第16話 -無理ゲー?-
そこで僕は急に方向転換をして、ネクロトンに近づく。
敵は淡々とこちらに弓などを打ってくるが、僕のLUKと敵の精度はとてつもなく悪いので、僕の足元に刺さる。
「!!」
その時目の前が赤く光る。
火の玉、ファイアーボールの光だ。
これはまっすぐ飛んでくるのでかなり厄介だろう。
しかしそれはかなり遅い。
少なくとも僕でも避けれてしまうほどには。
なのでそれをヒョイと横に避ける。
すると後ろから何かが燃える音。
それは僕が誘導してきたスケルトンだ!
そう、僕が考えた作戦とは、誤射だ。
このファイアーボール、スケルトンを1発で倒せる威力がある。
「ならばそれをぶつけるしかないだろう!」
そのままネクロトンに近づいていく。
その分ファイアーボールは速くこちらに向かってくるが、まだかろうじて避けられる。
よくよく見てみると、スケルトンが魔法を使う時、杖をするような予備操作がある。
確か杖を振ると威力が上がるんだっけか。
ま、そんなことはいい。
予備動作がわかったことによって、かなり避けやすくなるはずだ。
そう考えていると、スケルトンの1体が杖を振る。
「今だ!」
そう叫びながら、ネクロトンを間に挟むように左に飛び込む。
決まった!とネクロトンの方を見てみると
「魔法が……吸い込まれている……?」
ネクロトンの死角からの一撃、絶対に当たるはずの攻撃。
それに対して、ネクロトンは、何事もなかったかのように立っていた。
なんで???なんでなんで??
どうしてそんなことになったのかを考えてみる。
考えられるのは2つ。
1つ目は、ネクロトンは眷属の攻撃はくらわないという可能性。
全然あり得る話だ。
プレイヤーだってパーティを組むと喰らわないらしいし。
2つ目は、そもそも魔法がなんらかの理由できかないという可能性。
こちらもあり得る。
大きな杖を持っているということは、魔法を使うのだろう。
そういうモンスターならば、魔法を無効化する手段があったとしてもおかしくはない。
他のゲームでも魔法無効の敵キャラは案外いる。
僕は魔法を使えないから、どっちだったとしても、起きることは同じ。
奴に味方の攻撃を浴びせてやることはほぼ不可能になってしまった。
とすれば、僕が持っているこの短剣で、あいつを動かしているであろう魔石を砕かなければならないと言うことだ。
……無理ゲーでは?
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