第43話東京奪還作戦



「第11区!制圧完了。敵の姿は見当たりません。これより第12区へ進行します」


「充分に警戒して魔物を殲滅して、魔法使いは生きたまま捕まえろ。無理と判断した時は殺してもよい・・・」


巨大モニターには、東京都の地図が表示。

区間事に番号が振り分けられていた。

11番の区域が赤表示から青に変わる。


そして食い入るように見守るのは、東京奪還作戦本部の面々であった。

第11区の自衛隊員が空を見上げる。

2機の戦闘ヘリコプターが飛び去っていた。



「第1区の情報はまだか・・・」


「あ、入りました。只今戦闘中です。Aモニターに映像を映します」


銃弾に撃たれて倒れるオークが映し出される。

そしてもだえ苦しむオークの頭を打ち抜いた。


「この豚野郎が・・・」そんな声が聞き取れた。



「あ!銃弾が弾かれたぞ。魔弾に切りかえ魔法使いがいるハズだ。手足を狙え!決して殺すな」


結界を突き破ってオークの頭に命中。

その姿を見た魔法使いが逃げ出す。その右足を魔弾が命中。


女の魔法使いが倒れた。

しかし、立上がって必死に引きずって逃げる。


画像が揺れに揺れて・・・女の後部をアサルト・ライフルの銃床で殴った。

女は気を失って倒れた。


「早く例の手錠を持って来い!」


ケースが開けられて手錠が手渡される。

その手錠を後ろ手にして「カチ、カチ」と掛けた。


「女の顔を見えるように映し出せ!」


「アルファ!女の顔を正面にして映し出せ」


「新田も手伝え」


新田隊員が女を起こして、土で汚れた顔を拭き取った。


「やはり、あの魔法使いだ・・・急いで連れて来るんだ」


「しかし、作戦遂行中です」


「一時中止しても連れて来るんだ」


「アルファ!b-1に女を連れて行くんだ。作戦は一時中止だ」


「・・・了解」


「みな・・・作戦は一時中止だ。この女をb-1へ連れて行くことになった」


「え!今からですか・・・作戦本部は何を考えているのか・・・」


「やめないか・・・作戦本部が聞いてるぞ」


「え!・・・冗談ですよね・・・」


「お前は、後で始末書だな・・・それが嫌なら女を背負って戦意を見せたら許されるかもな・・・」


男は女を背中に乗せて「b-1へ行きましょう」





女を背負った男が立ち止まった。


「敵の気配です・・・結構いますね」


女を崩壊した建物に隠す。


「本部、ここで防戦します。応援ヘリの救援をお願いします。相手はウルフで場所はb-3」


「なんてことだ・・・待機してるヘリを向かわせろ」


「b-1で待機中のヘリは、至急にb-3へ救援に向かってウルフの殲滅をしろ」


「了解」




「ダダダダダダダ」と連射しても命中するのは2割程度。


それ程のウルフの動きは速かった。


「もう目の前なのに・・・やっかいなウルフだ」


「あいつら、銃の動きを見てるようで目がめちゃくちゃ良いみたですよ」


「あ!ようやく来ましたぜ」


大型輸送ヘリコプター(CH-47J/JAチヌーク)の後部が開き、機銃を持った兵が撃ちまくった。


空からの攻撃と地上からの攻撃でみるみると数を減らす。


「この狼野郎が!最後の1発だ」


43まで減ったウルフを殲滅するのに10分も掛からない。




そして土煙を撒き散らしながら着地。


「俺らオメガと交代だ・・・」


「え!交代・・・」


「早くしろ・・・」






密室で女は、自白剤を打たれて朦朧もうろうとしている。


「日本人は何処だ」


「アシヌーク、ベレチノ、ソイザン、ナクール、ヘポ」



「あっさりと白状したな・・・これも討伐ギルドから聞いた通りだ・・・似顔絵の顔とよく似てたから、もしかしてと思ってたが」


「それにしてもゲート向こうの自白剤の効果は凄いものですね・・・成分は何ですかね・・・」


「それも研究所で研究されてるハズだ」


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