第5話 久しぶりに出会う人 2


 由紀は非常に気まずいなっと思い沈黙を続けていたら、モブ男が馬への合図を出しながら喋り掛けてきた。


モブ男「...そう言えばお姉さん名前は?旅人さん?どんな国から来たんですか?デュフゥ」


由紀(しまった....その辺りのことを全然考えてなかった...参ったなぁ...名前等を含め相手が理解してくれるだろうか....)


そう、彼女はそこまで考えが及んでなかった為非常に悩んだ。

なんと、厨二病精神が発揮されある程度閃いたのだ。


由紀「お...私は由紀です。いやぁ気が付いたらあの森林地帯の中にいたんですよ〜。ちょっと記憶がなくて...なのでわかる範囲でいえば名前ぐらいしか....」


モブ男「???」


モブ男は不思議そうな面持ちになりながら顎をさすり出した。

そして少しの間沈黙が続いた後、モブ男がポツリと喋り出した。


モブ男「多分迷い人なのかな....いや悪い意味はないですよ、稀にユキさんみたいに記憶があまりない状態の人が現れるんです。ただ摩訶不思議な技術や知識を何故か有している事を書いた本を前に読んだ事があるんですよ。」


由紀「ハハハ...そういう事があったんですね...」


ヒヤッとするじゃんと思い、相手の出かたを伺う様子の由紀であった。


モブ男「んーまぁ僕は良いんですけどねぇ。まぁ今向かってる街は多分大丈夫だと思いますよ。迷い人が過去に訪問してそのまま拠点にして過ごしたらしいですから。デュフフ」


モブ男(あの街に居てくれたらちょいちょい行く用事もあるしこのお姉さんと会えるしね、グフフ)

と若干ピンク色なことを想像しながら馬に合図を送る。


ユキ「へぇー、なら安心できそうですね。」


と相槌をうちながら会話を続けて行ったのである。

するとまぁ立派な城壁と門が見えてきた。



モブ男「あの街はオワタ街といってこの辺りではかなり大きい規模の街なんですよ。色んな人種も居ますし、わりかし穏やかな人が居ます。ただやっぱり人が多い分、変態じみた人も居るのが及第点ですかねぇ。」


 変態じみた人かぁ....多分スケベ野郎等が居るんだろうなと、ボーっと考えているとどうやら街についた様だ。近くで見るとデカいしかなり立派だ。

門の所に検問所があるのだが、ゴツい兵隊が3名程が居て街に入る者の荷物や名前とかを確認している。


何名か縦に並び順番待ちしているので、そこへ並ぶらしいのだろう、モブ男が喋り出した。


モブ男「ユキさん馬車を近くに停めるので行きましょう。うまい具合に話を進めるので、話を合してください。」


そして2人共列に並び時間を少し潰した。

そして自分たちの番になりモブ男がメインに話を進めて行ってくれ何とか無事に入れる事になった。その間に門番B・Cに頭から足のつま先までじっとりと見られた後に、物凄くニヤニヤされた事に気がついたが、本人はあまり意味を理解してない様だった。


モブ男「さてユキさんなんとか街に入れましたね〜、取り敢えず宿等の確保に向かった方が良いかもです。あっ.....そう言えば身分証とかないですよね?」


由紀「身分証?無いですね....」


由紀は身分証等無い事を忘れていたのだ。

前世界では免許証があったが、こちらでは身分証になるものがない。

身分証はどう作るのだろうかと沈黙しながら考えてるとモブ男が一個提案してきた。


モブ男「取り敢えず冒険者ギルドのガンテに行くといいですよ、あそこならそこまで高額な費用はかからないですし。ただ簡易的なテストがあるらしいですが....」


ふむ、取り敢えずそこへ行き身分証を作り宿の確保をしようと考えてモブ男に声をかけた。


由紀「分かりました、モブ男さん今までありがとうございます。ではこれからそちらに向かいますのでまたお会いしたらよろしくお願いします。」


モブ男「いえいえ〜どういたしまして〜何日か街に滞在するのでお会いしたよろしくです。」


と2人は門を少し過ぎた所で別れたのであった。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


第5話 完




























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