第20話
「そう簡単にこの結婚式を破綻にさせる訳にはいかないよ?」
そう言って嘲笑うかのように2人の行く手を阻むのはジヨでした。
K「ジヨ…」
JY「このまま思い出さなかったら良かったのに…そうすれば俺がテリを何度も抱いた事実も思い出さずに済んだのにね?」
K「黙れよ…」
JY「お前は心が弱いもんな…その弱い心が痛むか?俺の可愛いテリはいつも俺が揺らすたびに顔を歪めて喘ぐんだよ?あの可愛い声で…」
ジヨはそう言って今の状況を楽しむかのようにクククッと笑います。
K「やめろ…!!」
JN「お前の戯言に付き合ってる暇は俺たちにはない…!!カイ行くぞ!!」
ジノはそう言ってカイの腕を掴みジヨを交わして走って行こうとした
その時…
ジヨが叫びました。
JY「テリは……!!俺と愛し合う運命なんだよ?テリだって俺を受け入れて何度も抱かれてるじゃん?今さらお前なんかが俺達の邪魔…すんじゃねぇよ…」
ジヨはそう言ってカイに向かって何かを握った手を振りかざしながら走ってきました。
カイはそれを見て身構えましたが次の瞬間…
カイの目の前にはジノが立っていたました。
カイは目を大きく見開き、首筋を押さえて倒れるジノを受け止めそのまま跪きます。
JY「チッ…ウザ……」
ジヨの手には注射器のようなものが持ってあり、それをポイッと捨てるとポケットからまたひとつ同じような注射器を取り出して蓋を投げ捨てました。
JN「カイ…い…け…!!」
ジノは顔を歪めながら自分の後ろにいるカイをグイッと押します。
K「でも……」
JN「いいから!!行けって!!」
カイはそう必死に訴えてくるジノを見て涙を堪えながらジノを置いて立ち上がると、ジヨはニヤニヤとその注射器を持ってカイに近づいてきます。
JY「テリには俺だけだったのに…お前のせいでテリは俺の元から消えたんだ…」
JN「カイ!!逃げろ!!」
カイは忍び寄る恐怖に後退り、壁を背中で背負ながらジヨの猟奇的な目から目を離すことが出来ません。
K「テリの運命の相手は…お前なんかじゃない…」
JY「はぁ?笑わせてくれるな?」
K「テリの運命の相手は…俺だ!!」
JY「うるせぇ!!」
ジヨがそう叫び手を振りかぶるとカイはその腕を掴みふたりは激しい揉み合いになりました。
そしてその叫び声を聞いたホマが控室から飛び出してきてその光景に目を疑います。
H「ジノさん!!」
ホマの後ろからでてきたアヨの叫び声が響き渡り、ホマは廊下で倒れ込んでいるジノに駆け寄ります。
JN「カイを…〇〇病院に連れて行け…早く!!テリがーーーーーー。」
ホマはジノの言葉を聞いて言葉を失います。
H「えぇ?!!!?わ…分かった…!!」
ホマはジノに意識を取られていて目を離していたアヨを探すように見渡しました。
すると、揉み合うカイとジヨの後ろにアヨは震えながら呆然と立っています。
H「アヨ!!!!」
アヨはうつろなまま廊下に飾ってあった花瓶を震える手で手に取り…
そのままジヨに向かってゆっくりゆっくりと近づき…
その手を思いっきり振りかざしました。
A「……ッ!!!!!」
廊下に響く鈍い音と同時にジヨはふらっと足元が揺れそのまま床に倒れ込みました。
K「ア…ヨ…」
アヨは放心状態のままそのまま床にしゃがみ込み涙をポロポロと無表情のまま流します。
H「カイ!!〇〇病院に早く行け!!」
K「で…でも…」
H「ジノさんもアヨも大丈夫だから…!!早く行けって!!」
ホマがそう急かしても何も知らないカイは行こうとしません。
H「いいから行けって言ってんだろ!!!?テリが危篤だそうだ!!!!」
ホマのその言葉を聞いてカイはゆっくりと顔を上げました。
K「テリが…危篤…?」
H「早く行けよっ!!!!」
ホマが声が枯れるほどそう叫ぶとカイは慌ててと立ち上がりカイの足にジヨがしがみ付きます。
JY「行かせない…」
K「離せ!!」
カイが勢いよく振り払うとジヨは力なく倒れ込みそのままゆっくりと瞳を閉じました。
つづく
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