変わってるから」


「それで三角形の建物の方角は、どっちだ」


『あっちで御座います』


スケルトンは指差した。


「さあ、行きましょ」


又もリサは飛んで行ったよ。


「お前らも頑張れよ」


『分かりました・・・御主人様の御武運を祈ってます』


なんだよ・・・めちゃくちゃ頭が良くなってないか・・・このダンジョンのせいなのか・・・


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る