第10話 下準備
カイは土方達から届けられた部品達を巧妙に隠しながら研究所に少しづつ持っていった。
怪しまれないように周一に研究所に行く日に決行した。
上手い事研究員達をある一室の部屋が空くようなスケジュールに変更した。
アリの無線「タイムリミットは一時間だ。それまでにできるだけやっとけよ」
カイ「あたりめーよ、俺を誰だと思ってる」
早速カイは空いた研究所で作業に取りかかった。
設計図はあたまの中に入っているカイは擬似のチップを短時間で作ることにした。
研究所には幸い、コアな部品や道具があり作るには最適だった。
しばらく無我夢中な作っていると耳元で「もう迫っている」アリの囁き声だ。
カイ「よし、でるぞ。監視カメラの情報は?」
アリの無線「ああ、バッチリだ。今のうちに行った方がいい人影がないぞ。こっちで改ざんしておく」
カイはすぐさま研究室を出た。
角を曲がった時に研究員達とばったりあってしまった。
研究員達「おや、社長の息子さんじゃないですか。お疲れ様です。野暮用ですか?」
カイ「ああ、少しな。じゃあまた後で」
カイの父「ちょっとまて」
久々に父さんと会った。
カイの父「ちょっといいか、話」
カイ「今忙しい、それじゃ」
カイの父「ちょ!ちょっと!なにか誤解もしているようだから少し話さないか?」
カイ「なんで?今さら。裏切り者が...ボソッ」
カイの父「少しだけでいいから、な?話そう」
カイ「少しだけだぞ、この荷物家に置いていく」
カイはまっすぐ家に帰った。
アリの無線「おい、大丈夫なのか?久しぶりの再開なのに」
カイ「そんなことはどうでもいい、今はこれがバレちゃいかんだろ。話はそのあと」
カイは家に向かい荷物を隠した。
そして父さんのいるところに向かった。
研究所にある談話室に待っていた。
カイ「話ってなに」
カイの父「実はその、謝りたくて。こんな形であの時の約束守れなくてごめんなさい。父さんは本当に悔しいよ」
カイ「それで?よっぽどの事がないとこんな事にならないだろ」
カイの父「実はな父さん、リム社長に弱みを握られたんだ。あの日のサーバーダウンは単なる障害じゃない。あれは意図したサーバーダウンだった。しかもシステムを乗っ取られていてどうしようもできなかった」
カイ「そうか、でも対策は打てたはず」
カイの父「すまない、妹の命まで人質にされてどうしようもできなかった」
カイ「でも、なんでそんな事急に」
カイの父「父さん達と職員があのチップを埋め込まれるんだ。実験対象として。だから今喋れるうちに真実を話したくて」
カイ「そうか、じゃあ俺にも埋め込めってのか」
カイの父「いずれ、そうなる。今奴はカイを凄く警戒している。だから一刻も早くお前の成すべきことをさせなきゃならない」
カイ「で、どうすんのさ」
カイの父「この一週間が山場だ。だからお前にこの研究所を自由に一室だけ使えるようにする。他の研究員にも上手く伝える。お前がこの暗黒の時代を変えるんだぞ」
カイ「何を無責任な。じゃあ今から研究所使わせろ」
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