第27話 -角交換-

【クリティカル!112ダメージ!】

よし!1体倒せた!


「……でもこいつら強すぎだろおおおおお」





……なんか叫び声みたいなのが聞こえた気がするが、気のせいだろう。

「さてと……今は…………こいつをどうするかだな。」


目の前には、明らかに他よりでかくて、強そうな装備をしたゾンビがいた。

「こりゃまた……楽しい戦いになりそうだ!」

その瞬間、地面を蹴る。


さーて、あいつはどうするかな?

お手並み拝見、といこうじゃないか。

すると、敵……敵じゃ呼びづらいな。

ソルジャーゾンビとでも名付けようか。


そいつも、こちらへ向かってくる。

「お前!そんな早く移動できんのかよ!」

俺は、スピードを活かし、右へ曲がる。

俺の武器は両手に持った短剣、対して敵の武器はどうだろう。

両手剣だ。

そのまま突撃するだけでは、射程で負ける。


「俺の体力は紙くらいだからな!」


うーん、無闇に近づけないとなると、どうしようか。

あの巨体の割に速いからな……

ん巨体の割に?

何か違和感を感じる。


もう一度観察してみよう。


俺は立ち止まる。

敵から見ればただの的。

あいつが突撃してこないはずがない。


「……やっぱりか。」

やっぱりそうだ。

あいつ、スピードが速いとはいえ、それは「巨体の割に」だ。

別に俺が負けるほどじゃぁない。


「と、なれば普通に倒すだけだよなぁ!」

そう声を発した瞬間、俺は再び地面を蹴る。

そして、近づいてきていたソルジャーゾンビの足元に潜り込む。


「お前の速さじゃぁ、おいつけねぇだろ!」

ソルジャーゾンビの両手剣の速さでは、俺を捉えることはできやしない。

まず、足を切る。

【594ダメージ!】

一応動きを止めておこう。

「ぐぅぁああ」

そんな唸り声が聞こえるが気にしない。

次は背中に回り込む。

そして、いつも通りの手順。

首を飛ばす。

それだけさ。

【700ダメージ!】


ふぅ。

我ながら華麗に決めたものだ。

ラッキーみたく、将棋っぽくいうのなら

「角は交換じゃなくて、奪うだけ。それがここではできちまう。ってとこかな。」

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