第24話家電




突然にリサが目の前に現れて2人ともビックリだよ。


「ごめんごめん、リビングに居るとは思わなかったわ」


嫌々、瞬間移動は部屋でやるって約束だろ・・・


「あの蟻たちに子供がわんさかいたのよ。5センチで餌を運んでるのよ」


女王蟻が居たら、子供を作るのが習性だからね。

1度見る必要があるな。


「そうだった。そんな話じゃないのよ。これこれ、これよ」


手に持ったスマホの画面をこれ見よがしに見せてきたよ。

ギルドの公式サイトからダンロードされた画面だ。

そして拡大されて見せる。

画面の末端に「魔かな石ぽ川発くM電た山機の雪購万反入」と書かれてた


最初の1文字(魔)、4(石)、7(発)、10(電)、13(機)、16(購)、19(入)。


そこへキキが参戦。スマホを覗き明るくなった。


「これって魔石発電機がここに置けるってことなのね。頭の固い政府がよく承諾したものね・・・早速、ギルド本部に行きましょ」


「ダメダメ、家電を買うのが先よ。みんなーー魔石発電機がギルドに来たよーー」


「とうとう、白米をオコゲなしでたべられるのね。早く最新の炊飯器を買いましょう」


「それじゃー電波塔も建てて、スマホもここからでも使えるように出来ないかな」


「わたしも賛成!」


「それは、いい案ね」


「早くつかまって、はやく」


あ、ギュッと握られた・・・ここは女子トイレじゃー・・・


「アニキ、はやく」手を引張られトイレの外にでたよ。


誰も居なかったから良かったが痴漢と間違えられたら大変だぞ。

俺の身にもなってくれよ。


「あったあった最新の炊飯器が・・・7番、この箱ね」


軽々と持ち上げてお会計に行ったよ。

そして、会計を済ませて外に「皆で壁を作るのよ。ユウは、はやく収納してよ」


言われるまま収納。



「わたしは冷蔵庫を買って来る」


「冷蔵庫1つだと不十分だから冷凍庫も買ってきて」


ナナはバッグから札束を取り出して手渡している。


「これで充分でしょ」


「わたしも・・・テレビが買いたい」


「わたしも色々買いたい」


「はいはい・・・ユウは、あっちのひと気の居ない所へ待機しててね」


え!俺も買いたい物が・・・電気シェーバーや頭を刈る電動バリカンなんか・・・

今でも無精ひげで、それに彼女らに頭を刈ってもらってるけど・・・


「ユウ、はやく行って」


犬を追いはらうように手をシシシって振られてよ。


シブシブ駐車場のスミに・・・



キキは、台車に載せた大型冷蔵庫と冷凍庫を軽々と押してやって来たよ。


「係りの人がついて来るってしつこいのよ」


「はい、はい」と収納。


「俺の電気シェーバーや電動バリカンも買って来てくれないかな」


「いいわよ。買って来るわ」




色々買ってギルドに来た。


「こんな大型冷蔵庫と同じ大きさで魔石によって発電機出来るのか・・・」


「出来るって書いてるぞ」


説明書には、魔石を2つ使用ってなんでだ。

なになに魔石の電気が切れても、もう1つで発電するのか・・・考えたものだな。



「大阪、神戸、京都で試験的に使用してるが、なんの問題もでてないから来月から日本中で使われる予定だ。海外のアフリカにも設置する予定のハズだ」


台車に載せた箱が運び込まれた。


「ギルドマスター、電波増幅器とアンテナのセットです」


「ようやく入ったか・・・これも電波も届くだろう」


「これ、これが欲しかったのよ」


もう、なでるように見てるぞ。


なんと、これ1台でスマホやテレビの電波が入るのか、なんて便利なんだよ。






なんでエアコンの設置まで俺がするんだよ。


「いいか、アルバイトでやってたから出来るけど、素人がやったら大変なことになるんだからな」


「はいはい、ありがとうさまです」


コントロールバレルを全開にして、ポンプを動かす。

時間にして10~15分程度。

真空ゲージが-0.1になるまでが目安だ。


ポンプとメーターの間の栓を閉じ、ポンプの電源を落として5~10分待つ。

ゲージに急激な変化がなければ問題ないだろう。


ガスのバルブを全開。


「プシュ」という音が鳴り出す。


1~2回鳴って止まる。

これなら問題ないぞ。



冷房の一番低い温度に設定して数分間稼働させてみる。


冷えた風が吹いてきたぞ。ガス漏れや水漏れもないからOKだな。


「あ、涼しいわ」


「上のアンテナは上手くいったのか」


「大丈夫よ」


スマホ画面で東京の天気予報を見せてきた。

東京の天気を知ってもな・・・



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