第7話

「ジジジジジジ!!!」

 目覚まし時計のけたたましい音が部屋中に響き渡った。直ぐに起き上がって目覚まし時計を止めると、ベットから起き上がってカーテンを開けた。


 窓からはまぶしい光が部屋に注ぎ込んだ。寝起きまなこの美々は伸びをしながら寝ていて硬直した身体をほぐす。本日も良い天気になりそうだ。


「美々!!起きなさい!!今日も早く出るんでしょ?」


 2階からのお母さんの声だ。うちは1階が個室で、2階がリビングとなっている。


「そうだ!今日は早く学校に行かないといけない日だった」


 急いで着替えを済ませて、「遅刻、遅刻」と言いながら階段を上ってリビングへ向かう。


「もう、起きてるなら早く声をかけてよ」  


「知らないわよ。もう高校生なんだから自分のことはじぶんでやりなさい」


 既に自分の身支度と朝食の支度を整え、優雅にコーヒーを飲んでいた母がスマホを見ながらこちらを見ていた。


「父さんは?」


「父さんの記憶は創作だっていったでしょ」


 そうだった。私、藤田美々はロボットで父親の記憶は母親が作ったものだった。


「いつもと同じ感じだったから忘れてたよ」


 美々が少し照れくさそうに話すのを見て、母親の藤田祐子は真実を話せてよかったと改めて思った。


「ほらっ!遅れるよ。今日も小恋ちゃんも早く行く約束してるんでしょ」


 美々は「遅れる」と言いながら玄関を出て行った。今日も楽しい日になりそうだ。

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