第28話 -戦い方-

「ちょっと手こずっちまったなぁ。」

 そう呟く。

 目の前には、ボスがいますと言っているような大きな扉。

 ラッキーが来る前に倒しちゃうかもな!


 そう思いながら、その大きな扉を開く。

 中にはソルジャーゾンビとは比べ物にならないほどに大きなゾンビがいた。

 頭には金の王冠。


「……ゾンビキングか。」

 すぐに理解する。こいつは強い。

 王サマが護衛もつけないで、何やってんだ。

 ……それだけ自信があるのだろう。

「ま、負ける理由にはならねぇなぁぁあ!」


 ゾンビキングに近寄る。

 こいつの得物は、ソルジャーゾンビより少し大きい両手剣。

 スピードなら俺が上のはず!

「先手必勝!」

 その胴体に目掛けて剣を振る。


 カキン


 ……は?

 そこにはゾンビキングの剣があった。

 振り払われる。

「ぐっ」

 地面に手をつく。


 アイツの軌道は見えた。

 俺よりもはるかに遅かった。


 思い出せ!

 何かタネがあるはずだ!

 じゃなきゃ俺の剣を止められるわけがない。


「っぶね。」

 俺は、その件をギリギリで避けた。

「考える時間もくれねぇってか。」

 気がつけば、アイツはすぐ近くにいた。

「はっ!護衛をつけないだけはあるな!」


 考えろ。考えろ。考えろ。考えろ。


 いや。

「まずは試さなきゃだな!」

 俺は射程内に入る。

 また切り掛かる。

 どう考えても俺のほうが早い。

 でも……なんで……なんで!



 いや、俺の速さはなんのためにある?

 今まで俺は何をしてきた?

 それを思い出す。


「ゲームでの『速さ』は、攻撃回数が増えんだろうが!!!」


【260ダメージ!】

 その瞬間、俺は左手に持っていた短剣で切る。

 それには反応ができなかったのだろうか。

 その攻撃はゾンビキングに当たる。


 ……「反応」?


 あーそうか。

 そういうことだったんだな。

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