第7話
「まっ結論あるって。」
俺,可愛い後輩位だったのに…
お勉強熱心なって付いたじゃん.
ピコピコ鳴り続けるのは,
持って無いって,どーでもいい返事か,
待って送るって,有難い着信音か.
はぁー.
だってっ
その先輩から返事だけでいけるって聞いたんだよっ!
「ただでは流せないな。」
安心した顔一転心配そうな顔が近付いてくる。
だって直属の先輩に手土産無しで
願い事だなんて。
しかも俺それ要らんし。
「ノーマルな先輩だから
そっちどうにかなんない?」
「何ですか?」
きょとっとした。
「全部言わなくても分かるでしょ?
俺らいい大人だし。」
手がふにっとした。
吐きそう。
ちょっと俺変わった体質で
「ごめんっ」
込み上げてくる胃の方へ、
まだ抑えててって唱えながら。
「待ってて」
慌ただしく戻って鍵開け…
開けっ開ける。
トイレ行きつかない洗面所。
あー…
昼の分消化してたみたい。
夜は遅いからってパスして正解.大正解.
口と洗面台繋がって…
これは,ここでまじ良かったねって.
思うだけで.
口ゆすいで…
はぁー
口拭きながら舞い戻っていけば…
寒いからな…外は
寒いから…
玄関から廊下に落ちた靴に手を伸ばしかけてた。
「なぁお前怖い
男が皆その肉まんに喜ぶと思うなよ」
目の前で,さっとレアッシュー掻っ攫って,
いつも通り揃える.
「なっ
心配してきた人に向かって」
「お前がやってお前が心配して何だよ。
よく分かんないけど苦手なんだ。アレルギー.」
「あっあれっ」
「そうアレルギー.」
何で、お前に弱点披露とかしなくちゃなんないの?
「あー…
じゃあプリントアウトして渡すから,そっから動かずに待ってな.」
はー…
もう飛ばすからなんて言わない.
「うちぷりんたーないですよ.」
「あー…
来た時は持って無かった.
スケジュール飛ばしたんだよね…
見て確認して忘れた.
だから,印刷して記憶定着させるようにしたってだけ.
これも気休めなんだ.
アラームかけたり,中にスケジュール入れ込んだりしたけど.
プリントして玄関貼っておくってアナログだけが,
だいぶ手間で,そこそこ旨くいってるだけだから.
とにかくもうそこで待ってて.」
本当は,外出てって言いたいとこだけど,
もう内っ側なら出入りする所の方が見られたくないし.
「付き合った事ないんですか?」
って質問に,
目を瞑って頭だけ後ろに引っ張られる.
「逆撫でるの好きだね」
上に向かって言葉を出す.
吐き出すべき溜め息も出なかった.
ふと浮かんだ人に.
何を声掛けたらいいのかもよく分からない.
「知らない人に話すような話は一切ない.
投げ出して放り出さないだけ有難いと思え」
何も戻って来ない返事に,
おっそこは賢いんだなと思うだけ.
はー…
何で,こんな時に用紙切れとか出るんだ.
ガサガサしながら,玄関見るけど,
勿論こっから見える訳もない.
音が聞こえないから,出ても無いし,
静かに息を殺して待ってるんだろうか.
いるー?
とか
大丈夫ー?
とかもそぐわない.
俺は,これをプリントアウトして,
変な人を帰らせるのみ.
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