第11話逃げろ…
最近電車で鏡さんと遭遇することはなくなった。
もしかしたら彼の身に何か起きたのだろうか。
私を救ってくれたときのようにトラブルに積極的に首を突っ込んでしまったのかもしれない。
良い意味で人助けが好きな人なのだろう。
私も救われた一人だ。
そんな彼に危険が迫っているのだとしたら私は救ってあげたい。
でも…今何処で何をしているのかもわからない。
手がかりがあるとしたら恋人の存在。
しかしながら、私は相手の正体を知りもしない。
どうすれば…。
手詰まりになりかけた私のもとに一人の男性が姿を現す。
「悪いこと言わねぇ。5日以内にこの街を離れな。というよりも離れてくれ。俺も手を血に染めるのは勘弁だ。分かったらさっさと家に帰って荷物をまとめるんだな」
男性はそれだけ言うと路地を曲がり姿を消していく。
「何だったの?」
そんな独り言が漏れたのだが私の直感が従うべきだと警鐘を鳴らしていた。
「とりあえず明日、休暇届を出すとして…明々後日にはこの街を離れられそうね」
自分自身に言い聞かせるようにタスクを整理していくと私は足早に帰路に就く。
もちろん長期滞在できるようにしっかりと荷物を纏めて。
中道郁、脱出。
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