56 まな美水香の居場所

 まな美が,近くのコンビニに行って,α隊に宅急便を持っていった帰り,近くのマンガ喫茶の個室に戻った。そこには,和輝と水香もいた。


 ここで,今後の行動予定を相談するためだ。その前に,このグループの指揮系統もハッキリさせる必要がある。


 メリルは,まな美の体を憑依することなく,まな美の口から,メリルの意向を皆に伝えた。


 メリル「前にも言ったけど,わたし,メリルです。水香の体の中に隠れてました。わたし,霊体の存在ですが,体を接触すれば相手に憑依できます。今は,まな美の体の中にいて,まな美にわたしの意向を話してもらっています。

 わたし,これから青龍の要請に従って,近々,本州の方に行くことになります。また,水香の復讐もしなくてはなりません。でも,復讐の相手セイジがどこにいるのか分らないので,まずは青龍の要請を先に済ませます。水香,それでいいですね?」

 水香「はい,かまいません」

 メリル「水香は身重ですし長旅は無理です。そこで,長官にお願いしてかくまってもらいます。いやとは言わないでしょう。だって,水香を抱けるのですから」


 この言葉に,和輝はニヤニヤとした。


 メリル「ともなく,お腹の子をしっかり守ってちょうだい」

 水香「はい,しっかり守ります」


 メリル「和輝はまな美の指示に従ってください」

 和輝「あの,,,ボク,,,まだ,まな美と,ちゃんとしたエッチできていないんですけど,,,まだ,童貞なんですけど,,,まな美は,ボクの性奴隷で肉便器だって,約束してくれました」

 メリル「死にたくなかったら,もう,まな美の体に触らないで。特に,まな美が寝ている時に触ったら,確実に死にます」

 和輝「えっ?ど,どういうこと?」

 メリル「まな美は,完全に霊力使いの体になったのよ。エッチする相手から精力と寿命エネルギーを奪うのよ。これから,男アサリをして,男どもを殺していくわ」

 和輝「・・・」


 この言葉に水香が質問した。


 水香「所長がわたしの体を触っても,大丈夫なんでしょうか?」

 メリル「大丈夫よ。水香の体には,霊力はまだないわ。ただ,水香の股間に植え付けた呪詛は,お腹が大きい間は消えないけど,でも,お腹が凹んだら大丈夫よ。普通のエッチができるわ」

 

 まな美が,まな美の口から自分の意見を言った。


 まな美「わたしが’生きていることはとっくにバレていると思います。だから,水香が生きていることも,すぐにバレると思います。もちろん公開捜査はしないでしょうが,隠密裏に捜査するはずです。所長の傍に水香がいるのは危険だと思うのですが?」

 メリル「そのために,まな美がいるのよ。所長と相談してベストな方法を考えてちょうだい。まな美は,超天才なのでしょう?所長だって,それなりに優秀な人なんでしょう?」

 まな美「わたしの天才って,超がつくほどの記憶力があるだけです。創造性や奇抜なアイデアなど,カケラもありません。期待しないでください」

 

 ここで,また和輝が質問した。


 和輝「あの,,,どうしてもまな美を抱きたいんですけど,,,寿命や精力が奪われない方法ってないのですか?」

 メリル「あるけど,霊力を消費してしまうわ。和輝,あんたにそうするだけの価値があると思っているの? 青龍の霊体の運び役だけでしょ! 自分の今の身分をわきまえなさい。今のあなたは,まな美の奴隷よ。立場が逆転したのよ」

 

 和輝は,このままではまな美を抱けなくなると思った。そこで,自分の体の中いる青龍にお願いした。青龍は念話で,和輝は声を出して会話した。


 和輝『青龍様,なんとか,まな美を抱きたいのですけど,協力してくれませんか?』

 青龍『お前は,まな美だけを抱きたいのか? 処女を抱きたいのか? 処女ならいくらでもあてがってやるぞ』

 和輝「えーーと,,,」

 青龍『和輝が,その肉体の支配権をすべてわたしに譲りなさい。いくらでも処女を犯してやろう』

 和輝「肉体の支配権?」

 青龍『そうだ。つまり,和輝は,わたしが処女を犯しているのを傍らで見ているという感じだ。でも,性的な快楽は共有できる』


 この性的な快楽の共有という言葉に,ちょっと心が動いた。


 和輝「支配権って,一生ですか?」

 青龍『いや。長くて1年,最短で半年くらいだ』

 和輝「なるほど,,,それで,具体的にはどうやって処女を抱くのですか?」

 青龍『何,簡単なことだ。レイプして処女を奪うだけのことだ。難しいことなど何もない』

 和輝『・・・』


 和輝は,逡巡した結果,青龍の提案に同意することにした。どうせ,自分の体を青龍に譲っても,半年か1年間だけだ。それに和輝が殺人を犯すわけでもないので,警察に捕まることもないだろうと思った。


 和輝『性的快楽や,触った感覚などは完全に共有できるんだね?』

 青龍『そうだ。体を動かせないというだけで,すべての感覚,性的快楽は当然だが,食事をするときの味覚,さらに,尿を出すのも,クソを出す開放感だって共有できる』

 和輝『・・・,わかった。青龍,この体,自由に使ってください。でも,一日一回は処女を抱いてください』

 青龍『もちろんそのつもりだ。安心しろ』


 青龍は,和輝の了解を得たので,和輝の体を完全に支配した。完全支配の場合,憑依したり,解除したりする必要がないので,霊体が持つ魂力の消費はほとんどない。


 青龍はメリルに念話した。


 青龍『メリル様,この和輝の体の支配権を,和輝の霊体の了解を得て獲得しました。今後は,青龍として活動します』

 メリル『そうなの?了解よ』

 青龍『それで,和輝の霊体が,まな美の体を抱きたいという要望がありますが,それはもう無理という理解でいいですね?』

 メリル『そう理解していいわ。このまな美の体,股間にミクロ亜空間魔法陣を展開しているのよ。つまり,まともなエッチができないってことよ』

 青龍『了解しました。これからは,処女狩りで和輝の性欲を満足していきましょう』

 メリル『それで,以前の約束なんだけど,あなたのボスであるドラゴンの依頼って,何なの?』

 青龍『その件ですが,ともかくも,福井県に行かないことには話になりません。つまり,ここから安全に脱出していただかないといけません』

 メリル『そうね。それが問題なのよね,,,』


 今の網走市は,あらゆる道路で交通規制と検問が開始された。しかも,警察ではなく軍隊レベルだ。政府は,さらに北海道の他の駐屯地から軍隊を網走市周辺に派遣して,検問の強化に努めている状況だ。網走市周辺のJR,バス,飛行機もすべて,運行停止させている。しかも,10歳から25歳までの女性は,なにはともあれ,当分の間,網走市からは出ることは禁止だ。絶対に網走市から逃さないという決死の覚悟だ。


 彼らは,脱出する方法を打ち合わせしたものの,大して実りある案はなでなかった。


 まな美は,自分のクレジットや銀行カードは使いたくない。すぐに所在がバレて捕まってしまう。手持ちの現金など,このマンガ喫茶の料金でなくなってしまう。


 青龍は,已む無く,しばらく網走市に潜伏する提案をしなければならなかった。


 青龍『メリル様,わたしの要請は,すぐに行動しなくて結構です。わたしは,この体の支配をしたものの,魔力がほとんどありません。それに,体も鍛えたいと思います。どこかで,1ヶ月ほど,潜伏できないでしょうか?それから,わたしの要請を履行していただけると有り難いです』

 メリル『そうね,,,潜伏場所か,,,でも,とりあえず,今すぐに,少しでもいいから魔力を確保しなさい。わたしも,霊力を補うわ。話はそれからよ』

 青龍『魔力を得るには,人の血を大量に飲む必要があります。ここの客を殺していいですね?』

 メリル『今,この場所には,わたしたち以外,カウンターのお姉さんと,男性客4名よ』

 青龍『では,男性2名をわたしが,残りの男性2名をメリル様が味わうということでいかがでしょう?』

 メリル『OK,それでいきましょう』


 青龍とメリルの念話は,まな美も聞こえている。まな美は,人殺しの手伝いをする覚悟を決めた。もう後には引けない。


そこで,まな美が話しに割り入った。


 まな美『その前に,監視カメラの映像をオフにしてもらうわ。ちょっと待っててちょうだい』


 まな美は,魔装服やデジタル機器は返却したものの,警察手帳はまだ持っていた。こんな時のために,,,


 まな美は,カウンターの女性に,自分が警察官だと言って,監視カメラの映像を見せてもらうことにした。オーナーはいなかったので,電話で監視カメラの機器の操作方法を教えてもらった。そして,その電源をオフにした。


 青龍は,音を極力立てずに,男性客,ひとりずつ,後頭部を強打させることで気絶させていった。その後,カウンターの若い女性も気絶させた。青龍は,彼ら2名から血を吸い取っていった。30分もすると,干からびたようになって死亡した。


 他の2名はメリルが対処した。メリルは,まな美の体を支配して,彼ら2人同時に,彼らの睾丸部分に両手を当てて,そこから精力と寿命エネルギーをどんどんと奪っていった。30分もすると,ミイラ状になってしまった。

 

 まな美は,正確には,まな美の霊体は,まな美の眼を通して,メリルと青龍の2人の化け物の行為を間近に見てしまった。


 さらに,青龍は,気絶しているカウンターの女性の服を脱がして裸にさせ,和輝の体で彼女を犯した。和輝にとって,童貞を失ったと同時に,初めてのレイプを経験した。

 

 和輝の霊体にとって,和輝の体が受けるすべての感覚を共有できるので,実際に自分で犯している気分を味わうことができる。和輝は,念話で青龍に言った。


 和輝『レイプって,こんなにも気持ちいいものなのか?!!』

 青龍『和輝のためにレイプしている。感謝するんだな』

 和輝『う,うん。ありがとう。こんなレイプができるなら,まな美を抱かなくても十分だ』

 青龍『レイプだけなら,いくらでもしてあげよう』

 和輝『ラッキー!! おねがーーい!』


 青龍はその女性の膣の中に射精した。彼女は,犯されただけで殺されなかった。


 まな美にとっては,目をそむける状況だ。だが,このとき,まな美の肉体はメリルの霊体に憑依されている。目を背ける動作さえできない。


 メリルは男性客4名の霊魂を奪っていき,『霊綾正典』に紐付けした。メリルの霊体が持つ『霊綾正典』はオリジナルではない。霊力に転写されたものを,メリルの霊体が取り込んだものだ。


 尚。オリジナルの『霊綾正典』はフララが持っている。そのフララはこの月本国で身を隠している。千雪が魔界に行っているので,のんびりと隠遁生活を送っている状況だ。


 メリルがこの行動をとるのは,霊体としての能力をアップさせるためだ。他人の魂力を奪えるので,そのパワーを自分の魂力に転嫁させることが可能だ。


 青龍は,男たちを気絶させることはできたが,この和輝の体が,なんともひ弱なことにがっかりした。これでは,とても青龍の持つ能力を充分に発揮させることなど夢のまた夢だ。


 青龍『メリル様,ほんの少しですが,魔法が使えるようになりました。これから,どこに潜伏しましょうか?』 

 メリル『そうね,,,所長の家は,たぶん,軍隊で包囲されているはずだわ。でも,,,うまく侵入できれば,返って安全かもしれない。青龍,あなたはひとりで,所長の家に戻りなさい。あなたひとりなら,まったく問題ないわ』

 青龍『了解しました。メリル様はどうするのですか?』 

 メリル『わたしは水香を抱いて,保護色の霊力の層を周囲に展開して,空中からひっそりと所長の家に侵入するわ。近くに行ったら,念話で青龍に連絡するからよろしくね』


 かくして,彼らはすぐに行動に移った。

 

 所長の家は,4人ほどの陸軍の下級隊員で見張られていた。それ以外にも,道すがら,要所要所に隊員たちが,行き交う人たちに職務質問していた。本来,軍人には職務質問などする権利はない。しかし,急遽,『人に道を尋ねる』という拡大解釈で緊急対応することになった。


 青龍は,まったくトラブルなく,所長の家の中に入れた。ただし,家の中に入る際,隊員たちは,母屋の各部屋に誰かいないかを確認するのを忘れなかった。1日1回は,各部屋のチェックをすることが義務づけされているようだ。


 また,その後,やや間を置いて,隊員たちに気づかれることなく,まな美が水香を抱いて,所長宅の母屋と離れの中間にある空き地に,上空からゆっくりと着地した。


 青龍が母屋の裏側の出入り口から,まな美たちを家の中に招き入れた。


 このことから,今日一日は,部屋をチェックされることなく過ごすことが可能だ。


 マンガ喫茶での死亡事件については,その発覚は大幅に遅れた。至る所,軍隊が出動しているで,新しい客が入らなかった。

 そのため,夜の8時にオーナーが店を閉めに来て初めて事件が発覚した。レイプされた女性も,その時になって,やっと意識を取り戻したという状況だった。


 オーナーは,すぐに110番した。電話応対に出た警察官は,女性従業員がレイプされたのはまだいいとして,『ミイラのような死体が4体もある』という言葉をまったく信じなかった。それに,今,この地域では,軍隊に包囲されている状況だ。警察でさえも,うかつに出動できない状況だ。そんな『ミイラ』という有り得ない話を誰が信じるものか。


 オーナーの電話はいたずら電話ということで無視された。結局,オーナーが死体を車に積んで警察暑まで運んで,やっと信じてもらえた。でも,遺体遺棄未遂の現行犯で,そのオーナーはその場で逮捕されてしまった。現在の非常事態の状況下,このミイラ死体事件とレイプ事件は,すべてオーナーが犯人ということに無理やりして,ろくに詳しい捜査もせずに終演した。



 夜9時,,,


 刑務所で徹夜した所長が,やっと帰ってきた。見張りの隊員が,所長に離れの部屋をチェックさせてほしいということで,所長が隊員たちを連れて離れに案内した。当然,離れには誰もいない。もし,隊員がもう一度,母屋をチェックさせてくれと言ったのなら,まな美たちは発見されただろう。

 その時は,隊員たちの人生が終わる時だ。その意味では,隊員たちにとっても,ラッキーだったのかもしれない。


 部屋の中のチェックが済んで,所長がひとりノンビリしていると,ドアをノックする音が聞こえた。ノックするのは,息子の和輝しかない。


 所長はドアを開けた。


 所長「和輝,珍しいな。どうしたんだ?」

 

 和輝の体を憑依した青龍が部屋の中に入って口を開いた。


 青龍「実は,,,お父さんに謝らなければならないことがあります」

 所長「ほう? それは何だ?」

 青龍「あの,,,そこにある金庫の中身,まな美さんにあげてしまいました」


 所長は,頭をハンマーで殴られたような感じがした。気が動転してしまった。


 青龍はこれまでの経緯を詳しく説明していった。そして,ミサイルが爆破したときも,霊力のパワーによって,水香とまな美が生き延びたことも告白した。


 ガチャ!

 

 ドアが開いて,まな美と水香が部屋に入ってきた。


 まな美「わたし,まな美ですが,この体の中にメリル様という霊力使いがいます。彼女は自由に霊力を操ることができます。その霊力は,見辺さん,あなたが濃縮した千雪の母乳が元になっています。ここに,改めてお礼申し上げます」

 所長「・・・」


 所長が,口を開けたまま呆然といるので,まな美が話しを続けた。


 まな美「今の水香には霊力はありません。それに呪詛も膣の部分だけです。それ以外,彼女は普通の少女となんら変わりありません」

 所長「何がいいたいんだ?」

 まな美「水香を,所長の庇護の元に置いてほしいのです」

 所長「だが,ここは軍部の隊員たちに見張られている。すぐに見つかってしまうぞ」

 まな美「だからこそいいのです」

 所長「はあ?」

 まな美「とりあえず,隊員たちをこの部屋に連れてきてください。お茶を出すとか言って誘ってください。あとは,わたしのほうで対処します」

 所長「嫌だと言ったら?」

 まな美「メリル様は霊力使いです。半端ない凄腕の霊力使いです。その意味,わかりますね?」

 所長「・・・」


 所長は言う通りにした。この状況ではどうしようもない。

 

 門の外には4名の隊員がいる。所長の誘いに2名ずつ交代で誘いに乗ることにした。


 2名の隊員が部屋に入ってきた。部屋の中には,所長以外に,まな美,水香,和輝の3名もいた。机には,ジュース,コーラーなどの飲み物を用意した。


 まな美と水香は,眼鏡をかけていて,素顔が分りにくくしていた。面識のない隊員にとって,彼女らが,まな美や水香だとはまったく思わなかった。


 所長「どうぞ,お掛けください。ゆっくりしてください。彼女たちは,和輝の家庭教師です。ちょうど終わったので,一緒に誘ってみました」

 隊員A「いや,,,すいませんね。じゃあ,ちょっとだけ,休憩させていただきます」

 隊員B「では,わたしも失礼して,コーラーを一杯いただきます」


 まな美は,率先して隊員たちにお酌をした。彼らは,恐縮して,それらを飲んだ。


 その後,まな美は,ニコニコ顔で,適当にウソの自己紹介をして趣味の話にもっていった。


 まな美「それでね,わたし,手相占いをするのが趣味なんですよ。隊員さんの手相,ちょっと,見せてもらえませんか?」

 隊員A「あらら,そうなんすか? こんなごつい手でよかったら,いつでもどうぞ」


 隊員Aは,左手の平をまな美に差し出した。


 まな美は,その手をとって,ちょっとだけ手の平を見た後,今度は,その手の平に,自分の手の平を当てて,3分間ほど接触させた。


 まな美「ちょっと,じっとしてくださいね。わたし,こうやって,手の平と手の平を合わせると,相手の気持ちがなんとなく分るんです」

 隊員A「え?それって,なんか霊能力者のようですね」

 まな美「フフフ,ほんとうに霊能力者だったら,よかったんですけどね」


 楽しい雰囲気を壊さずに,そんな会話をしながら,今度は,隊員Bの手の平にも,同様に3分間,自分の手の平を接触させた。


 その作業が終わった後,まな美は種明かしをした。その際,和輝は,隊員たちが座っている背後に回った。


 まな美「さて,お芝居は終わりです。わたしは,メリルという超能力者です。わたしの手の平に3分間触った人には,呪詛が植え付けらています。1週間後に気がふれて死亡するというものです」

 隊員A「ハハハ,冗談がお上手ですね」

 まな美「冗談ではありません。証拠をお見せします」


 まな美は,周囲を見渡した。3メートルほど離れた場所に熊を模した木製の彫刻が置いてあった。まな美は,その彫刻を指刺して言った。


 まな美「あの彫刻を見てください。今から,霊力というパワーで,一刀両断にします」


 パシューー! コロッ!


 その彫刻は,スパッと一刀両断されて転がった。


 これには,隊員たちもそうだが,所長もびっくりした。初めて,霊力使いの凄さを知った。


 まな美「わたしは,いつでも,あなた方の首を刎ねることができます。ですから,敵対行動は一切しないでください。友好的に対処していただければ,1週間後に発現する呪詛の解除方法を教えます。わたしの言っている意味がわかりますか?」

 

 ここに来て,隊員AとBは,目の前にいる女性2人が,彼らが探している水香とまな美だと思った。

 

 隊員A「あなたは,もしかして,大門寺まな美さんですか?そして,お腹が大きいあなたは水香,,,さん?」

 まな美「正解です。わたしはまな美です。ですが,この体はメリルという霊魂によって支配されています。

 わたしたちは,ここで捕まるわけにはいきません。もし,あなたがたが,少しでも,わたしたちを捕まえるような行動を取れば即座にあなたがたを殺します。わたし,メリルは,もう別の国ですが,もう何百万人も人殺しをしてきました。あなた方,ひとりやふたり,いや,あなたのいる駐屯地を壊滅させるくらい,わけはありません。

 しばらくの間,わたしや水香のことを黙っていてほしいのです。それだけです」

 

 隊員AとBは,お互いの顔を見合った。どう返事すればいいか迷っているようだった。


 この時,背後にいる和輝は,隠し持っていた2本の匕首を両手で持って,隊員AとBの首元に接触させた。


 和輝「じっとしていてください。まな美の言う通り行動してください。さもないと,すぐに死ぬことになります」

 隊員A「・・・」

 隊員B「・・・」


 隊員たちは,呪詛を埋め込まれ,霊力使いの技量を見せつけられ,かつ,首元に匕首を接触させられてしまっては,抵抗する気力を失ってしまった。


 まな美「あなたがたに拒否する権利はありません」

 隊員A「でも,俺たちは,あとでこっそりと上司に報告するかもしれん」

 まな美「そうしてもかまいません。あなたがたは,呪詛を解除する機会を失うだけです。

 もし,わたしたちが,軍隊に包囲されるようなことになれば,理由はどうあれ,あなたがたの呪詛を解除しません。どうぞ,1週間後に死んでください。

 もっとも,軍隊に包囲されたところで,わたしたちは,痛くも痒くもありません。よく考えてください。わたしと水香は,あのミサイル攻撃にさえも無傷で生き残ったのですよ。そのことをしっかりと認識してください。あなたがたの通常の銃火器ごときで,われわれを殺すことは不可能です」

 

 まな美は,一息入れて話を続けた。


 まな美「でも,殺す殺すと言っても,あなたがたに,少しはメリットを差し上げましょう。わたしたちが暇な時は,あなた方の性処理をしてあげます。膣は使いませんが口でしてあげます。おっぱいも自由に触っていただいて結構です」

 

 まな美は,水香にこの場で裸になるように命じた。水香は,軽く頷いて,上着のブラウスを脱いでブラジャーも外した。彼女のDカップの巨乳が露わになった。


 だが,この状況では,隊員たちに性欲など湧き出るはずもない。隊員Aは,観念したかのように,まな美に言った。


 隊員A「つまり,あなたがたのことを,黙っているだけでいいのか? それも1ヶ月程度でいいのか?」

 まな美「その理解で結構です。わたしたちは,1ヶ月以内にどんな方法を使ってでも,ここを去ります」


 隊員AとBはお互い見合って,軽く頷いた。


 隊員A「どうやら,わたしの眼には,まな美と水香は映らないようだ。では,わたしはこれで失礼する」

 隊員B「わたしもこれで失礼します」

 まな美「すいませんが,外にいる隊員をここに連れて来ていただけますか?あと,引き継ぎの方が来れば,その方も連れてきてください」

 隊員A「了解した」


 間もなくして,外にいた隊員CとDがやってきた。彼らにも,まな美は,隊員AとBに施した同様の処置を行った。その結果,彼らも彼女らの存在を見て見ぬ振りしてもらうことになった。

 また,性処理については,玄関に布をぶらさがっていると,それは時間があることを意味し,隊員一名がその布を持って母屋に入っていくルールとした。


 この時から,水香は,一日に10回以上性処理を行い,精子を収集する機会を得た。また,所長も,水香が暇なときに彼女を抱く機会を得た。


 和輝の霊体は,水香やまな美に手出しできないが,処女狩りを体験できると期待した。


 和輝『青龍様,中学校に行けば,処女の少女が山ほどいます。毎日何人も犯してください!』

 青龍『なるほど,それはいいこと聞いた』

 和輝『でも,人殺しはしないでください。お願いします』

 青龍『それはちょっと難しいな,,,でも,できるだけ希望にそうようにしよう』


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