42 武術大会


 虚道宗で開催される武術大会が開催された。最近は,失踪者や死人が多数出てしまい,虚道宗は陰湿の雰囲気に包まれた。そのためか,自主的に虚道宗を辞める門弟も少なからず現れた。


 その流れを食い止めるためにも,盛大に武術大会を開催して,優勝者や成績優秀者に特別な褒美を与えることにした。


 男性の出場者には,もれなくある部屋に設置してる『壁穴』を享受できる。その壁穴から逸物を突き出して,その壁の裏側にいる女性に愛撫してもらえるという権利が与えれる。その奉仕をするのは,第1区画で監禁されてる女性たちだ。この大会のために,第1師範であるナビレが快く監禁している少女たちを提供した。


 さらに,成績上位者には,女性たちを犯す権利が与えられる。優勝者には,特別に宗主もしくは第1師範に『願い』を叶えてもらえる権利が与えられる。法外な願いでなければ聞きとどけられるという特典つきだ。


 参加者への褒美は,トーナメント形式で出場した選手が敗北した時に与えられる。女性の場合は,壁越しではなく,手足がロープで縛りあげられた裸の若い男性の体を自由にできる。鞭で打ってもいいし,竹刀で思い切り叩いてもいい。もちろん,その男性と無理やり性行為してもいい。そして,その犠牲になる若い男性は,もちろんミツルだ。


 女性の成績上位者には,第1師範から5品の催淫呪符が贈られるという特典が与えられる。


 残念ながら,男性から女性への催淫呪符はない。ナビレは,女性が行使できる催淫呪符も必要だと感じるようになった。その『材料』を最近になってやっと入手できた。その材料とは,もちろん,ミツルのことだ。


 ミツルは大会の女性参加者のために提供してしまったが,この開会が終われば,第1師範によって,ああでもないこうでもないとこねくり回されるという辛い,いや,羨ましい日々が待っている。


 この大会の司会進行は,第5区域の副師範だ。彼女は,声がよく通るので,司会進行にはうってつけだ。副師範は,拡声マイクを使って武術大会の開会をアナウンスした。


 副師範「では,ただいまから武術大会を開催します。試合は,雑役係によるトーナメント形式,および外弟子によるトーナメント形式によって行います。成績上位者は,ランランク上のグループに編入する権利が与えられます。さらに参加者全員に褒美として参加賞が与えられます。それは,ある特別な部屋に入る権利が与えられます。部屋に入ってからのお楽しみです」


 この説明に,全員が「おおーー,それは楽しみだ!」というような歓喜の叫びが聞こえた。男どもにとっては,この特別な部屋を,少女を犯せるという意味に捉えた。


 副師範「その他,成績上位者や優勝者への褒美の内容については,すでに公示した通りです。

 さて,この大会では,特別にある女性のゲストを招待しております。彼女の身分や名前は,本人の希望によって開示できませんので,借りの名前として,『秋江』さんと命名させていただきますが,彼女は,呪符攻撃に対して,先天的に耐性を持った女性です。後で,どれほどの耐性能力があるのか,実演していただきます。秋江さん,一言,お願いします」


 司会進行から呼ばれたので,昨晩からこの虚道宗に来ていた夏江は,皆の前に立った。


 今の夏江は,片方で5kgにもなる爆乳になってしまい,かつお尻の贅肉もどっしりとついてしまった。普段歩くときも,いまだこの重たいおっぱいに慣れていない。どうしても恥ずかしさが出てしまう。


 できるだけ爆乳と大きなお尻をそれとなく隠すために,サラシを巻くのは当然として,小太りの女性ですよと演出させるために,マタニティードレスの上に,丈の長いガウンを着た。


 そんなことに頭を悩ませていたが,でも,夏江の所属する超現象調査室の茜のことを思い出して,「自分はまだまだましなほうだ」と自分自身を慰めて,あまり悩むのを止めることにした。


 だって,茜は片方で15kg,両方で30kgにもなる超ウルトラ爆乳なのだ!!それからみれば,夏江のおっぱいなど子供だましだ。こんな『小さい』おっぱいなど,見たいものには見せてやれ,という気持ちになったかどうかわからないが,それに近い気持ちになるように努力したのは事実のようだ。


 夏江は,重たいおっぱいの重さを感じながらゆっくりと試合会場の前に出向いた。


 そして,マイクを通して簡単に自己紹介をした。


 夏江「皆さん,あはようございます。わたし,仮名ですが,秋江といいます。武道については,合気道2段,空手は少し囓った程度です。


 呪符についてですが,第1師範から,呪符攻撃に耐性があると言われて,それを確かめる意味も含めて,この大会にゲストとして参加しました。あとで模範演技があるそうですが,そこで少し披露させていただきます。では皆さん,実力を十分に発揮して頑張ってください」


 この挨拶に,パチパチパチと拍手が沸いた。義理的なサービスだ。それよりも,男性陣にとって,夏江がかなりの美人であり,しかも服の上からでもはっきりとわかるほどの巨乳をしていることのほうに興味が沸いた。


 夏江のおっぱいは,その見かけ以上に大きく見えた。母乳が常時少しづつ出てしまうので,それを吸収させるためにブラシャーの裏地に液体吸収マットを敷いて,さらに,その上から無理やりサラシを巻いたのだ。


 なんとも,爆乳初心者のするような行動だ。


 夏江の出現に,あるひとりの女性がいなや顔をした。


 それはモモカだ。今は,霊力によって,眼の周囲をキツい二重まぶたに変えて,つけまつげをして,髪も茶色に染めた。このように,外見を可愛く変えることで,モモカとは違う人物として出場している。名前もボタンに変えた。

 

 モモカは内心思った。


 モモカ『あの秋江って女性,わたしを検死した女性に間違いないわ。場合によって,あの女性を殺すことになるかもしれない,,,』


 モモカは,殺人を控えると思ったものの,モモカとしての自分が生きている事実を知られるのはまずい。その時の状況に応じて,夏江を殺す決心をした。


 夏江の紹介も終わったので,副師範が大会の進行を進めることにした。


 最初のトーナメント戦は,雑役係たちによる試合だ。かなりの雑役係が殺されたこと,さらに,多くの者が自主的に辞めたことから,今,残っている人数は80名ほどだ。本来なら300名以上もいるはずなのに,,,


 80名のトーナメント形式といっても,試合会場が,5箇所もあり,かつ試合時間は10分と限定されているので,進行はスムーズだ。


 優勝するまで試合を5,6試合行う必要がある。体力をうまく温存することも優勝への重要な要因だ。


 ボタンの名前で主出場しているモモカは,第1師範の計らいで,編入試験を受けることもなく,この虚道宗の雑役係として採用された。第1師範による推薦入学と言ってもいい。その意味で,周囲から特別な眼で見られた。なんといってもその爆乳だ。


 今のモモカの爆乳は,片方だけで4kgもの重さになるおっぱいを2つぶら下げている。しかも,母乳しっかりと出る。おっぱいの大きさでは夏江にかなわないが,母乳の出る量は決して夏江に負けない。このように妊娠しなくても母乳がほとばしる現象は,霊力使いに共通する特徴なのだが,そんなことに気がつくものはいなかった。


 モモカの道着は,おっぱい部分から,水に濡れたようになっている。端から見れば,道着の上から水を浴びせられたものだと見られてしまう。


 でも,それは母乳が滲み出たものだ。いくらサラシを巻いたところで,サラシがびしょびしょになって,服に移るだけの話だ。

 

 モモカが出場する雑役係の選手は,呪符のレベルがせいぜい3品程度だ。2品から3品の威圧呪符,もしくは,強化呪符を使うのが基本技だ。だから,呪符については,さほど気にしなくていい。それよりも,武術の腕前がどうかだ。空手,合気道,剣術などで有段者以上の実力者揃いなので,中にはとてつもなく強者がいる可能性がある。


 モモカは,この大会で宗主に会わなければならない。そのためにも,優勝するのが条件だ。かつ,夏江から自分がモモカであるとバレないようにしなくてはならない。でも,バレたらバレたで夏江を殺すだけだ。気にしてもしょうがない。


 試合はどんどんと進行していった。男性で負けた者には,参加賞という褒美がある。だから,負けたとしても悲壮感はまったくない。


 試合に負けたある男性選手は,参加賞の部屋に入った。そこには,ちょうど股間の高さ部分に直径10cmほどの穴が開いてある。そこに逸物を押し込むだけだ。目のあたりは半透明のガラスが張ってある。そこから壁の向こうに,全裸の少女がいるのがわかる。顔まではぼけてわからないが,明らかに14,15歳くらいの少女だ。


 その少女は,壁穴から出てきた逸物に,薬用石鹸できれいに洗ってから,両手で2,3分しごいた。それで射精するならそれまでのことだ。その選手は,それでは射精しなかった。そこで,今度は,口を使ってしごいていった。逸物全体に揮発性のローションを塗っているので,刺激が何倍にも増した。


 9割以上の男性なら,これで射精してしまう。それでも,射精しない場合,避妊具をつけて,膣による性行為となる。幸い,この男性の場合,最後の性行為までこぎつけて射精しることに成功した。もっとも,時間の制限があり,最長15分までだ。もっとも,その時間があれば,射精するには十分だ。


 試合で負けた女性選手の参加賞は,男性を自由にしていいという褒美だ。


 ある女性選手は,全裸の状態で目隠とサルグワされて,両手両足が大の字に縛り上げられている若い男性を見て,いったい,どうやってもて遊んだらいいのか分からなかった。とりあえず,男性の勃起していない逸物を触ってみた。すると,ムクムクと元気になった。


 「キャッ!」


 その女性は小さい悲鳴を上げた。


 「なんて汚らしい!!」


 彼女は,その部屋に置かれてある鞭をとって,その勃起した逸物に向かって,叩きつけた。


 その男性は,悲鳴ともつかないうめき声をあげた。だが,猿ぐつわのせいで,ちゃんとした声にならない。


 その叩く行為に気をよくして,胸,お尻,腕,足などをどんどんと叩いていった。


 女性選手の場合,人数が少ないので,30分間の時間が与えられている。彼女は,その30分間,その男性の体全体を鞭で打ち続けた。


 「あーー,すっきりした。こんなにすっきりしたことないわ。お礼に,あなたの逸物,しごいてあげるね。射精したいんでしょう?」


 その女性は,鞭打って気分爽快になった報酬として,その男性の逸物をしごいた。するとその逸物はビンビンに膨張した。その女性は,どうしようかと考えたが,思い切って口で逸物を咥えてあげることにした。だって,全身真っ赤になってしまったので,ちょっと,罪悪感を感じてしまったからだ。


 かくして,その男性は,彼女の口の中で射精した。


 その男性,ミツルなのだが,いくら射精ができるとはいえ,こんな状態でリンチを受けるとは思ってもみなかった。でも,これも,機関銃から生還したモモカからの命令だと聞かされて,甘んじて第1師範の命令に従うことにした。だって,ミツルはモモカの奴隷なのだから,,,


 モモカは,順調に試合に勝っていった。Mカップの片方で4kgにもなる重いおっぱいがあるとはいえ,霊力による加速技を要所要所で使うことで,対戦相手の空手技や呪符攻撃をうまく躱して,場外に追いやるという戦術だ。


 その加速技が,あまり早いので,『快速の巨乳ボタン』というあだ名までつけられてしまった。二重の眼が超かわいく,Kカップの巨乳で,なぜか道着がびしょびしょで,第1師範によって推薦入学した『快速の巨乳ボタン』は皆の注目を浴びた。


 とうとう雑役係のトーナメント戦で,決勝戦の試合になった。


 決勝戦の相手は,空手6段のミレンだ。これまで,呪符を使ったことはない。もちろん,呪符は使えるだが,使うまでもなく,空手6段としての優れた空手技によって勝ち進んできた。真に優秀な武道家は,変な補助道具など必要がないのかもしれない。


 モモカとミレンの試合が始まった。


 ミレンの,その優れた攻撃技は,鋭利で非常に早いものだのだが,残念ながら,ことごとくモモカの加速の前に躱されてしまった。


 ミレン「さすがだな。『快速の巨乳ボタン』に恥じない回避技だ。今のわたしの技量では追いつくことは無理だ」


 ミレンはそう言って,懐から呪符を2枚取り出した。そして,両足にその呪符を展開させた。それは,高価な5品の強化呪符だ。雑用係で5品の呪符を入手するのは大変稀だ。何んらかの奉仕活動で,優れた功績をあげて入手したものに違いない。


 ミレンにとって,今することができる最速の2倍速による攻撃が可能となる。


 モモカは,それを見てニヤッと微笑んだ。今のモモカは,加速2倍どころか,5倍速だって可能だ。しかも,肉体改造を受けているので,短時間ならば,常人の20倍速にまで相当してしまう。


 でも,霊力で2倍速以上の霊力を流しすことに躊躇った。霊力を観ることができるものなら,すぐに,モモカが霊力使いだとバレてしまうかもしれない。まだ2倍速程度の霊力ならごくわずかでいいので,バレる可能性は低いと’の判断だ。


 できることなら,このまま2倍程度のわずかな霊力の行使で済ましたい。


 ミレンが2倍速による強化呪符を使ったとなると,果たして,今の2倍速のままで躱せ続けることができるのか?


 モモカは2倍速のままでいくことにした。というのも,この状況において勝機を見いだしたからだ。


 モモカは,母乳によってびしょびしょになった道着の端を握った。


 その行為によって,道着から絞り出された母乳がズボンを通して地面にゆっくりと貯まっていった。


 試合場の地面は乳白色だ。ちょうど母乳と同じような色だ。そのため,モモカの足元に母乳が貯まっていったのに,そのことにミレンは気づくことができなかった。


 ミレンは,2倍速になったのを確認するかのように,足の屈伸運動や,小刻みなジャンプをした。


 その時間のロスが,ミレンにとっては不幸だった。


 2倍速の動作確認をしたあと,彼は,自己最速の行動にでた。


 それは,モモカに向かっての特攻による掌打だ。


 シューー!


 その動作は,さすがに速く,モモカの2倍速でも,ぎりぎり躱せるかどうかだった。


 モモカは,一歩引き下がって,体をよじった。だが,ミレンの掌打は,確実にモモカの胸元を襲った。掌打による手の平は,モモカの道着に対して,45度の角度でヒットした。その角度ではモモカの肉体にはダメージを与えないと悟った彼は,掌打の形を諦めて,手の平に触った道着を掴むことにした。


 このことによって,モモカを自分に引き寄せて,さらなる攻撃技に移るためだ。


 だが,モモカは,瞬時に道着を着続けることを諦めた。


 とっさに,体を反転させて,上着を帯びから外した。その結果,上着はモモカの体からすっぽりと外れた。


 それを知ったミレンは,自分の向きを45度に変えようとして,左足で地面を思いっきり蹴った。


 だが,,,,


 彼の左足はすでにモモカの母乳でビショビショだった。母乳には石鹸の成分になる乳化作用がある。つまり,摩擦をより少なくさせる作用だ。


 彼の左足は,地面を蹴ったものの,その効果むなしく,向きを変えることができずに,その勢いのまま股裂き状態になって,転倒していまい,アイスバーンで車がスリップするかのように,場外に出てしまった。


 彼の手には,しっかりとモモカの道着を握っていた。


 試合場には,道着の上着が脱がされて,しかも,サラシまでもが半分以上ズレてしまい,慌てて片方だけで4kgもの重さになる2つのおっぱいを両手で隠すモモカがいた。


 いくら両手で隠すといっても,2つの張りのあるMカップのおっぱいから形成された大きな谷間がはっきりと見れてとれた。


 「おおおーー!!」

 「みごとなおっぱいだ!」

 「吸いてーー」

 「床の液体って,母乳じゃねえのか?」

 「あっ,そうだ!確かに白っぽいぞ!!」


 などなど,門弟たちの感想が聞こえた。


 この試合を観戦していた夏江は,ボタンという女性に興味を持った。体つきがモモカにそっくりだからだ。


 でも,その体には,銃撃された跡がまったくない。いくらモモカでも,こんな短期間に銃撃の穴がきれいに塞がることはないと思った。しかも,顔つきがちょっと違う。でも,そのその程度の違いなら,いくらでも化粧術で誤魔化せるレベルだと思った。


 それに,今の夏江は,霊力をしっかりと認識できる。モモカは2倍速を行うとき,わずかながら霊力を流しているのをしっかりと見て取れた。


 モモカが2倍速程度の霊力なら見破られないだろうと思ったのは大きな間違いだった。今の夏江のオーラ認識能力と霊能力は天下一品だ。霊力だって,確実に認識されてしまう。


 モモカは夏江に対しての認識があまった。


 夏江は,ボタンがモモカだと確信したものの,すぐに接触することを控えた。もしボタンがほんとうにモモカであるなら,いずれ尻尾を出すはすだ。それに,モモカだとバラしてしまうと自分の身が危ない。


 もし,モモカと戦うことになれば,メリルの指輪に宿す美澪頼りだ。美澪が扱う霊力のレベルがどれほどのものかよくわかっていないが,機関銃攻撃にも耐えたモモカの霊力には劣るのは間違いない。


 夏江は念話で美澪に尋ねた。


 夏江『美澪,あの選手はモモカよ。どう?もし,モモカと戦うことになれば,彼女に勝てそう?』

 美澪『試合を見ただけではよくわからないわ。でも,彼女は加速を使えるわ。つまり,夏江はどうがんばってもモモカには勝てないわ』

 夏江『勝てなくてもいいのよ。負けなければいいの。防御だけに専念すれば,モモカの攻撃を阻止できそう?』

 美澪『そうね,,,安全をみて防御層を5重くらいに展開して,それでも足りなければ,さらに防御層を追加していけばなんとかなると思うわ。幸い,精子風呂のおかげで,霊力はたんまりと貯まっているからね。霊力の総量なら,ぜったいにモモカに負けないわ』

 夏江『なるほどね。じゃあ,仮にモモカと接触するようなことがあっても,殺されることはないのね?』

 美澪『それは大丈夫だと思う。硬度が不十分でも,霊力の絶対量が多いから,いくらでも分厚い防御層を構築できるわ』

 夏江『それを聞いて安心したわ』

 美澪『じゃあ,また精子風呂の手配,お願いね♥』

 夏江『・・・』


 

 雑用係のトーナメント戦が終了し,今度は外弟子による試合だ。流石に外弟子ともなると,より高度な呪符を使うので,試合の流れは,自らの武術に頼るよりも,呪符の威力に頼る試合に変質したものになった。


 3品もしくは4品の呪符の使用が中心だが,中には高価な5品の呪符を使う選手も少なからずいた。試合の中心は,やはり強化呪符を自分にほどこして,加速による攻撃技が中心だ。威圧呪符を相手に放出するという技は,素人相手なら有効なのだが,熟練者相手となるとそうもいかない。


 優勝戦では,紙の呪符ではなく,ブレスレットに呪符を施した7品呪符や,指輪に呪符を施した8品呪符まで繰り出された。そのため,加速が3倍速や4倍速にまで達するほどの高レベルの試合となった。


 すでに外弟子同士の試合というレベルではなく,内弟子もしくは直弟子のレベルだ。


 その試合のレベルは,超人同士が試合をするという,不思議な感覚を覚えるほどだ。


 外弟子のトーナメント戦が終了した。本来なら,内弟子や直弟子を対象にした試合が行われるのだが,今回は行わない。この大会の目的が雑用係や外弟子たちの虚道宗への引き留めのための大会だからだ。


 そのため,虚道宗を辞める可能性のない内弟子や直弟子には,わざわざ試合をさせて参加賞や褒美を与えるようなことはしない。だって,普段からそのような褒美をことあるごとに享受できる環境にあるからだ。


 さて,ゲストの夏江の出番だ。

 

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