48 夏江の決心(2)

 夏江は,さっそく室長に警察を辞めることを伝えることにした。


 夏江「室長,実は,,,わたし,,,警察を辞めようと思います」


 室長は,ポカンとして,何ら返事はなかった。夏江は,言葉を続けた。


 夏江「実は,ある事情で,どうしても魔法石を入手する必要が出てきまして,その,,,1500万円の借金をすることになってしまいました。まともな商売ではそれを返却することはできません。茜さんのモノマネをすることになってしまいますが,わたしもAVの世界に身を投じることになると思います」

 室長「・・・」


 室長は,ちょっと考えてから口を開いた。


 室長「もう,決心は変わらないのかな?」

 夏江「この超現象捜査室で,きちんとした仕事をしたかったです。水香の事件では,本人を逮捕できたものの,最初に殺された少女6人の死因は,いまだ解明できていません。それがとても心残りです」

 室長「そうか,,,茜さんは,千雪邸に戻ってしまい,もう専属契約が解除されてしまった。今では,1週間に1回出勤するだけの顧問契約になった。夏江さんが辞めてしまうと,もう新しくこの組織に配属される職員はいなくなるだろうな」


 室長は悲しい顔をした。その顔があまりに悲しいので,夏江は思わず顧問契約の可能性を口走った。


 夏江「室長,もし,可能なら,わたしも顧問契約していいですか? わたしは,実は,他人の嘘を見破る特異能力を身に着けました。嘘発見器よりも,はるかに精度が高いと思います。どうです? 顧問契約の価値があると思いませんか?」


 その話を聞いて,室長は目を輝かせた。


 室長「なるほど,,,それなら,正規の職員よりも高給で顧問契約できるかもしれん」


 この話から,急遽,夏江の他人の嘘を見破る能力が本物かどうか,科学捜査研究所で,詳しく調べることになった。


 その調査は,3日間にも及んだ。その結果,,,夏江の嘘発見能力は,嘘発見器よりもはるかに高精度であり,しかも100%の正解率を示すことが判明した。


 かくして,夏江は彼女の希望通り,警察庁を退職し,新しく顧問契約をむ結ぶことになった。とりあえずは週2日の出勤体制で,月額50万円,これとは別に実績に応じて成功報酬が与えられるという破格の待遇だ。仕事量にもよるが,年俸1千万円を超えることだって可能だ。


 意を決して警察庁を辞めることにしたものの,科学捜査研究所の所長から,『見抜きの夏江』という異名が与えられてしまった。もっとも研究所の職員らは,陰口で『見抜きの爆乳』と揶揄されていることは,夏江は薄々知っていた。


 多留真は,警視庁を辞める夏江に未練はあったものの,夏江から,ここ数ヶ月は忙しいとの理由で,夏江のマンションに来ないように依頼した。夏江にとっては『双修』の相手がいなくなるのはつらいが,当面の間,多留真から遠ざかることにした。


 ーーー

 そうこうするうちに,魔法石の代金を支払う期日が来た。予想通り夏江は支払うことができなかった。仮に支払い能力があったとしても銀行口座が開設されておらず,支払うことができなかっただろう。


 翌日の夜,夏江のマンションに,孔喜AV企画㈱の管理者と名乗る人物が現れた。


 年の頃は15歳前後で,超ハンサムな若者だ。いや,まだ子供と言ってもいいかもしれない。彼はムカブルと名乗った。彼から,夏江の処遇がどうなるのかの説明を受けた。


 ムカブル「これから夏江さんは,3ヶ月の間,AV女優として仕事していただくことになります。休日は,週に2日間あります。事前に希望の曜日を言っていただければ調整させていただきます。それと,AVの内容ですが,超絶ハード系の仕事をすれば,3ヶ月とは言わず,1ヶ月で自由の身になります。しかも,その場合,撮られた映像は,この世界ではなく,別の世界で販売することになります。あまりに刺激が強すぎますので」


 夏江は,理解が追いつかなかった。でも,多少とも千雪関連の知識があるので,別世界の存在は知っていた。


 彼は言葉を続けた。


 ムカブル「別世界とは,新魔大陸のことです。どうです? この月本国向けにソフトタッチ系の仕事を3ヶ月するか,別世界の新魔大陸向けに超絶ハード系の仕事を1ヶ月するかの選択です」

 夏江「・・・」


 そんなこと言われても,どっちがいいかなんてわからない。


 夏江「その,超絶ハード系って,どんな内容ですか?」

 ムカブル「その通りの意味です。男優はすべて獣魔族の人たちになります。あの部分が,こちらの人間の1.5倍ほど大きいです。それと,おっぱいやお尻への注射,串刺し,逸物挿入,破壊などの行為はあたりまえです。膣も破壊されることになります」


 そこまで言って,一呼吸置いてから言葉を繋げた。


 ムカブル「ただし,われわれ獣魔族の回復魔法士が常時そばに控えていますので,死亡に至ることはありません。ご安心ください」


 夏江にとって,獣魔族という単語を初めて聞いた。多分,新魔大陸のある種族なのは間違いないと思った。


 夏江「あの,,,もし,その超絶ハード系のほうに出演することになれば,その,ストリー性とかはあるのですか?」

 ムカブル「わたしはAV監督ではないので,そこまでは知りません。でも,ある程度,監督に要望を伝えることはできると思います。でも,あなたの場合,状況が状況ですから,あなたの希望は,ほとんど通らない可能性があります。あまり無理な要求をしてしまうと,ヘタすれば廃人にされて,意識のないまま拷問虐待を受け続けることになるかもしれません」

 夏江「・・・」


 夏江は,獣魔族のことについて質問した。


 夏江「獣魔族の人たちって,皆,魔法や霊力は使えるのですか?」

 ムカブル「はい,使えます」

 夏江「でも,わたしや一般の人は,獣魔族の存在は,まったく知りませんよ?」

 ムカブル「当然です。夏江さんだからこそ,打ち明けたのです。なにせ,『メリルの指輪』を持っている女性なのですから」


 その言葉を聞いて,夏江はびっくりした。


 夏江「この指輪,あなたがたにとって重要なの?」

 ムカブル「すいません。それ以上,説明することは許されていません」

 

 夏江は,さらに情報がほしかった。夏江は,ムカブルの隣に座り直して,自分の片方で5kg,両方で10kgにもなる爆乳を彼の体に押し付けた。そして,やさしく,彼の股間をさすってあげた。


 夏江「どう?話す気になった?乳首を吸ってもいいわよ?母乳が出るわ」

 

 夏江は,自分の着ている寝巻きをたくしあげて,ノーブラの両方で10kg,乳首の直径や幅も10cmにもなる超巨大な乳首を露わにさせた。


 ムカブルは,まだ童貞だった。勉強が嫌いで,主に剣士の道を歩む決心をしつつある頃だった。来年には,新魔界で戦士として配属されることを希望していた。


 でも,そんなことよりも,眼の前の爆乳を見て,彼の理性は飛んた。


 ムカブル「夏江さん!!その乳首でわたしの逸物を受けてください!それをしてくれたら,すべてを打ち明けましょう!!」


 夏江は,ニヤっと微笑んでから言った。


 夏江「いいわよ。ちゃんと元にもどるのならね?」

 ムカブル「大丈夫です。匕首でその乳首に十字の傷をつけます。わたしの逸物は,直径15cmはあります。でも,夏江さんのその弾力のある乳首なら,受け入れることは可能でしょう。乳首やおっぱいの破壊なら,わたしの回復魔法でなんとかなります。でも,もし膣が破壊されてしまうと,わたしの中級レベルの回復魔法では,対処できません」

 夏江「つまり,おっぱいや乳首なら,いくら破壊されても元通りになるってことね?」

 ムカブル「はい,そうです。乳首を傷つける際は,回復魔法を少しだけ発動しながらにすると,痛みはほとんどありませんし,出血もしません。ぜひ,それでお願いします!」


 夏江は,当然,ここで拒否するような真似はしなかった。


 夏江「いいわよ。あなたの好きにしてちょうだい」


 かくして,夏江とムカブルは,その場で全裸となり,彼は夏江の両方のおっぱいに軽く回復魔法を発動させつつ,匕首で乳首の先頭部分に,深く十字の傷をつけていった。最初は,その乳首の孔に,ひとさし指を優しく挿し込んでいき,それが成功すると,今度は,2本の指を入れていき,とうとう,拳まで入るほどにもなった。そうなると,ムカブルの巨大な逸物も受け入れ完了だ。


 ムカブルは,自分のいきり立った直径15cmもの逸物を,夏江の乳首の孔の中に挿し込んでいった。片方で5kgにもなるおっぱいは,その逸物を難なく受けれることができ,彼の激しいピストン運動も,なんなく歩調を合わせて,夏江自身もエクスタシーを十分に感じることができた。


 夏江は,絶頂を感じると海老反りになる。


 夏江は,なんら恥じらいもなく,海老反りになっていった。


 夏江の右側の乳首とおっぱいで,彼の逸物を引き受け,かつ,彼の空いている拳が,左側の乳首とおっぱいの孔の中に挿入させて,ピストン運動をしていった。


 夏江の股間から,愛液がどんどんと流れていった。


 夏江は,なんでこんなにもエクスタシーを強烈に感じるのか,よくわからなかった。あたかも,催淫呪符で攻撃されているかのようだった。


 恍惚とエクスター,そして,超がつくほどの絶頂,,,その快楽と至高の幸せ感を感じつつ,2時間が経過した。

 

 事が終わって,夏江は,両方のおっぱいと乳首に回復魔法をかけてもらった。すると,夏江のおっぱいは,片方で6kg,両方で12kgにもなるQカップのおっぱいになってしまった。乳首に至っては,直径12cm長さも12cmの,ウルトラ乳首に変身してしまった。


 おっぱいの治癒には1時間ほどの長時間を要した。


 夏江は,自分の身を捧げてまでも手に入れたい情報,,,それは,今後の夏江の行動方針に関わる重要なものになると感じた。警察を退職して,警視庁の顧問という身分になったとはいえ,不安定な身分には変わりない。夏江は,どこか,強力な組織の一員になる方法を模索してもいいと思った。まず手始めに,このムカブルの組織がいったいどんなものなかを知ることから始めた。


 ムカブルが,語った内容,,,夏江は,衝撃を覚える内容だった,,,


 その内容とは,,,


 新魔大陸からこの世界へ侵略しに来た獣人族による子供生産計画。しかも,年間10万人規模の獣魔族の赤ちゃんを生むという計画が実行に移されている。現在は,まだ,その計画の数%にも満たない状況だ。最大のネックは死産率の多さだ。それを改善する施策が同時進行しており,北海道でも,新しく子供生産計画が着手し始めている。


 そのためには,膨大な資金が必要だ。都市部でのマンション経営会社を筆頭に,資産運用会社,AV関連会社,人材派遣会社など多くの事業を行っており,その関連会社の総数は,優に100社を軽く超えるほどだ。特に,AV関連会社は,新魔大陸への販売も強化しているため,AV女優以外,スタッフのほとんが獣魔族出身だ。


 これら数多くの会社を統轄する中枢部門は長老会だ。獣魔族出身で,かつ,第1長老から第10長老の10名による長老たちによって運営されている。


 ムカブルの属する組織が,少女誘拐によって子供生産計画を行うこと以外は,堅実に合法的な会社運営をしていることがわかった。なお,少女誘拐と言っても,本人了承の場合がほとんどであり,警察沙汰になることはまずないらしい。倫理上の問題はあるものの,そこに目をつむれば,魅力ある組織に思えてきた。


 それに,ムカブルの感覚的な感想だが,この組織の戦闘能力は,この月本国の総合的な軍事力にも相当するものと見ている。


 それに,夏江が持っている『メリルの指輪』を詳しく調べることが出来れば,戦闘力の強化策のヒントになると上層部は見ている。そのため,夏江をAV女優として拘束し,折りをみて夏江が保有している『メリルの指輪』を奪うことを考えていることも判明した。


 ムカブルの属する組織は,予想以上に規模が大きいことが理解できた。


 夏江は,長老の弟子になる方法をムカブルに聞いたところ,結局のところ,縁故によるものらしい。でも,これまでAV女優から,長老の弟子になった例はない。少なくとも,魔法や剣技で一流レベルでないと無理だ。今の,ムカブルの剣術の腕でも到底無理のようだ。


 夏江は,ムカブルが属する長老の情報を聞いたところ,AV関連事業,ソフト開発販売事業等を統括している第8長老なのだが,彼では身分が低くて,それ以上の情報を入手することはできなかった。


 夏江は,結局のところ,超絶ハード系のAVに出演することに決めた。1ヶ月でいいし,しかも,撮られた映像は新魔大陸で販売されるので,知人に露わな姿が見られる可能性もない。それに,男優はすべて獣魔族らしいので,獣魔族の情報がさらに得られると期待した。


 夏江は,さらに,『メリルの指輪』を分析するという点に興味が湧いた。


 夏江「その分析って,どうやるの?」

 ムカブル「わたしもよくわかりませんが,担当者が記憶の追跡を行えば,かなりのことが分かると言っていました」

 夏江「記憶の追跡?」

 ムカブル「はい,そうです。具体的な手法まではよくわかりません」


 夏江は,その記憶の追跡が細かくわかるのであれば,『メリル』が今どこにいるのかも判明し,かつ,指輪の中に囚われの美玲が救われる可能性も出てきた。


 夏江は,ムカブルから必要な情報はすべて聞き出した。でも,さほど重要な情報は持っていないようだった。


 ムカブルは,用事が済んだので,帰っていった。その後,ムカブルは,帰る途中で,寿命が奪われたかのように歳をとってしまい,とうとう寿命がきて死亡したことなど,夏江は知る由もなかった。


 夏江が,至急にしなければならないこと,それは『メリルの指輪』のダミーを用意することだ。本物の指輪は奪われてはいけない。


 夏江は,2日後から,伊豆半島にある小さな町へ移動し,そこで5日間,缶詰になって撮影するというスケジュールだ。2日間の休みがあり,それを4回繰りかえすという内容だ。


 夏江は,2日後に出発するまでに,すべきことをテキパキと処理していった。


 


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