第9話 -夜更かし-

もうかれこれ20分ほどスライムを狩ったが、全然レアドロップする気がしない。

ので、レアドロップは諦め、どのくらいアイテムゲットしたかなー?とメニューを開き、アイテムボックスを確認しようとした時、

「……あれ、プロフィールの右上が赤く光ってるの何?」

そして、プロフィールを開くと、レベルが5まで上がっていた。

「全然気付かなかった……」

スライムとの戦闘に集中しすぎて、全く気づいていなかったのだ!!


「レベル上がるごとにさ、『レベルが上がりました』とか言われないの?」


『私は言いましたよ』


!?

突然の声にびっくりする。

え、あなたそんなふうに喋れるの?

『はい』


!?!?!?

え、心読まれた!?!?

『あなたは、あなたの頭の反応を感知して動いているので、心を読むというほどでもありません。』

急にめっちゃ喋り出すじゃんこいつ。


あ、そうだ、レベル上がってポイント貰ってるから、それを、振り分けなきゃ。


このゲームではレベルが1上がるたびに、2ポイントがもらえる。

そのポイントをステータスに振り分けて、強くなっていくという仕組みだ。

レベルはどんどん上がりにくくなり、ステータスの振り直しは専用のアイテムが必要なので、じっくり考えてふりわける必要がある。

みたいなことをネットで見た。


だかしかし!!僕は頭なんて使わない!!

というかこのジョブでLUK以外をあげたら負けな気がする。


ので、早速全てのポイントを使って、LUKを上げる。

すると、LUKは25、そこからジョブ効果で、1.5倍になり、37になった。


次はSP、スキルポイントだ。


スキル自体は、SPを消費しなくても、スキルに適した行動をすれば、スキルを獲得することができるらしい。

だがそんな行動わからないので、ひとまずSPを使う。


SPは、レベルが上がるごとに1SPもらえる。

そして、自分のジョブに合ったスキルを選んでいくことができる。

自分のジョブに合っていないスキルも選ぶことができるが、SPの消費量が10倍になる。


だったかな。


スキルの数多!

って驚いたけど、ジョブに適してないのが多すぎてほぼ獲得できない。

逆にラッキーボーイに適してるスキルって何があるんだろう。


そう思って見てみると、

<幸運>

この1つだけが光っていた。

つまり、これ以外は6P以上ということで……

「はあああああぁぁぁぁぁぁ!?!?」

と思わず声を荒げてしまう。


えーと、一応他にもラッキーボーイに適してるスキルはあるみたいだけど、全部必要SPが高いな……

<幸運>はどんなスキルなのかを確認する。


<幸運>

運が良くなる気がする。

LUKが2倍。


いや情報量すっっくな。

アバウトすぎるやろ。

……でもこのスキル以外獲得できない。

ので、僕は迷いなくそのスキルを獲得した。

これでLUKは75かな?


……これレベル上げるたびにステータス上げてたらレアドロップ出たかもしれないんじゃないの!!


と、半分キレながら、メニューを閉じよう……としたのだかとある数字が目につく。


4:19


やべぇやりすぎた!!!

夏休みだから夜遅くても最悪大丈夫だけどね?

流石に遅すぎるわ。

と、急いで辞めようとメニューを開き、ログアウトする。




しようと思ったができない。

なんで!?!?


……あー。

思い出した。

このゲームのダンジョンにはセーフティーゾーンという、敵が入られない部屋みたいなのがある。

そこ以外の敵がスポーンするところではやめられないのだ。

死にそうになった時にやめて離脱できちゃうからね。

なのでセーフティーゾーンを探すため、マップを開く。

マップには今まで通ったとこと、その付近が記録される。

街などは、街に入れば全て観れるけどね。

その中にセーフティーゾーン、ベッドのマークは……無い。

よく考えればずっと序盤のスライムを倒してたのだから当たり前だ。

街に戻るか……?


僕は奥に進んでいた。

ちょっと進めばすぐ見つかるでしょ。

ちょっとだけね!

そう思い進むと、壁があった。

そしてその中央には大きめの扉。

うん。

セーフティーゾーンだ。

もっと冒険できるとワクワクしていたのになぁ……

そう思いながら中に入る。

他に休んでいる人はいなさそうだ。

メニューを開く。

しっかりログアウトできそうだ。

ボタンを押す。


よく見知った部屋。

戻ってきたんだな。と感じる。


ちちちょちょっとままって、めっちゃトイレ行きたいいぃ。

集中しすぎて尿意に気が付かなかったあぁぁ!!

急いでトイレに行く。


安心したら眠気が襲ってきた。

ベッドに向かう。


というか、スライムと20分くらい戦っても全然気付かないくらい集中してたの怖すぎない?

とか思いながら眠りにつくのだった。

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