第46話 -インフェルノ!-
「いいいぃぃぃいやっはぁぁぁぁぁああああ!!!!」
シュンはそんなふうに叫びながら、隊長とやらに向かって走っていく。
コラコライケメン君はそんなはしたない声を出すんでない。
ただしシュンはイケメンである。
ほんとなんであんな奇声をあげておきながら僕の目にはイケメンに映るんですかね?
うらやましーわーーーーー。
ま、まあ、魔法使いに注意が向かないように目立ってるんでしょ、知らんけど。
「赤き赤き炎よ。私に力を与えたまえ。ここら一帯をその炎で赤く染め……」
と、そんなシュンに負けじとファイが魔法を展開する。
え?魔法ってこんな恥ずかしい呪文唱えるもんなの?
というかさっきまでのファイアーグラウンドの時はそんな長くて恥ずい呪文なかったくないか?
まーあれか。
強い魔法は長ったらしい呪文が必要ってことでしょ知らんけど。
カキン!
と剣と剣がぶつかり合う音がする。
いやシュンの武器は剣というより刀なのかな?
あの、短剣くらい短いんだけど、なんか刀って、剣じゃないって魂が叫んでる。
じゃあ剣と剣がぶつかり合うという表現は正しくないのかもしれない。
……あれシュンの刀止めたの!?!?
やるな〜〜〜〜〜〜あの隊長さんとやら。
シュンの攻撃は正直僕にゃあ見えないっていう次元なんだけど?
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シュン視点〜〜
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カキン!
「強っ!」
思わず口に出してしまう。
いや〜〜本当にあんな雑魚どもと一緒にパーティというかチーム?組んでたのかよと思ってしまうほどに。
だって俺の攻撃を受け止めるんだぜ?
しかもあんなでっけぇ大剣でよぉ?
「はっ!お前みたいなガキにんなこと言われたってぇちったあ嬉しかねえなぁ!」
そう言い返され、その手に持つ大剣で軽くあしらわれる。
うーん。
これは新技でもご披露しなきゃぁなんないか?
と言ってもあんまし攻撃用のスキルはないんだけどね。
「インフェルノ!」
後ろからファイさんの声がする。
魔法攻撃、多分ファイさんは炎系の魔法ばっかりだし範囲は広いよなー。
じゃあ一応避けておくか。
そう考えた俺は地面を蹴り、少し遠くまで離れる。
するとそのすぐ後、俺がさっきまでいたところは、赤く染まる。
炎、それは技名の通り高く舞う。
それがとてつもない広範囲に展開される。
その様はまさしく地獄、燃えるものがない廃城の地面が天高く燃える。
普通、この攻撃を避けることはできないだろう。
僕みたいに素早さがそこそこ無ければ。
ただ、さっきまで戦っていた男は普通じゃない。
僕の攻撃を、受け止めるだけとは簡単に言ったものの、完全にいなすことができる力と素早さがあった。
そう。
あの魔法を避けたのは俺だけじゃねえ、あの男も避けやがったのだ!
しかもあいつが逃げた先は俺とは真反対、この燃え上がる道を通ることはできない。
「はあーーーーどうしたものか。」
そうして、対抗策を考えてみようとする。
すると、
「ラッキー。」
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