第34話待ち伏せ




「あ!なんて暗さなんだ」


ここは何処なのだ。

なんか懐かしい・・・

あ!足が何かに当たったぞ。

発砲スチロール箱が乱雑に積み上げられてる。


シャッターが閉まってるのと人混みがないので分からなかったが、ここって市場だぞ。


なんで・・・こんな場所にいるんだ。

それも誰もいないなんて。


あ、何かに見られてる。

振返っても誰もいない。


しかし、恐怖を感じてなぜか走りだす。

何かが近づくのが感じる。ああ、恐怖が・・・なぜか恐怖が逃げろって・・・

しかし、正体が全然に分からないぞ。


あ!「ステン」と転んでしまった。

もう必死に起き上がって、間一髪で助かった。

なんか後ろで衝撃音が・・・


もう、どれだけ走り続けてるんだ。

逃げても逃げても終わりがみえて来ない。

又も同じ場所に戻ってるぞ。これで何度目だよ。



何かが引っ掛かる気が・・・なんだろう。


あ!そうか・・・


これって・・・小さい頃にみた悪夢だ!。

毎晩みてしまい怖かった。

夢だから誰も助けには来ない。


俺って夢の中に迷い込んだのか・・・


あ!頭が痛い!頭がわれてしまう。





「ようやく目覚めたの」


「え!」


そうか・・・

魔眼でアルプの正体を看破かんぱした時に、夢の中に引き込まれてたのか・・・

小さい頃の悪夢を見せやがって・・・



「もう終わったから大丈夫よ」


「もう終わったのか・・・」


「アニキ!心配したんだよ。急に動かなくなって意識も飛んでたよ」


「そうそう、ユウを守りながらちょこまかと動く奴は大変よ。それで何があったの・・・」


「ああ、悪夢をみせられていたようだ。小さい頃の悪夢だったなーー」


「悪夢!」


「ああ、悪夢に引き込まれれて魔力を吸取られていたようだ。魔力量が少なくなってるな」


「そんなことになってたの」



ここは地下ダンジョン。


シロが教えてくれた場所だ。

地下深くにお宝があるらしい。


それを聞いた彼女らに「行こう」と迫られて行くことに。


「まだまだ中盤よ、はやく進むわよ」


ナナはグイグイと先行してしまう性格だ。


「もうちょっと探索しないと罠があるかも・・・」


「そんな物なんか1度もなかったわ」


「カチッ」と音がしてナナを弓矢がかすめる。


「たまたまよ」


「ほら、鼻先が切れてるぞ。俺が治すから・・・傷を癒えよ」


傷あとも綺麗になくなった状態だ。もしかして肌も綺麗になったかも・・・


「シズ、ここからは先行して調べてくれないかな」


「アニキ、分かったよ。この手の発見は得意だからね」



「あ、あったよ。あそこの凹みは踏んだらダメだからね」


「踏んだら・・・」


「落とし穴が作動して串刺しになるかも・・・」


ナナは、しゃがみ込んで凹みを入念に見てた。


「これが作動するなんて」


「触るなよ」


「分かってるわよ。そんなにバカにしないで」


「カチッ」


「キャーー」


とっさに風魔法を発動して手を掴んだ。


「だから言っただろ。触るなって」


「ごめんなさい」


「わかれば良いよ」





「広い場所に出てきたな・・・あれは何だ」


「あれは猫よ・・・それも両足で立ってるわ。手にはサーベルを持ってる・・・長靴をはいた猫ね」


「あれはケット・シーだよ。あ!白猫やぶち猫など様々な猫が姿を現したぞ」


何処に隠れてたのか、うじゃうじゃと猫が出てきた。


「100匹以上いるわ」


「わたしは猫派なのよね・・・仕方ないけど戦うわ」


「無闇な攻撃魔法はダメだぞ。落盤が起きたら大変だからな」


シズは、小さな火球を放つ。白猫に命中して一気に燃やし尽くす。


「あんた燃やしちゃったの・・・」


「うん、接近戦は苦手だから」


ナナは走りだす。

すれちがいに5匹も斬り倒している。


キキもリサも弱めの風魔法で斬り倒している。


俺も電撃を放つ。

一瞬で20匹を感電死させる。


10分で戦いは終わった。


「ねえアニキが倒した猫を召喚できないかな」


「出来るぞ」


「あの猫達は、集団で戦ったから知能がありそうだから、何か聞き出せるかも」


そうか、今までは単体だったな。


「ケット・シーを蘇れ」


30匹のケット・シーが蘇った。


『何か御用ですか・・・』


「このダンジョンの奥深くに宝はあるのか・・・」


『あります。しかし、もうすぐ帝国の連中が来るでしょう』


「え!帝国連中が来るのか・・・なぜだ」


『宝を取りに・・・このダンジョンは、宝を取られると一定期間が過ぎると又現れます。その宝を取りに来るのです』


「ヨシ!待ち伏せしよう」


「え!待ち伏せするの・・・」


「捕まえて情報を引き出す。まだまだ行方不明の日本人がいるからね・・・」


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