第3話 一刻
父さんが最近家にいる。
カイの父「はい!おいっちにー!おいっちにー!」
カイ「朝からうるさいな、なにやってんだよ」
カイの父「なにって朝の体操だろうが、お前もパソコンばっかやってないで運動したらどうだ」
カイ「毎日通学で歩いてるからいいよ」
カイの父「いいわけないだろう、体が鈍るぞ。わかいんだから」
カイ「うっさいな、おれはもういくんだよ。」
カイの母「カイ!朝ごはん食べなさいよ!全くもう、あのこったら誰に似たのかしら」
父がニヤニヤした顔で「さぁな」
カイは颯爽と家を飛び出した。
いつもの通学路を通る。
大学は情報技術のエキスパートが集まる大学だ。
僕はそこで、AIはもちろんその先の時代の最先端の技術を学んでいる。
宇宙に人がたくさん住むための方法が今の大学でのトレンドだ。
カイを待ち合わせていた人が目の前にきた。
アリ「よう、この早い時間に珍しいな」
カイ「親がうるせーんだよ、親父が特にな」
アリ「まぁまぁ、カイの父ちゃんは有名なIT技術者だろ。お前も世間の目を浴びることになるぜ」
カイ「家より騒がさしいってか、冗談じゃない」
アリ「まぁ、そうゆうなって」
今話してる、茂原アリはカイの幼じみで情報学校で共に学んだ男だ。そしてIQが180以上ある頭脳明解の天才だ。ただ、プログラム力はカイより劣っている。
お互いの良さと悪さを掛け合わせてようやく100%になる、そんな2人である。
アリ「それより、レポート終わったのか?」
カイ「ああ~、地中海の微粒子散布の明解ね。終わったよ」
アリ「おお、俺がいなくても!成長したじゃん」
カイ「うるせー、おれはなんでもやれんだよ」
アリ「俺がいないとだめなくせにー」
2人はしばらく歩いているうちに大学に着いた。
その頃、カイの父のオフィスビルでは。
カイの父はIT企業の社長でもあり、「フォーム@フォーカス」の最高責任者でもある。
カイの父「みんな、おはよう」
職員「おはようございます、レマ社長」
カイの父「うん、おはよう。ところで後藤秘書はどこにいるかね」
職員「先程、社長室に資料を運びました。」
カイの父はうなずいた。
ガチャッ、バタン
カイの父「おはよう、後藤君。資料ありがとうね」
後藤秘書「はい、こちらに日報と会食のスケジュール。開発の提案などをご用意いたしました。それでは失礼致します」
ガチャッ、バタン
カイの父は秘書が用意したエクスプレッソを飲みながら仕事をこなした。
時間はお昼過ぎになった。
カイの父の声「今日は出前を頼むか」
スマホに手を伸ばそうとした時にすごい形相の顔をした後藤秘書が扉を勢いよく開けた。
後藤秘書「社長大変です!!社内に謎のウイルスが!」
カイの父「急にどうした?なに、ウイルスだと?」
後藤秘書「とにかく説明は後にしてこちらに確認をお願いします!!」
後藤秘書は社長の手を引っ張った。
社員のパソコンに無数のチェーンメールが開かれていた。
そこに「お前らのシステム権利を奪った。我々に従え」
社員「社長これはなんでしょう」
カイの父「なんだこれは...おいセキュリティ班はなにをしている!」
社内が混乱に陥った。顧客情報や極秘情報など漏れていることがざわつきを加速させた。
カイの父「おい!なにぼさっとしてる!早く止めろ!セキュリティ班とシステム班を集めろ!休みの人も呼べるだけ呼べ!リモートでもいいから!!」
カイの父は電話で友達のハッカー集団に助けを呼んだ。
カイの父は急いでサーバー室に向かった。
開けた途端熱風が漂った。スーツが汗でびしょびしょになるほど熱い。
そして次の瞬間全システムがダウンした。
広い室内は特殊なエアコンで瞬く間に寒気がするほどになった。
すると背中に銃を突きつけられる感触があった。
??「動くな、レマ社長殿」
カイの父「お前、何が目的だ。金か、システムか」
??「いやいや、ちょっとしたものを作って欲しくてな」
カイの父「頼むからサーバーを復帰させてくれ。君もシステムを理解しているなら分かるだろう」
??「さあな、私は目的のためなら手段を選ばん」
カイの父「貴様、自分が何をしているか分かっているのか。数万人の生命に関わることなんだぞ。システムが落ちるという事は一刻を争うことになる。命も危ないんだぞ」
??「そんな出来損ないの数万の命などいらないね、それよりも救いたいなら我々に従え」
カイの父「なんだと、どうせろくなことに使うだろ。権利をうばって戦争に発展させるつもりか」
??「早くしろ、お前の可哀そうな娘の命もかかってるんだからな」
カイの父はしぶしぶうなずいた。
カイの父「ああ、従うさ。望みを言ってみろ」
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