第8話習得
あのゲートを離れて2時間後だ。
彼女達の体力では、スマホで撮影したポイントまでがやっとで限界だ。
『親分、何かが飛んでくる』
俺にも見えたぞ。ワイバーンだ。
「皆、草むらに隠れろ」
俺らの上空を飛び去って行く。
「もう、大丈夫だ」
気をつけながらゲートの方を見る。
10羽のワイバーンがゲートと上空を旋回。
1羽だけが飛び去った。俺らの反対方向へ・・・
残った9羽は地上に着地。
乗っていた兵士がワイバーンから飛び降りたぞ。
そのまま壊れた飛行物体に入ってゆく。
そんな光景も動画に撮って、日本政府に送った。
「危なかったわ」
「ゲートへ入った人達は大丈夫かしら・・・」
「彼らが選んだ選択だから仕方ないよ」
「え!あなたって少し冷たいところがあるのね」
「そうかな・・・」
『ここ危ない』
「ゴブも危ないって感じるか・・・」
『きっと周辺を探すハズ』
「君らも辛いが出発だ」
急いで逃げたせいだろう。
そうとうきついのか、まだ肩で息をしてるぞ。
「ここで休憩しよう」
「助かるわ・・・もう、限界だったのよ」
「それなら早く言ってくれれば良いのに・・・」
「そうね・・・そうするわ」
元気そうなオークを見る。
「オークにおんぶさせるのって・・・ありかな」
「え!無理、無理」
「オークは仲間だから大丈夫だって・・・なぜ信用しないいだ」
「あなたは知らないの・・・オークにレイプされた人もいるのよ」
え!本物のオークも性欲が強いのか・・・
「オークはコボルトの臭いが分かるか・・・」
『わかる』進化したオークが代表で話したぞ。
オークのグループでは、すでにリーダーが決まったようだぞ。
「なら、コボルトを生きたまま捕まえて来てくれ」
『わかった』
おお、凄い勢いで走って行ったぞ。
「何をさせる積もりですか・・・」
「コボルトを殺してもらうから・・・もう、覚悟をしてもらってもいいかな・・・」
「分かりました。すでに覚悟はできてます」
「え!もう、殺すの・・・やるしかないのね」
「大丈夫よ。私達は死んでもおかしくなかったのだから、これぐらいやらないと・・・兄に申し訳ないから・・・兄のためにも」
早いなーー、瀕死状態のコボルトが引きずられて来たよ。
俺は、ちょっと元気なコボルトの首を片手で締め付ける。
ああ、暴れるなよ。
オークに目で合図する。
分かったように手足を押さえつけたぜ。
押さえる前に死んでた。
あれ!何の表示も無いぞ。コボルトは、ちょっと弱すぎたか・・・
「ゴブのナイフを使うか、俺みたいに首を絞めるかを本人に任せるから・・・」
女の子達は、コソコソと相談してるな。
え!4人同時にやるのか・・・1人はナイフを選択したぞ。
目をつぶって必死だ。
あ、オークの腕に刺したぞ。
え!オークは平気な顔だぞ。
「痛くないのか? 」
『脂肪に刺さったから、あまり痛くない』
「手を握って誘導するから、切りつけないでくれよ」
「お願いします」
それでも目を開けないのか・・・
手を握ると小刻みに震えてる。それでもナイフを首に誘導。
「思いっきり刺すんだ」
あ、めちゃくちゃ血が吹き出る。
血で服が・・・これは大変なことになったぞ。
え!ライムが服にまとわりついて血を吸取ったぞ。
あんなに血に染まった服が綺麗になってるぞ。
ライムには、そんな特技があったのかよ。
あ!何か感じたのか彼女は
「私はやったわ」
「わたしも」
「ほらほら、1体ですませる気なのか・・」
ちょっと
1人が嘔吐している。鼻水を垂らして見てられない。
そんな彼女に1人が介抱している。
後の2人は、決心したようだ。
あれ、首を絞める力が増したような・・・「ギャン」とコボルトが鳴いて死んでるぞ。
22体のコボルトを殺した事に・・・哀れな死体が・・・
俺が殺したコボルト前で、「蘇れコボルト!」と言い放つ。
目がまん丸なコボルトが立ち上がった。
キョロキョロしながら「よ・・・ろし・・・く」と言ったぞ。
「あまりにも早急だったから、君達の名を聞いてなかったね。自己紹介といっしょに取得したものがあれば教えて欲しい」
「
地面の落ちていた石を拾いあげて「ミシ・・・グシャッ」と握りつぶした。
「え!ナナねぇーーそんなことが出来るの・・・」
皆もギョッとしたような・・・
「私は
顔が微妙に違うから二卵性の双子なのだろう。
「私、
「それなら、1度日本に帰って戻ってこれるなんて、素晴らしい能力だわ」
「それが違うの・・・もらう前の経験はダメなの・・・」
「考えればそうね・・・諦めるしかないわね」
「私の紹介をしても・・・
「まあ、なんとかなるでしょう・・・オークの2人は、寝る場所を探して来い。ゴブとトカゲは、オークを引き連れてキラーラビットを狩って来てくれ」
『わかった』と言って2人は言ってしまったよ。
『お前ら付いて来い』
ゴブもオークを連れて行ってしまったな。
残ったのは、ライムとロックと彼女達だ。
「クーゥ」
あ、お前も居たな・・・
彼女らは、ちょっと離れた所で話してるな。
話声がまる分かりなのに・・・聴覚器官も異常に発達して、あの距離なら簡単に聞き取れる。
鏡もないから確認出来ないが、ぽっちゃした顔が引き締まったような・・・
それに身長も伸びた・・・
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