第45話 -瞬殺-

 ……うん。

 知ってた。


「いやー。やっぱ雑魚しかいねえわ。」

「本当にね。」

 シュンとファイが余裕の笑みで、その言葉を零す。


 いやいやいやいや!?

 一応10人くらいいたよね!?

 ないわー。

 瞬殺だった。

 僕が探検を構え、近づこうとした時には、シュンが壁を走り驚くべきスピードで突っ込んで、4人倒し、その間にファイは炎の魔法、ファイアーグラウンド?という魔法を放ち、ユキも負けじと氷魔法を放つ。


「ちょまて何で壁を当たり前かのように走ってんだよ!?」

 その目に映った現象に突っ込んでしまう。

「!?びびらせんな急に!あとこれは壁走りのスキルな!」

 正直シュンなら忍者っぽいしそんなことやってても不思議じゃないのが恐ろしい。

 でもそれでも壁を普通に走るのは違和感しかない。

 それがたとえゲームとはいえ。


「ラックさんが……喋っている!?」

 そんなビックリするかねファイ君やい。

 いや確かに何回も会ってる人とかじゃなきゃ声出すことほとんどないけども。

 僕だって喋る時は喋りますよはい。


「あ"あ"ぁ"〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜やっぱ雑魚どもじゃあダメだな!こんなガキどもにやられるとかありえね〜〜〜〜〜〜〜〜」

 するとさっき隊長?と言われていた人が口をこぼす。

 その体はとてつもなくデカく、いかにも盗賊のボスっぽい見た目をしている。

 というか僕たちをガキ呼ばわりするのやめてくれ。

 地味に傷つく。


「お、少しは強そうな奴もいるんじゃねーか……」

「そうね……さっきの雑魚よりはマシそうね……」


 おーーーーーーーーーーーーい。

 シュンさーーーーーーーーーん。

 ファイさーーーーーーーーーん。

 目に炎宿ってますけど大丈夫そうですかねいや理性なさそうですねこれは!

 うんわかったわこいつら戦闘狂だ!

 ヤベー奴らだわ!

 そういえばファイさんに関しては僕と戦ってた時妹のこと忘れて戦ってたんだったわ……。


 はぁ………………。

 しょうがないか〜〜〜〜〜〜〜〜。

 僕もちょっとは頑張ってみますかね!

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