第6話
美々は食卓の椅子に腰掛けた。席の向かいには母親の祐子が座った。
「なにから話せばいいのかな。まず始めに、私は美々のことを一番愛しているということは前提として覚えていて」
母親から面と向かってこういうことを言われると、正直言って照れくさい。
説明によると、美々は祐子が作り出したヒューマン形態のロボットであり子供の頃から育ててきたとのことだった。
ロボットなので怪我しても自動修復プログラムが働いて直ぐに治るらしい。これまで、あまり怪我をしてきていなかったので気がついていなかった。
ちなみに父親は存在しないらしく記憶は作られたものとのこと。どおりで、いつも家にいないと思った。
人間の様に成長するロボットであるため小学生の頃から祐子が育てていたようだ。だから、小恋との友情は作られた記憶ではなく、実在するものだということが分かった。小恋との思い出が本物でよかった。
「お母さんはなんでも私を作って育ててるの?」
「将来のためかな」
「将来ののため?老後の介護ってこと?」
祐子は答えてくれなかったが、自分のことはよく分かった。人間でないことはショックだったけど、ロボットだったからといって今後変わるわけではないので、まあ、いいっか。
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