第11話
ははっ
あはっあははっ
やっぱそうか.
「お前の見立てもそうか.」
ひとしきり手を叩きながら笑い終わって.
首傾けて,チラッと見たら
怪訝そうな顔してた.
まぁ怖いわな.
いひいひ,ひぃひぃしながら
笑ってたんだから.1人で.猿みたいに.
どっかおかしい.
どっかおかしいわな.
俺はな
それ聞いて
どう動くか考えなきゃいけない.
んな大袈裟な事じゃないけど.
「背中押してくれて有難う」
「どういう事」
「ん?いや,もうこれでいい.
大きな力となりけり」
「は?」
「いいんだよ.
借りは返して貰った.
もう関わらない.」
関わるなよって言いかけたけど,
そもそも…
そもそもな.
「私はっこんな何を魅せたいのか分からない
映像は
プロの仕事じゃないって言っただけで」
「んーそれで十分.
後は俺の身の振り方だけって事.」
「えっ?」
「これ出してる主に…
コンタクトとるか」
「なにそれ,きも」
「あのっさぁ
お前な,それやめろよ.
二言目には決まってそれ出してくんの.
一言目で来ることあるし.
まー」
「何」
「ちょっとそこまでやるんかって
俺も思ってて」
「やめた方がいいですよ.
トラブルの元」
「だぁなぁ.」
はぁ…
「もう取り敢えずいい.
これは忘れて」
「絶対にっ取らない方がいいですよ.
我々は一般人じゃないから」
「普通の人だ」
普通の人だよ.
ちょっと見てくれがいい目立った普通の人間.
楽しくなったり傷ついたりするただの.
「こっからは俺の了見で動くから」
「看過できませんけど」
「お前っただの同学なだけだろ.
しかもちょっと顔見知り程度の.
図々しいんだよ」
「それだけじゃありませんよ」
「何ぃ?」
「同じ事務所」
「あ」
そうだった.
でも,
「だからどうした」
「トラブルは何処も嫌がります.
特にクリーンなイメージは重要ですから」
「あぁまぁ.」
あぁまぁ!そうであるけどなっ!
「じゃあ何?
俺は…ずっと…このまま…」
このまま…
あぁっ!
「まぁいいや.
俺本当にあんま寝てない.
帰って寝て考える.」
やっべどん底行くとこだった.
寝不足は色々と鈍らせる.
鈍った頭で考えたところで名案なんて出てくる訳もない.
せいぜい.
思い込んだ方へと突き進みがち.
勝てればいいけど負け戦へ突っ込むなんて御免蒙る.
充分,睡眠とって栄養とって満たされた後,
落ち着いて考えるのが得策だ.
「って事でさんきゅーな」
「待ってくださいよ」
「まだ何.
俺はもういいって言ってる.
勝手都合はお互い様だろ」
「連絡は取らないって確約してください.」
「何でそんな事」
「大体そういう時っていっちゃうんですよっ」
「別にこっちがいこうがいくまいが
あんたに関係無い」
事だろうがっ.
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