第23話 王国に出発

一向は古い錆びた軽トラックに乗っていた。

カイ「ほんとに?ブータンは安全なの?」

リョー「ああ、たまたま放送で聞いて中立国だからそういった科学の受け入れは一切行わないらしい」

アリ「んー、調べてみるか...ブータン、ブータン」

カイ「ここから2000kmあるぞ?本当に大丈夫か?」

リョー「正直、無謀だ。この車も持つか分からないがガソリンタンクも積んである。あとは食料の問題だな」


サキ「冗談じゃないわ、こんなむさい男の連中とずっと一緒だなんて」

カイ「そんなこと言うなら降りる?」

サキ「はぁ?ふざけんじゃないわよ。リョーさんだけ残ってあんたら二人が降りればいいじゃない!」

リョー「まぁまぁ喧嘩せずに仲良くしようや」

アリ「そうだぞ、無駄な争いは避けたい」

道の左側にスーパーマーケットが見えた。

カイ「ここで買えそうか?」

アリ「んー、どうだろ。奴らに制圧されてたら買えないね」

リョー「腹のすきには耐えられん!!ここでかうぞ!!」


リョーは勢いよく車を止めた。

4人は車から降りて古びたスーパーマーケットに入った。

店内は店員以外誰もいなかった。

アリ「念のためマスクしとけよ」

カイ「そうだね」

リョー「お二人さんは外で待っとれ。顔バレしとるんやろ?食い物なら二人で買ってくるからさ」

カイ「申し訳ない頼みました」

カイとアリは外で待機をした。

しばらく待つと大きな袋を6つ持ったリョーと何も持たないサキがでてきた。


アリ「おいおい、荷物くらい持てや」

サキ「は?レディーに持たせる気?」

アリ「誰がレディーじゃ!?やさぐれ女!!」

サキ「はぁ!?ふざけんじゃないわよこのインポ童貞!!!」

アリ「誰がインポ童貞じゃ!彼女いたことあるわ!!!」

カイ「二人とも落ち着いて、リョーさんありがとうございます。荷物お持ちします」

リョー「おう、ありがとうな。日持ちするやつをだいぶ買ってきたぞ。それから日用品なんかも」

カイ「助かります。では運転お願いします」

錆びた軽トラックが鈍く発進した。


アリとサキはまだ喧嘩をしていた。

サキ「大体あんな厄介ごとになった原因はあんたらじゃない!!」

アリ「だからそれは必然的だって、君達も生き残るために避難してきたでしょ?」

サキ「そうじゃない!!原因の根本が違うの!」

カイ「二人とも、もうやめて!!争ったって何も生まれない。協力しなきゃ...それより僕らの敵はアーダム財団の連中だよ。僕らのせいじゃない」

アリ「どっちにしろ、あんなの開発しちゃったら悪者達が野放しにしないだろうね」

リョーが強引に割り言った。

リョー「まぁ難しいことはどうでもいいじゃねーか!とにかく今を生きてることに感謝しようや!そしてこれからどうするかを皆で仲良く考えようや!」

サキ「あんたの能天気羨ましいわ」

リョー「そいつはどうも、これのお陰で人生楽しいっつうの!がはははっ!」


場が少し和んだ。

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