第6話
「過去問を」
「過去問をっ!?
そんなの持ってる訳ないって.
え!?
俺何年も1年やってる奴だと思ってる?
ふっざけんな.」
顔はいいのに老け顔とか,ここでも言われるのか!?
まじで!?
はー…
「もういいから帰った帰った.
俺の指南役も男だから頼めない.
女の知り合いも敢えて作ってない!
だから,もう出来る事は無い.」
もう何もアクション起こさないつもりなら,
もう俺も帰っちゃうよ.
だって…
あれ何だっけ.
あー…
ココアとシャワーと風呂だから.
何だよ忘れちゃってたじゃん.
あーちが…ココアと風呂とベッドか.
何度も行水しちゃってるじゃん…
「知り合いに頼んでくれないですか…」
「はぁっ!?」
おいおい随分と図々しいお願いだなっ.
あー…
「私お化粧もせずに,ここ来てるんです.」
「んー見て分かるよー…
だっから俺と,それがっ,どうっ関係あるんだよっ.」
全く関係ねーじゃん.
「これは物凄い事なんです.」
んんっ…
「はーそう…
こっちも,いつもノーメイクだから.
大丈夫だから…
気にしなくていいから.
気にしてないから.」
もーいいか.
やる事やった.
やり尽くした.
よくやったよ.
くるっと背を向けて,
何か言ったら何か言ってくる.
何か言ったら何か言ってくる.
そう呟きながら,もう何も言わない.
まじで得策だな.
ポケット手-突っ込みながらダラダラ戻る.
行って,来た道を,戻る.
ひーっ.
「ちょっまじっやめて」
肘の部分を押さえながら,
後ろから抱き付かれた.
腕を一旦上げてって動きに入れない.
「ここっ最近っ
借りる学生が少なくなってるからっ
一般も入れるって言ってたっ
気がする…
ねっ静止画も動画も不味くない!?
なぁ?なっ?」
餌は撒かなくたっていいんだよっ!
「過去問を」
「過去問っ!?
あたったらいいんだな!?
はなっ離れてっ!っろ」
はぁーーーーー.
「大きなため息ですね.」
誰のせいだよっ.
「あー待ってな.
グルに投げかけて…
反応あるかもしれないから.
無かったら,もういい?
俺ー帰ってー…
はぁー.」
ちらっと見ても,
頭を振っても,
何で俺が…
はー…
『社会環境学の過去問お持ちの方いますかー
対策プリントでも大丈夫と思いま』
あっ送信押しちまった.
思いま…はー…
「ちょっとっもうちょっと離れて立ってて」
「男が好きなんですか?」
おいっ離れて,その話はないだろっ!!!
「怒って無かったけど
怒るぞ」
「だってさっき」
「だって!?さっき!?何だよっ!?
敢えて作って無いって話!?」
そりゃあ俺だって…
だけど,方針守んなくって仕事くださいなんて…
言えないから.
「俺はっそういうの上手く出来ないたちなんだっ
だからっ
あーめんどくさー
だりー
ちょっと黙れよ.
お前の都合だろ.
こっちは早く」
ピコん.
あっ.
鳴った方へお互い視線が移る.
吉報か凶報か知んねーぞー.
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます