第24話 王国の道中
4人は長い道のりを走っていた。
ボロボロの軽トラックがうねりをあげながらぎこちなく走っている。
ガタンッガタガタッ
サキ「ここ道が悪すぎ、けつが痛いんですけど」
アリ「しょうがないよ、ここは一番見つかりにくそうなルートで行ってるからね」
サキ「はっ、ほんとに王国なんかに着くのかね」
リョー「まぁ、気長に行こうじゃねーか。ところであんたらはいくつなんだい?」
カイ「僕とカイは20歳です。大学院に通ってましたけどこの有り様で無くなっちゃいましたけどね」
リョー「おおー、若いな。サキさんは?」
サキ「わ、私は...2...ボソボソッ」
カイとアリ「え?何て言った?」
サキ「25!悪いね、おばさんで!!!」
カイ「そんなこと無いよ、全然そうは見えないです。むしろ高校生に見えたというか」
サキ「お世辞どうも、んでリョーさんは?一番年上そうに見えるけど」
リョー「おれか、俺は18だか」
カイとアリとサキ「えええええーーー!!!18!!!!」
リョー「いやそんなに驚くことか」
サキ「いやいやいや、18?まじ?ほんまに??30代か40代かじってるでしょ!?」
リョー「よく言われるがピチピチの未成年です😜」
サキ「いやそんなきしょい顔して言われても」
リョー「き、きしょい...」
カイ「ちょっとサキさん。言い過ぎだよ?いくらなんでもそれは酷いです。まぁリョーさん、見た目によりけりですから世の中」
リョー「なんのフォローにもなっとらんよ... 少しショボくれるよ😖」
4人は談笑を続けた。
アリ「ところでお二人はなぜインドに?」
サキ「あんたらこそ、なんで居たのよ」
カイ「僕らは安全な国を求めて逃げてきた。それも短い時間だったけどね」
リョー「おれは仕事の知り合いにインド人がいてさこんな事態だから一緒に逃げるか誘われたんだ。んであの施設で一緒だったんだが...」
アリ「あー、察するよ。サキさんは?」
サキ「私はたまたまダンスショーでインドに来てただけよ。だけどショー中に奴らに襲われてね。必死に逃げてきたの」
カイ「へぇー、ダンサーだったんだ」
サキ「ちょっとした名のあるところよ。日本では有名ね。でも今となっては何もならないわ」
カイ「そんなことないです。凄いです、サキさん」
サキ「あ、ありがとう。」
リョー「ん?あそこに誰かいる?」
アリ「なに?連中か?」
リョーはひっそりと立つ人に車を寄せた。
アリ「ちょいちょい!敵だったらどうするの!?」
リョー「手元を見てみろ。helpって書いてあらー。お困りごとだろうよ。ほっとけねー」
サキ「ほんとつくづくバカね」
そこに立つのはカナダ系の美女だった。
リョーは車を止めた。
カナダ美女「ア、アリガトウゴザイマス。トマッテクレテドウモネ」
リョー「どうしたんですか?こんな道中で」
カナダ美女「ハイ、ワタシハ、ソコノチイサイミンカニ、クルマヲトメマシタ」
カナダ美女は続けて「I'm having trouble running out of gasoline.(ガソリンがなくなって困っているの。)」
リョー「ん?なんていった?」
カイ「多分ガソリンが無くて困ってるんだと思う。とりあえずあの民家に一緒に行ってみようか」
アリ「おいおい、大丈夫か?」
リョー「まぁ、困ってるんだし助けてあげようか。どれお嬢さん、案内してくれるかな?」
カイ「Let's go to that house. We'll split the gasoline.(あの家に行こう。 ガソリンは山分けだ。)」
カナダ美女「Thank you.(ありがとう)」
リョー「ん?なんて?」
カイ「ガソリンを分けるからあの家に行こうって」
リョー「よっしゃ、早速助けようか!」
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