第4話 開発の定義
チュンチュンッ
カイ「んんー、ねみーな。今日サボろうかな」
カイは布団から起き上がりスマホでニュースを見た。
朝のニュースは国際問題や日本の犯罪のニュースなどがずらずら取りあげられていた。
その記事の中にフォーム@フォーカスのサーバー障害が発生とのニュースがあった。
幸いすぐに復帰したためチップを使用していた者は命に別状はなかった。
カイ「父さんのシステムだ。大事になんなくて良かったな」
カイは下の階に父と母がいるダイニングに向かった。
カイ「おはよー、父さん。昨日のサーバー障害は大丈夫だったの?」
カイの父「ん、あ、ああ大丈夫だ。急にどうした?心配そうにして」
カイ「いや、いつもと様子が変だから」
カイの父「バカいうな、いつも通りの父さんじゃないか!ほれこの通り!」
カイの父は激しく手足をバタバタさせた。
カイ「キモいからやめろ、母さんご飯ある?」
カイの母「あら、珍しいわね。ほらここに用意してあるよ。でもお昼の分少なくなるけど」
カイ「いいよ、買ってくうからそれ全部食べるよ」
カイの父「どうした、どうした?成長期か?」
カイ「いや、なんでもないよ」
カイはご飯を食べ終え学校に行く支度をした。
カイの父は急いで着替えすぐに家をでてしまった。
カイの母「なんで、妙に焦ってるの?」
カイ「さぁな、昨日の障害が原因だろ。全サーバーがシャットダウンするのは想定の事が起きない限りは起きないはず。しかも復帰が早いとなるとなにか引っ掛かるけど」
カイの母「考えすぎじゃない?カイ学校いってらっしゃい」
カイ「母さん、行ってきます」
いつもの通り道にアリが待っていた。
カイ「ういっす」
アリ「今日のニュース見たで、父ちゃんのところサーバーダウンしたんだってな」
カイ「ああ、父さんの様子も少し変だしなにかあったに違いない」
アリ「調べてみるか?」
カイ「そうだな、後をつけられないように慎重に調べよう。昼時にノート(PC)持って打ち合わせしようか」
2人は特に会話することもなく学校に着いた。
いつも通りの授業を受けレポートを提出しいつも通りの友達と雑談を交わす。
お昼になった。
カイとアリは待ち合わせの食堂でノートパソコンを開いた。
二人は早速カタカタと容易に父さんの会社にハッキングした。
カイ「IPは改ざんしてから入ろう、念のため学校のWi-Fiは使わず、近くのビルのWi-Fiハッキングしといたからそっち繋げといて」
アリ「了解、仕事が早いな。さすがだよ」
カイ「いいか、足跡は残すなよな。セキュリティは万全だろうからな」
二人はできるだけ情報を集めた。
しかし、これと言った怪しい情報がなかった。
カイ「何もなかったか、消されたかどっちだろう」
アリ「どっちにしろ引っ掛かるな。父ちゃんの様子がおかしいなら尚更」
カイ「気にしすぎか...」
それからしばらく何事もなく日常が過ぎていった。
しかし、サーバーダウンがあったあの日から1ヶ月頃に父さんの会社から脳内でできるゲームが発表された。
カイの心の声「なんで、急にこんなの発表したんだ?僕との約束忘れたのか」
カイはすぐに父さんに問い詰めた。
カイ「父さん!これどういうこと?あの時約束したよね?医療以外に使わないって、あれは危険なマシーンなんだって」
カイの父「す、すまない。ゲーム会社からどうしてもって断れきれなくて開発に進んだ。」
カイ「じゃあ、医療の方はどうするのさ。たくさんの困ってる人達がいるだろう?妹だって使ってるのに疎かにするつもり?」
カイの父「それはない、しっかり全力を注ぐつもりだ、カイ急に折り入って頼みがある」
カイ「頼みってなんだよ」
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