第2話 始まり

7年前とある、日本の東京に2人の親子が歩いていた。

2人は距離を取りながらぎこちなく会話を交わしていた。

カイ「父さん、久しぶりだね。僕に話ってなに?」

カイの父「久しぶりだな、大きく成長したな。カイは今年で16歳だもんな。」

カイ「そんなことはいいから、要件はなに...」

カイは不機嫌そうに答えた。

カイの父「やけに不機嫌だな、それもそうか。10年ぶりだものな。父さん今ある開発をしていてな、それが完成まじかだからお前に見せてやろうと思って」


カイ「あ、そう。そんなことね」

カイの父「なんだ、興味ないのか?お前プログラム得意だったろ、父さん譲りの腕だって聞いてる」

カイ「そうだね。んで、その開発ってなに?」

カイの父「ああ、見ればわかる」

2人は近郊をぎこちなく歩きとある雑居ビルに父が止まった。

カイの父「ついてこい」

父は先に扉を開け地下の階段を降りて行った。

カイ「なんだ、アイツ。久しぶりだってのに父親らしくないな...」

カイも後を付いていった。

地下の階段を3階降りきったところに鍵がついた扉があった。

カイの父は指紋認証と目の認証を行い扉が開いた。

そこはラボのような施設が広がっていた。

カイの父「驚いたろ、ここは生物の研究からAIの研究まで幅広く混合させて研究しているところだ。我々が開発したのはすなわちAIと生物を混合させた未知の領域だよ」

カイ「それって、脳を支配する的な?そんなの非人道的だ!」

カイの父「そうとは違う!その治療を受けると脳を飛躍的に能力を上げる事ができる!脳の障害だって簡単に治せる!やりたいこと、目指したい事が実現する!」


カイ「そんなこと...本当に大丈夫なの?」

カイの父「ああ、もちろん安全だ。情報の共有だってお手のものだ。好きな夢も見れて仕事も100%以上引き出せて素晴らしいだろう。脳内で動画だって音楽だって流せる。そしてゲームもな」

カイ「そんなの、生物の領域を越えてるだろ!得体のしれないものなんかに俺は手をださないよ!」

カイの父「まぁ、そんなに騒ぐな。でも実用的じゃないのは分かってる。だからこれは障害をもった者にしか使えない。脳の障害も体の障害も一瞬で治る、これは医学の発展だよ」

カイ「確かに医療なら必要だけど、人の脳を支配するということは危険もあるだろ」

カイの父「それも安全に考慮して...」


いつだろう、父さんと久しぶりに会った日を思い出した。

その先の会話がどうしても思い出せなかった。なにか重要な事を言っていたような。

あれから3年がたった。

僕の父さんは開発に成功して一躍時の人となった。

ニュースが流れては人工知能チップの発展ばかりのニュース。

その名は「フォーム@フォーカス」

AI力場管理システムという話だ。

人の脳内に人口知能のチップと周波数や情報修正をするための電極のような物を頭につける。

実現通り、人の医療に使われ苦しい人達が救われていった。

もっと実用的に進化すればチップのみで脳や体全体を制御できるという。

カイ「父さん、この先なにもなければいいけど」


世の中には好い人もいれば悪い人もいる。

そして時の歯車が狂う時は急速に早くなり止められなくなるものだ。

ガチャッ、バタン

スーツ男「お疲れ様です、アーダム財団のリム社長様」

リム社長「ああ、ところで例の情報は本当なんだろうな」

スーツ男「ええ、フォーム@フォーカスは医療以外にも脳を飛躍的に能力を上げることのできること。それから扱い方を間違えば支配されてしまうことも」

リム社長「なるほど、おい。中国とロシアに滞在しているハッカーに連絡は取れたか。それからアメリカにいる財閥の息子とそのハッカー集団だ。」

スーツ男「ええ、バッチリ。いつでも仕掛けられるように準備をしております。」

リム社長「世界は俺のものだ」

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