第8話

「ウーウーウー」


 スマホがけたたましい音を立てたので目が覚めた。地震による緊急速報かと思ったが、こんな音ではなかった気がする。


 スマホの通知を見ると「重大危機 避難」と記載されている。


 慌ててベットから出た美々がリビングへ行くと、既に起きてきていた母である祐子がテレビをつけていた。


「皆さん、落ち着いて行動してくだい。アメリカ政府から15分後に地球外からの攻撃があるとの声明が発表されました」


 テレビから流れてきたニュースに美々は固まった。このアナウンサーは何を言っているのだろうか。


 地球外からの攻撃?そんなSFみたいなことが現実であるはずがない。


「お母さん、地球外からの攻撃だって。こんなこと言ってるよ」


「遂にきたわね」


「えっ!ついにって?」


「あなたが活躍するときが来たってことよ」


「活躍って、私みたいのができるわけないでしょ」


「こういうときのために貴方が作られたんじゃない。しばらくすると、召集されて世界中のロボットが集結することになる」


「どういうこと?」


「貴方たちは地球を守るために作られたのよ」


 美々の頭の中で何かが鳴っている。行きたくない気持ちなのに、身体が勝手に動いて家から出てしまう。


 もう自分ではいられないのだろうか。もう一度、小恋に会いたかったな。

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