49 美澪の消滅
夏江は,昨晩,片方で6kg,両方で12kgにもなった巨大なおっぱいを駆使してムカブルの童貞を奪った。
大量のムカブルの精子がそのおっぱいの中に流れた。すると,,,しばらく経ってから夏江は,自分の意識の変化に気がつき始めた。
意識の変化,,,それは,オーラの観察眼のさらなるレベルアップを意味していた。今まで,物体からのオーラは,特別な思いのある物体以外,感じることができなかった。でも,今は,かすかな思いがあれば,それをハッキリと『色』として観察することができるようになった。
それは,僅かな進化ではあったが,夏江にとっては大きな進化だと感じた。
夏江は,獣魔族の人たちの童貞精子は,特別な作用があるのではないかと思った。
霊能力の進化に気を良くした夏江だが,『メリルの指輪』に囚われた美澪は,どんな変化が生じたのか?
『メリルの指輪』は,入手した3個の魔法石を自分の小さな亜空間に取り込んだ。そして,ゆっくりとそこから魔力を吸収する作業を行っていた。
美澪は,夏江に自分の変化について語った。
美澪『夏江,わたし,魔力を吸収してから,ますますこの『メリルの指輪』の機能を理解するようになったわ』
夏江『ん?どんな機能があるの?』
美澪『まだ初級レベルだけど,治癒魔法,ミクロ爆裂魔法が使えるようになったわ。特に,ミクロ爆裂魔法は,『メリル』が水香の体を憑依したときに,男どもを大量に殺した方法よ。霊力を男の頭の中に流して,霊力の先端にミクロ爆裂魔法を発動させるのよ。外見からは,まったく死因が判明しない殺しかたよ』
夏江『え?それって,『メリル』が行った3種類の殺し方のうちのひとつよ!!」
美澪『ふふふ。夏江,よかったね。その殺し方は,今のわたしでもできるわよ。どう?これからAVの男優たちを好き勝手に殺せるわよ?』
夏江『・・・』
このことで,3種類の殺し方のうち,2種類が判明したことになる。透明の霊力の刃による首刈り方法と,霊力の先端に植え付けたミクロ爆裂魔法による方法だ。でも,最後の1種類がまだ不明だ。それは,水香を虐めた6人の女性徒の殺し方だ。外傷はあるものの,それが死因ではない。霊魂をイタコに憑依させようとしてもすでに霊魂が存在しないという奇妙な現象だ。
夏江は,この最後の1種類の殺し方が判明しないうちは,自分のモヤモヤとした気持ちに整理がつかないと思った。
夏江『美澪,『メリルの指輪』の記憶が蘇るのなら,最初に殺した女子寮の6人の女性徒の場合はどうなの?どうやって殺したの?』
美澪『それなんだけど,霊力とは違うみたい』
夏江『霊力とは関係ないの?』
美澪『その部分の記憶ははっきりとあるのよ。でも,その記憶って,どう行動したかというの行動記憶よ。女性を殴って,床に倒し,それから指輪を額に接触させたというものよ。でも,霊力や魔法は使っていないわ。それは間違いないわね』
夏江『指輪を額に接触させた? しかも霊力や魔法は使っていない,,,??』
夏江も美澪も,それ以上は解明することはできなかった。
夏江『霊力や魔法は使っていないなら,いったい後は何があるの?』
美澪『わかんなーーーい』
そんな高等な質問を受けても,美澪にわかるはずもない。行動記憶は蘇ったが,なぜそうしたかなど,わかるはずもない。そんなことよりも,もっと重要なことを夏江に語った。
美澪『そんなことよりも,重大なことを伝えるわ。この『メリルの指輪』を支配している霊体格納魔法陣だけど,指輪との連結が時間とともに外れそうなの」
夏江『それって,どういうこと?』
美玲『わたしが霊体格納魔法陣とともに,メリルの指輪からちぎれてしまうってこと。つまり,メリルの指輪を支配できなくなってしまう』
夏江『まだ,よくわからない。美玲は,いったいどうなるの?』
美玲『・・・,いったいどうなるのか,わたしもぜんぜんわからない』
夏江『・・・』
夏江は,ちょっと間を置いて質問した。
夏江『じゃあ,美澪の霊魂はどうなるの?自分で浄化できるの?』
美澪『わからない,,,でも,恨みの感情を持っている以上,浄化は無理だと思う』
夏江『じゃあ,美澪の恨み,わたしが引き受けるわ。確か,ハビルとか言っていたわね。彼をやっつければいいの?』
美澪『そうよ。でも,彼は強者よ。魔法や剣が使えると聞いているわ。夏江の,今の実力では全然だめ。もっともっと強者になってもらわないとね』
美澪は,霊力に回復魔法陣とミクロ爆裂魔法陣を植え付けて,その霊力を指輪から放出して,夏江の子宮の中へと注入していった。言ってみれば,霊力の核だ。
美澪の霊体は,指輪の亜空間にある霊体格納魔法陣に捕らえられている。この魔法陣がメリルの指輪からもう間もなくちぎれてしまいそうだ。
蘇った記憶のうち,特に大事だと思う内容を夏江に伝えた。
美澪『霊体としての『メリル』がどこに消えたかだけど,それは,指輪から離れてしまったわ。今,どこにいるかまではわからない。それと,もうひとつ気がかりな点があるの。以前,メリルの指輪の亜空間に,大きな『繭』を飼育していたのだけど,刑務所襲撃の時に,その繭が消滅してしまったわ』
夏江『繭?それって何なの?』
美澪『わからない。行動記憶しかないので,それが何なのか不明よ。でも,大事なものだという気がするの。その繭作成した後に,連結魔法陣の跡がたくさん残っていたわ』
夏江『美澪が復活できないなら,もう魔鉱石を購入する必要はないわね。それに,これ以上,借金したら,一生,奴隷になってしまいそうよ』
美澪『そうね,,,これ以上,夏江に迷惑はかけれない。夏江,あなたと知り合いになれて嬉しかったわ。復讐心はまだ残っているけど,でも,夏江が代わりに引き受けてくれるのなら,気持ちに整理がつきそう。夏江,,,もう指輪から離れてしまうわ。そうなったら,念話ができるかどうか不明だわ。もし,念話できなかったらごめんね』
夏江「美澪!!復讐のことは,もう気にしないでちょうだい!!わたしに任せてちょうだい!!いっさいを気にせず,浄化してちょうだい!!」
夏江は,念話ではなく,声を出して叫んだ。
しかし,美玲からもう念話は聞こえてこなかった。左手には『メリルの指輪』がある。しかし,そこには,もう,美玲はいない。
美澪を失った。
しばし放心状態だった。だが,それは長く続かなかった。美澪は浄化されたと思うことにした。
これから,夏江はAV女優として生きていくことになる。すべては,その役目が終わってからだ。
これから,どうやって美澪から依頼された復讐,『ハビル』という男の行方を探していくか,それに『メリル』に殺された少女たちの仇を討っていくかを考えていけばいいと自分に納得して,伊豆半島にあるという孔嬉AV企画(株)の事務所に移動した。(参照:第6節『夏江が行く ー除霊師編ー』)
ーーー
一方,札幌市にある蜜香マンションでは,一美,二美,三美の3人が,そろそろ種付けに同意する状況だった。
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