第23話 -親友-

よおぉぉし。

今日は6時に起きれたぞ!


早速、VRを取り付け、そのゲームに入る。


そして僕は、待ち合わせ場所である、自然豊かな広場の中央にある、勇者の銅像前に走る。


そこには……いた。


「おーーーーーい!!!」

そう叫びながら、駆け寄っていく。

「え〜〜?どこやどこや〜〜〜?w」


「目の前に居るわ!!」

思わず返す。

「あ〜〜〜ごめん!wちっちゃすぎて見えんかったわ〜〜w」

「たいしてかわらねぇだろ!」

「じゃあ君150超えてるのぉ?」

「ぐぬぬ…………というかそこから降りろ!僕の低身……背の低さが際立つじゃねえか!」

「150超えてないんだね?変えてないんだよね?」

「いいから降りろ!」


その、お決まりのやり取りをする。


僕の目の前に居る、会話の最後にwがよくついていそうな男は、僕の親友?である、天前 瞬太郎(てんぜん しゅんたろう)だ。

ちなみにこんなヘラヘラするのは心から楽しんでる時か、僕と漫才まがいのことをしている時である。


「てかさ……シュンの装備かっこよすぎんか?」

僕はシュンのほうを見る。

見た感じ盗賊だろうか、緑系統で統一されて

、すらっとしたこの装備は、風のようなものをイメージさせる。


「あっ、わかる〜〜?これ結構したんだよね〜〜」


……聞いて欲しかったんだね。

「おいなんだその悲しいものを見る目は!?」


「えーーーっと、どこにいく?」

何もなかったかのようにして、聞く。

「もう完全に俺の装備のこと無視するのね……まずギルド行かね?」

予想外の返答が返ってきた。


「えっ、でも先に倒してから依頼やったほうがいいんじゃないの?」

真っ先に浮かんだ疑問を投げかける。

「ちっちっち。いいからついてきなって。」


……なんかうざ。

先輩ズラしてきやがる。



そして、僕たちはギルド向かった。


「ねぇ!!!ちょっと足速くない!?」

僕が遠くを歩くシュンに向かって叫ぶと「え?ってとお!?」

びっくりしたあと、シュンは僕に向かって走ってきた。

「じっちゃん足遅すぎだろ?」


「じっちゃん言うな。つーか普通に本名に関係ある呼び名で呼ぶのはマナー違反。このゲームではラックだから。」


「あはっ。ごめんラック。でもラックいくらなんでも足遅すぎない?」

「そっちが速すぎるんだよ。」


僕はそう返したあと、

「ステータスどう割り振ってんだよ。」

と聞いてみる。

「AGIを重心的に振って、ちょっとDEXに振ってるくらい?」

「極端だね!?」

少なくとも僕が言えたことでは無いけど。

でもなるほど、それならあの速さにも納得だ。

「いやでも、速さは最強だよ?

攻撃は当たらなければいいからVITに振らなくてもいいし、何回も攻撃すればいずれ当たるからDEXも振らなくていいし、STRも振らなくていいからね。

10ダメージを10回当てるのと、100ダメージを1回当てるのは同じでしょ?」


なるほどなぁ。

確かにAGIは最強だな。

ただまぁ、うまく立ち回れるゲームが上手いこいつとかじゃなきゃ扱いが難しそうだが。


「逆にそっちこそどんな振り方したらそんな遅くなんだよ。」

痛いところをつかれてしまった。


「……LUK特化」

「LUK特化!?!?!?!?」

「え、LUK特化!?!?!?!?!?」

はちゃめちゃに驚かれてしまった。


「ステータス主軸にしたらLUK特化だったからそのまま伸ばしてる。」

「そんなことあんのね!?」


あの後ジョブとかの話をして、ゆっくり歩いてもらっている。


そして僕たちは、ギルドに入る。

相変わらず騒がしいし酒臭い。


「えーーっと、なにすんの?」

気になったので聞いてみる。

「これ見てみ。」


「えーっと、護衛任務?」

「そう。ここのやつって、単なる討伐以外にも色んなクエストがあるんだよねー」


あの大男さん僕を騙しましたね!?

ここはモンスター倒してからって言ってたじゃ無いですか!?

……まぁいっか。


「へぇ……こんなのもあるのか……ん?」

ある文字が目につく。

「えっ!?適正Aランク!?えっ!?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る