第7話東京脱出



なぜだ。急に目の前に表示されたぞ。


【オーク進化可能】


【オーク進化可能】


【オーク進化可能】


【オーク進化可能】


【オーク進化可能】


【オーク進化可能】


【オーク進化可能】


【オーク進化可能】


【オーク進化可能】


【オーク進化可能】


これは、ゲートに入って行ったオーク達に違いない。

頑張って戦ったようだぞ。


「全て進化しろ!!」と念じたよ。



- - - - - - -



「ねえ!あれって立ち入り禁止区域よ。それなのに壊れ掛けの鉄橋を歩いてる集団がいるわ」


「もしかして、東京の生き残りか・・・」


「早くカメラを持って、行くわよ」


女性は、走っていた。カメラマンも追い駆ける。


「デスク、特ダネよ・・・・・・東京から人が逃げて来てるのよ」


スマホで撮った動画を編集に送信。


「これで信じてくれるでしょう・・・」


彼女は、鉄橋の上でも平気で走っている。


「あなた達は、何者なの・・・」


「ゲート向こうから逃げて来たんだ。もうすぐ警察も来る頃だ」


「それは、本当なの・・・それに、あれって魔物!」


「魔物でなく仲間にだよ。俺らを助けてくれたんだよ」


「嘘!」


カメラマンと話し合いながらもスマホでも連絡していた。

彼女は、手でOKサインをカメラマンに示した。


「ご覧下さい。ゲートから生存者が帰ってきました。それも魔物を味方にして」


「ゲートの中はどうでしたか、一言お願いします」


「広大な場所でした」


「あの魔物は、なぜ味方してるのですか・・・」


「魔物って言わないで下さい。私達の恩人です」


「それは申し訳ありません。どうか質問に答えて下さい」


「魔物を召喚できる方が召喚したオーちゃんにクーちゃんです」


「え!名前があるのですか・・・」


「わたしがつけました。文句でもありますか・・・」


カメラに向かってアナウンサーのように事細かく状況説明。


「ゲート向こうからの102人の脱出者です。その脱出者を助けたのがオーク10体で、召喚されたオークとの情報が入りました。これは、どのような展開になるのでしょう」



鉄橋を渡りきった時に、パトカーのサイレンが聞こえだす。


しばらくして警察のパトカーとバス数台がやって来た。


取材班は、警察官によってすぐに引き離された。

警察官に誘導されながらバスに乗り込んだ。


しかし、オークを引き離そうとすると助かった人達の猛反撃にあって断念。

猛反撃した人にも異常に力強い人物が居たからだ。

そんな中で1人だけが手錠をかけられて連行。

パトカー乗せられて、前後にパトカーに挟まれながら走りだす。


「見ましたか本部、あれは向こう側の兵士ですよ」


「こっちもスマホで確認した。あのパトカーを追え。脱出者の方は別の取材班に追わせる。わかったな」


「わかりました」


取材車両がキュキュキューと走りだす。


「見失ったらボーナス半額だから・・・」


「そんな、無茶な・・・」


「冗談よ」



- - - - - - -



「これが味方とされるオークの戦いぶりです」


映し出された動画には、オークを棍棒で殴ろうとしていた。

その棍棒を左手で容易く受止めて、右ストレートがオーク顔面をとらえた。

顔面を右拳が貫いている。


兵士が突き刺す槍も、容易くかわして兵士を捕まえてさば折りにしてへし折っていた。


「凄い戦いだな。相手のオークもかたなしだ。この違いは何故だね」


「事情聴取よって解明したのは、ある人物の存在です」


「その人物は、誰かね」


「あのゲート向こうから電話してきた人物と確認されました」


「あの人物か・・・」


「名前は、榊勇さかきゆう21歳の独身です。生まれは兵庫県神戸市で今は愛知に在住してます。知人の話では、東京に遊びに行ったと証言も得ています」


「たまたま新宿にいたのか・・・」


「そう考えるのが妥当だと、今まで調べた結果です」


「それで召喚したとは、どうな意味があるのかね」


「事の起こりから順にそって話します。ビルの崩壊によって瀕死の状態で13日間眠り続けたようです。その間に【回復】の特殊能力を習得して体が回復した後に目覚めた。そしてゴブリンに遭遇して撃退。召喚を習得。魔物を倒した時に倒した魔物を蘇らせる能力のようです。その魔物は、魔物を倒して強くなり、進化するそうです」


「まるでポ〇モンだな・・・」


「それなのですが、警察官の何人かはゴブリンを倒したと報告が上がってます。矛盾してませんか・・・」


「その点は、学者連中の話ですが拳銃によって倒した場合、距離が離れている場合はダメだと・・・推測の域ですが殺した相手の近くに居なければ能力は得られないのでは・・・そんな説明を受けてます」


ドアが急に開けられて男が入ってきた。


「総理、大変です」


「なんだね会議中だぞ。田中君」


「それでも知らせるべきと判断しました。例の兵士にエスパーミエを対面させた結果、日本人を50万人集めて封印の儀式の餌にする計画だと判明しました」


「あのエスパーミエが現れたのかね。伝説の女帝が・・・」


「すでに35万人を確保したようです」


「この事が国民に知れたら大変だぞ」


「それで総理、名案があります」


「それは、なんだね」


「魔物を倒せば特殊な能力が授かるなら、あのオークを使って我々も強くなれば良いのです。人類強化プロジェクトと言えるでしょう」


「すぐに自衛隊から志願兵を募るのだ。そして緊急閣議を開くぞ。田中、手配しろ」


「わかりました」



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