第14話既成事実




マンモスの解体は無事終了。

なんてたって結晶剣の切れ味がいいから早く解体も終わったんだ。


マンモスの半分ほどの毛皮か・・・「なめすのが大変だな」

なんだライムか・・・「何か用か」


「え!何するんだ。勝手に毛皮を食べるな」


俺は、ライムの体内に手を突っ込んだ。


「こんな毛皮なんか食ってどうするんだよ。腹を壊すぞ!」


お、あった。ググググッと引っ張り出すことに成功。


「なんだ!この手触りは・・・」


ライムと俺のやり取りを見てたナナが・・・


「私にも触らして・・・うそーー凄い手触りだわ」


もう、顔をスリスリしてるぞ。


キキやリサもシズも真剣に触りまくってきたよ。


「あのゴワゴワの毛並みが、フサフサの手触りになるなんて信じられない。これならベッドで包まればスヤスヤ寝れるかも・・・」


「じゃー明日は、蜘蛛狩りに行って糸の調達も頼んでもいい」


え!それって俺に言ってるの、たしか在庫があったハズなんだが・・・


「糸は使い切ったの・・・手作り織り機でシルクのような布に挑戦中なの」


「それなら前もって言ってくれれば良かったのに、反対なんかしないよ」


「ゴブ、明日の仕事は蜘蛛狩りで頼むぞ」


『分かった』


ゴブはコソコソ何かやってるぞ。

なんだ、象牙でオークを削り出してるぞ。ゴブは器用な奴だなーー。


あ、そのオーク像はブー助だな。






「この脳は、何処に捨てるんだ」


『ブヒブヒ!・・・親分!もったないぞーー』


ブホーー!!ってオークが群がって手当たりしだい食いだしたぞ。


『うま、うまいぞ』


『これはオレッチのだぞ!よこせーー』


おいおい、喧嘩するな。


「あっちにも頭蓋骨に入ったままの脳があるぞ」


ブホーー!!って群がる群がる。


『ブヒー、メインの前の腹ごしらえは出来たぞ』



なんだ、まだ食らう気か・・・どれだけの食欲なんだよ。


「お前たちは、口の周りや手がベタベタだぞ。あの川に行って洗って来い。さもないとマンモスステーキはお預けだ」


『ブホブホ!そんなむちゃな・・・野郎ども手と顔を洗いに行くぞ!』


『オーーー!!ブヒブヒ』



「やっと静かになったな」


「アニキ、料理なら任して。きっと美味しいって言わせるから・・・」


え!シズって料理経験ってあるのか・・・


「わたしのレシピ通りにやればバッチリよ」


嫌々ナナも怪しいぞ。


「大丈夫ですよ・・・わたし達もついてるので・・・」


それなら納得だな。

そうそう・・・無限収納から胡椒、シオシオ草、フサフサ草をテーブルに置いた。


「あれ!もうフサフサ草を取り入れるまで成長したのね」


「植物魔法だから予想以上に育ってたよ」


「あれ!自然のフサフサ草よい美味しいわ」


あ、ナナはさっそく食べてるぞ。





もう、夕暮れ前にはマンモスステーキがじゃんじゃん出て食った。


『親分、この焼いたのも美味しいぞ』


「そうか・・・ガツガツ食べなくても無くならないから、しっかり味わって食べろ」


『ブヒーブブ』


ああ、あんなに隣で食われたらオチオチできないかも・・・


「ブー助、フサフササラダも食え。俺の命令だぞ」


『ブブ、ビヒーー』


食いながらしゃべるな!

こっちまでツバが飛んで来たぞ。



あれ・・・ゴブが何かをチビチビと飲んでるではないか・・・


「ゴブ、何を隠しながら飲んでるんだ」


『え!親分・・・内緒に・・・』


お!それって瓢箪ひょうたんだな。

クンクン、甘ったるいが酒だ。



あ!ゴブの酒造りが脳内にイメージするぞ。

イモみたいな物をくちゃくちゃと咀嚼そしゃく

それを木の器に吐き出す。それを何度もしてる風景が思い浮かぶぞ。


ゴブよ、なんてことを・・・自分自身の唾液だからって・・・

それに、半端ないアルコール度だぞ。


『親分も飲みたいか、自慢の酒だけどいいよ』


「ゴブよ、丁寧にお断りします」


「あ、ゴブちゃん。何を飲んでるの、私に貸しなさい」


あ、ナナが奪って飲んでるよ。何も知らないって怖過ぎだよ。


「私たちも混ぜてよーー」


あ、3人も加わって飲んでるよ。

俺は知らないよ。


「俺は、もう寝るから・・・」


「つれないなーー」


ああ、もう酔ってるよ。


あ、思い出したぞ。

マンモスの子を・・・殺すしかない。このままだと死ぬのは確実だ。

袋に閉じ込められたまま、雷魔法を放つ・・・


死んだようだな。


「蘇れ、マンモスの子よ」


え!袋がビリビリと裂けて大人のマンモスに・・・

それも、足が8本で耳が4つもあるなんて・・・どうして・・・


『親分、姉御たちに酒をとられたよ・・・あ、マンモスの兄妹が・・・』


え!兄妹が合体したのか・・・新たな召喚なのか・・・


「お前に、新たな名を与える。マモーだ」


やっぱり脱力感に襲われたぞ。これって兄妹だから半端ない気がする。


「ゴブ、部屋まで運んでくれ・・・」


『大丈夫か親分』



ゴブに運ばれてベッドに倒れ込んだ。


『親分、お休み・・・』





あ、朝か・・・

なんで裸になってる。


え!「嘘だーー!」

彼女らも裸で淫らな格好で寝てるぞ。


「うう、もう朝なの・・・頭が・・・あれ、ここはどこ・・・」


「あれ!裸!」


「アニキ!私に何をしたーー!」


「キャーー!」


「・・・・・・」


「嫌々、俺寝てたぞ。マンモスの子に名をつけると寝てしまうのは知ってるハズだぞ」


「そういえば・・・ゴブちゃんの飲み物を飲んでからの記憶がない・・・」


「あれは、酒だ」


「え!私たちは酔ってたの・・・そして、恥ずかしいことをしてしまったの・・・」


「俺は自覚はないけど・・・」


「ひどいわ。わたし達のせいだと言うの・・・ひどいわ自分勝手よーー」


嫌々、それはこっちのセリフだよ。

それにしても寝ていたのに4回戦もしたのか・・・

俺は絶倫になってしまったようだぞ。


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