第15話 鍵!脱出!
カイ「よぉ、訳あって青年とあった」
アリ「お、おう?普通の人?」
カイ「ああ、洗脳されてない。でもこの人の家族が移植された」
アリ「なんてことだ、あ、君僕はアリよろしくね」
青年「よろしく、俺はアキトっていうんだ。よろしくね」
カイ「アキト君、よろしくね。僕はカイっていうよ。じゃあ早速船の鍵を見つけよう」
アリ「船?」
カイ「ああ、彼が操縦してここを脱出する」
アリ「なるほど、いい作戦だな。見つけてきてくれ。俺は荷物を船に移動する」
カイ「了解、頼んだぞ」
アキトとカイは早速鍵を探しにでた。
カイ「どの辺に落としたか分かる?」
アキト「うーん、なんとも言えない。とりあえず逃げたルートを探すんだけど拾われてる可能性もあるな」
カイ「恐らく街中は制圧される一方だな、その中で探すのも危険だけど他に方法はないか...」
アキト「確実にあるとしたらうちの家に予備の鍵があるはず」
カイ「よし、それしかないな」
二人はアキトの自宅に向かった。
街中は捜索隊が徘徊している。
カイ「なぜ、警察も軍も動かないんだ?」
アキト「ニュース見て!!」
カイ「これは!?」
ニュースでは現在の首相が人質に取られていたのだ。
カイ「こんな暴虐な...なぜ侵食してったんだ?」
アキト「これって日本は終わりってこと?」
カイ「いや、世界で同じ動きが起きてる。ここ2年で急速に変わったと思わないかい?アキトくん」
アキト「た、確かに言われて見れば世の中が急激に変わったような感じだったね。友達は皆あの脳内で出来るゲームに夢中だったし」
カイ「あれはな、たちの悪い洗脳技術だよ。君はつけていなくて幸運だった」
アキト「君がなぜ知ってるの?」
カイは少し沈黙して答えた。
カイ「どうか恨まないでほしい。あれを作ったの僕なんだ」
アキト「ええ!?すごい!どうやって?」
カイ「父がそういう研究をしていてね。僕もその分野に突出した才能があって開発を任された。でもな、親父やその雇い主が裏切って仕様とは異なる物だ」
アキト「つ、つまり君は洗脳しようとしていた?」
カイ「逆だ、僕がそれを出来ないようにしたんだ。でも裏切られて洗脳できるような構造に変えられた。無断でね」
アキト「なんてことだ、そんなことが...」
カイ「だから一刻も早くあれを止めないと世界中が支配されて終わる。僕らも他人事ではない」
アキト「そんな...じゃあ僕の家族は...」
カイ「取り除かない限りは助けられない。でも無理に取り除けないし海馬付近にあって下手に取り出すと致命傷になる」
アキト「そんなの、許されるのかよ...」
カイ「だから君は運が良いと言ったんだ。僕の近くにいれば、いずれ希望が見える。だから協力してほしい」
アキト「わかった、なんでもするよ。まず鍵を探そう」
カイ「そうだな、自宅付近はどうなってる?」
アキト「んー、隣と後ろに密接してるかな。塀もある」
カイ「よし、それだ。奴ら巡回してるとはいえそんなに長居しない動きだ。人数も多くない、多分別のところを探してるだろう」
アキト「あそこの橋をこえた先の左にある細い通路なら裏口にいけるかも」
カイ「よし、そうしよう」
二人は早速橋を渡り細い道に向かった。
細く薄暗い裏道のような道だった。
二人で横に並ぶので精一杯な広さである。
アキト「ここはよく子供の頃に鬼ごっことかで使った道だから覚えてる」
カイ「ふーん、いい思い出じゃん」
アキト「ここの塀をこえるともううちにつく」
カイ「結構狭いね」
アキト「そうなんだよ、騒音とか聞こえやすくて大変だよ」
20m進んだ先に塀の向こうに青い一軒家が立っていた。
アキト「この青い家が俺の家さ」
二人は塀を越えて家の裏口に向かった。
アキトは鍵をさし裏口の扉を開けた。
カイ「静かに動こう、もしかしたら奴らがいるかも」
家の中にはだれも居なかった。
アキトが先頭に行き2階に向かった。
アキト「えっと確かこの部屋に」
ガチャッ
アキトはガサガサと探した。
カイは下の様子を見た。
アキト「あったよ ボソボソ 早くでよう ボソボソ」
カイ「待て、玄関の扉が空いた ボソボソ」
4,5人が家に入ってきた。
リビングのような広い部屋から声が聞こえた。
操られた集団「まだ異端者は見つからんのか!!この!!」
ガシャンッ!!ガン!
どうやらアキトの家族が集められていた。
アキトの母「どうか、息子だけは!!」
操られた集団「うるせー!!テメーも本格的に豚にするぞ!!」
バチンッ!!
アキトの父「ぶ、ぶひーー。ぶひぶひ」
操られた集団「ほら、もっと鳴け!!おら!!」
バチッ!ドゴ!バチ!
アキトの父「ぶ、ぶひーー。ごふっ」
アキトの母「もうやめて!血がでてる!!」
操られた集団「早く呼んでこい。あえてお前はこの状態で会わせてやるんだから優しいだろ俺達、ハハハッ」
カイ「アキトだめだ、いくな。気持ちはわかる ボソボソ」
アキト「でも...俺の家族が...」
カイ「今行ったら確実にやられる、機会をまて ボソボソ」
アキト「うん...」
カイ「窓から塀に飛び乗りできそうだこら、そこからいくぞ ボソボソ」
アキト「わかった ボソボソ」
二人は静かに塀を飛び乗った。
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