第9話巨木




ああ、スマホも通信出来ない程に離れてしまったようだぞ。


「わたしのスマホもダメです」


「それだけゲートから離れたし、飛行物体もワイバーンも見ないから見つかるリスクはないだろう」


「そうですね、ユウさん」


俺が年上だけど、こっちの世界だから下の名前で呼び合うことにしたんだ。

最初は、下の名前を呼ばれるって気恥ずかしいよなーー。

しかし、何日も経てば慣れるもんだよ。


1番年下のシズからは、アニキと呼ばれたりもしてるんだ。



「それにしても・・・大きな巨木ですね・・・」


俺もつられるに木を見上げたよ。

え!木に魔力が循環してるぞ。


「この木は魔物だぞ!!」


「嘘ですよね・・・こんなボロボロな老木が、あ!!動いた」


「皆!!気をつけるんだ!・・・ヒドラやってしまえーー」


全長4メートルの赤いトカゲのヒドラが、一瞬で炎に包まれて口から炎をふきだす。

まさに火炎放射のように木を燃やしてるぞ。

相手が木だけに、よく燃えながら巨木は暴れだす。


そんな高さ30メートル越えの巨木が「ドザンッ」と倒れてももだえ苦しんでるぞ。


俺は、苦しみを楽にするためいに、火球を放った。

顔と認識した部分に命中して、「ドッサッ」と動きが止まったぜ。

この火球もサラマンダーを倒した時に習得。



ヒドラの馴れ初めは山の洞窟だ。


「ここを住まいにして活躍しようか」となって探索。


洞窟奥は、めちゃくちゃ熱くサラマンダーの棲家だったよ。

急いで逃げ出した時に、しつように追い駆けてきたのがヒドラだった。

なんとか池に突き落として退治。

中々手強い魔物だったよ。




あ、表示だ。


【植物魔法習得】



俺の異変に気づいたのかリサが・・・


「新たな魔物ですね・・・もしかして何か習得しましたか」


「ああ、植物魔法を・・・」


「アニキ、それって何ができるの」


「植物の成長を異常に速くしたりして、操れるらしいな・・・ただし一時的なもので死滅するらしい。操るのでなく成長だけなら生き続けるのも可能かな」


「それなら林檎のタネがあれば成長させて、たくさんの林檎が食べたいね」


「タネがあればの話だな・・・」




「何をのん気に話してるのよ!!大変よ森全体が動いてるわ」


それは本当だったぜ。森の全ての木が魔物だぞ。

根本が二股に分かれ、大地から根を引っこ抜いて歩いている。

大きな何本もある枝を手のように操ってもいるぞ。



俺は、倒したばかりの木に向かった召喚を発動。

炭になりかけた木が復活を遂げる。


「木よ、お前も戦え」


味方となった木が相手の木に衝撃の一撃をぶちかましたぞ。

木は、その一撃でへし折れた。


やはい召喚したことで強くなってるぞ。



ロックも駆け出して木に向かった鋭く引っかく。

「ベキベキ」と切り裂く。それでも倒れない。

今度は抱きつく。「バキボキッ」とへし折ってしまう。


刺激された皆が動き出したぞ。


オークは、基地から奪った斧で「コーン、コーン」と切り倒す。

あるオークは、槍を何度も刺し貫いて穴ぼこ状態にして仕留めた。



結界師となったシズは、木の中央に結界を発動。

そのまま消滅させる。中央部分が無くなった木は倒れるしかない。


ナナも、大剣を振り回して一撃で切りってるぞ。


キキの発動する風魔法で、木が攻撃する枝をことごとく切りはらう。


ライムも飛びつき消化。


そんな中でヒドラの活躍は凄まじい。


俺は、倒しては召喚するのがやっとだ。




あ!【サラマンダー進化可能】と表示。


「ヒドラよ、進化しろ!」



全長4メートルから8メートルに進化。

コウモリの羽までがはえて、まるで真っ赤なドラゴンだぞ。

そんな羽を羽ばたくぞ。巨大化した体を浮かせられるのか・・・


あ!呆気なく飛んだぞ。

そして炎を吐いた。


今までにない火力で一瞬に、5~8本の木を炭化させた。



「私とゴブは、活躍なしですね」


『何を言う・・・俺はリサを守り役』


「え!そうなの・・・あんな巨木を倒せるの・・・」


『見せてやる』


戦いの場に一瞬で到着。

ワンパンチで倒して、リサの所に戻って来ていた。


「ゴブって凄く強いのね」


『当たり前だ』




【オーク進化可能】


【オーク進化可能】


【コボルト進化可能】


又も表示だ。


全て進化させた。


コボルトのコボは、身長2.8メートルの男へ変貌へんぼう

筋肉まっちょになったよ。

そのままかと思いきや・・・身体か徐々に変化・・・これって狼男だぞ。


「ワオーー!」と吠えて木に向かった走り出す。

振り下ろす爪が一瞬で木を切裂く。

めちゃくちゃ強くなってるぞ。あんなに可愛いコボルトが・・・


そして、木人が29本を配下に・・・


『主の仰せのままに従います』


長く生きていたのか・・・めちゃくちゃ賢そうだ。



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