41 精子風呂

 虚道宗の武術大会に招待されている夏江は,そのための準備も含めて,休暇を1週間ほど取ることにした。大量殺人鬼のモモカが射殺されたこと,さらに偽のメリルの指輪もコンクリート詰めにされて遠洋の海域に廃棄されたことから,急ぐ仕事がないのも幸いした。


 今,夏江がすべきことは,自分とメリルの指輪のレベルアップだ。モモカが生きている可能性が高いため,万一,モモカとのバトルになっても,モモカを圧倒するくらいの実力をつけたい。そこまでは無理だとしても,せめて同等レベルの力を身につけたいところだ。


 休暇を取った初日,夏江のマンションに,次から次へと大量のバケツが持ち込まれた。その中身は,娼館街の女ボスにお願いしていた使い古しのコンドームの山だ。バケツの量は40杯分にもなってしまった。

 

 夏江はそれを見て,げんなりした。これから,健康な精子だけを選んで貯めていき,『精子風呂』を準備する作業が始まる。


 果たして,何時間,いや,何日かかるのやら,,,,


 作業を始めて2日間の夜,やっとバケツ5枚分の精子を確保することができた。外はすでに真っ暗だ。時計を見ると夜の11時だ。


 眠気を抑えて,夏江はそれらの精子をバスタブの中に入れた。


 夏江は,精子の仕分け中は,防臭マスクをしていたので,精子の匂いに気がつかなかった。今,『精子風呂』が完成して,防臭マスクを外してみると,その強烈な臭いに鼻が曲がりそうになった。しかも,目もチクチクして痛みを感じる。明らかに酸性の刺激臭が発散されているようだ。


 夏江に『精子風呂』に入らないという選択肢はもうない。水中メガネと防臭マスクをつけてから,全裸になって,その『精子風呂』につかった。


 その時,メリルの指輪に閉じ込めれた美澪から念話がきた。


 美澪『ねえ,夏江,この精子風呂,全部,わたしが吸収していいの?』

 夏江『バカね,これ,わたしのために準備したのよ。美澪のためじゃないわ』

 美澪『じゃあ,7対3の割合でいいわ。もちろん,わたしが7よ』

 夏江『なに言っているのよ!わたしが7よ!』


 そんなやりとりをして,結局は5対5の半分とした。


 メリルの指輪は,精子風呂の精子の半分をその指輪の亜空間に吸収しようとしたもも,亜空間の大きさはリュックサック程度の広さしなかい。そのため,少し吸収しては,霊力に変換するという作業になった。


 夏江は,バスタブの中で横になり,片方で1kgもの重さになったGカップのおっぱい全体を精子につかるようにした。夏江のおっぱいは,相変わらず赤あざと青あざだらけだ。


 しばらくつかっていると,おっぱいの赤あざや青あざが薄らいだように感じた。


 夏江「え?精子風呂って,癒やしの効果があるの?」


 夏江は,誰にいうでもなく,ひとりごとを言った。その言葉に美澪が返答した。


 美澪『もちろんあるわよ。精子って卵子と同じく生命の源なのよ。癒やしの効果があるのは当然よ。ただ,誰も,こんな馬鹿げた『精子風呂』をするような気狂いはいないから,知られていないだけなのよ』

 夏江『気狂い,,,わたしって,気狂いだったのね?!!』

 美澪『・・・』


 当然ながら,そんな事実を美澪が知るわけもない。でも,本人が強く信じることで,自己回復力が異様に高まることはよくある話だ。美澪は知ったかぶりして,精子風呂に優れた癒やしの効果があることを強調した。


 夏江は,全身を精子風呂につかりながら,美澪に言った。


 夏江『美澪,子宮から精子の精気を吸収させたいのよ。どうすればいい?』

 美澪『じゃあ,わたしが霊力で触手を構築してみるわ。男性の性器と同じようなものにしてあげるわ。しかも,触手にデコボコの突起物も作ってあげる。ふふふ。いいでしょう?』

 夏江『え?それって,触手でわたしの膣を攻撃するってこと?』

 美澪『当然よ。この精子風呂の中で,絶頂を感じれば,子宮の働きも最高潮になるわよ。夏江の子宮は,精子から精気を吸収する能力に目覚めたのよ。もう,夏江は普通の人間ではないのよ。化け物になったのよ』

 夏江『わたし,,,気狂いで,しかも,化け物なのね,,,』

 美澪『・・・』


 美澪は,慰めの言葉を言った。


 美澪『実は,もともと子宮には精子から精気を吸収する能力を持っているのよ。ただ,その能力が高いか低いだけの違いなのよ。たまたま,夏江の場合,霊能力に目覚めたのに連動して,子宮から精気を奪う能力が異常に発達してしまっただけよ。しかも,その能力は,霊能力のレベルが上がるのに比例して,さらに強力になってしまったのよ。ふふふ,,,わたしとの双修による成果なんだけね』


 美澪の『双修』という言葉に,夏江はちょっと顔を赤くした。

 

 夏江『もう,どうでもいいわ。とにかく,わたしは霊能力のレベルアップをしたいの。霊体離脱時間を2時間,いや3時間以上に引き延ばして,さらに,霊体の移動距離も,何kmも遠くに移動させるだけのパワーを身につけたいの。それくらいできて,始めて,実用レベルになるとい思うの』

 美澪『おーけーー! じゃあ,触手を構築して,夏江に愛撫してあげる!』


 夏江のしている指輪から直径7cmにもなる男性器を模した触手が放出された。その触手は,夏江の胴体をグルグルと巻いて,しかもおっぱい部分に絡みつき,さらに股間へと移動して,膣の中へと,グイグイと追い込んでいった。


 夏江「え?あっ,ああーー」


 その行為に夏江は誰かに抱きつきたくなった。多留真がいればいいのだが,今は誰もない。宙ぶらりんになった両手は,自分のGカップのおっぱいを握ろうとした。でも,そのおっぱいはすでに透明の触手が絡んでいる。やむなく,自分の乳首を強く引っ張ることで,強烈な愛欲の衝動を緩衝しようとした。


 ドンドンドンドン!


 膣の奥にまで達した触手は,さらにその奥まで差し込んでいき,直接,子宮の中にまで達した。そして,そこで大量の精子を,ピンストン運動に合わせるかのように放出していった。


 ドバーー!ドバー!ドバーー!

 

 夏江の子宮の中に,どんどんと精子が注入されていった。その量は,1kg,2kg,3kg,,,,5kg,,,10kg,,,


 夏江のお腹は,臨月を迎えるほど大きなお腹に膨れあがってしまった。


 夏江『いやーーーー!! やめてーーー!!,あああーーー』


 夏江は,触手によるピストン運動で,すでに絶頂に達してしまった。その衝撃は,膣だけでなく,子宮全体にまで波及し,さらに,全身の痙攣へと導き,夏江を強烈な海老反り状態へと誘った。


 それに伴って,子宮に溜まった精子から精気を効率よく吸収していった。臨月を迎えるほどのお腹は30分もすると半分にまで凹んでしまい,1時間後にはすっかりと元の状態に戻っていった。


 夏江の体の変化は,それだけではない。癒やしの効果を発揮している精子風呂は,夏江のおっぱいに出来た赤あざや青あざを完全に治療して消滅させた。それにともなって,Gカップのおっぱいは,片方だけで2kgにもなるIカップのおっぱいにまで大きくなった。


 さらに,乳首から母乳がどんどんと出てしまう始末だ。美澪は,さらに2本の触手を構築して,乳首部分を覆うようにして,放出される母乳を吸収していった。この母乳も,精子ほど高密度ではないものの,霊力の材料になりえる。


 こんなことをしている時,バスルームのドアが開いた。ドアの向こうには多留真がいた。


 多留真は,部屋中に充満している強烈な匂いに,クラクラとめまいがして,一瞬,気を失った。


 夏江は,多留真が気を失ったのをいいことに,メリルの指輪を多留真の眉間に接触させて,多留真の意識を美澪に憑依させた。


 厳密には憑依ではない。今の美澪には憑依能力を持たない。メリルの指輪に閉じ込められてしまったからだ。美澪ができることは,霊力を多留真の霊体に貼り付けさせて,そこから強烈なメッセージを送ることで,多留真の体を支配させることだ。


 実質,憑依とあまり変わりはないのだが,美澪が外界を見ることはできない。でも,メリルの指輪から霊力の帯を繰り出して,周囲をスキャンすることで,周囲を認知可能だ。


 美澪によって精神支配された多留真は,全裸になって,精子風呂の中に入った。そして,その場で夏江を四つん這いにさせて,背後から犯し始めた。


 夏江『え?美澪,ちょっと,この場でエッチするの?防塵マスクも水中メガネも外れてしまうわ。下手すれば,多留真もわたしも,窒息してしまうわよ』

 美澪『大丈夫よ。換気扇を回せばね』


 多留真の体を支配した美澪は,きれいなIカップになった夏江の体を犯すことに眼がくらんだ。美澪はすでに男としての精神構造になっていた。豊富な霊力が使え,かつ,ほぼ自由に行使できることから,ますます夏江を虐めたくなった。この精子風呂なら,癒やしの効果がある。さらに,夏江のおっぱいを虐待しても,すぐに回復するはずだ。


 多留真の体で,夏江をバックから犯し続け,かつ,メリルの指輪から,今度は,鋭利な透明な針状の触手を10本も取りだした。


 透明といっても,それは霊力を認識できない人の場合だ。今の夏江は,はっきりと霊力を認識できる。


 多留真の逸物によって犯されながら,夏江はメリルの指輪から鋭利な針が何本も繰り出されるのを見た。


 夏江『え?美澪!ちょっと,その針は何なのよ!!』

 美澪『もちろん,夏江のおっぱいを串刺しにするためよ。指輪の中の記憶が,そうしなさいって言っているのよ!』

 

 夏江は,美澪がメリルの指輪に支配されているのではないかと疑った。


 グサッ!グサッ!グサッ!ーーー


 夏江のIカップものおっぱいは,何本もの霊力による針によって串刺し状態にされた。しかも,乳首まで刺されてしまう始末だ。


 夏江「ギャーーーーー-!!」


 これまで絶頂を感じていたが,その絶頂よりも,さらに高次元の絶頂があることに目覚めた。おっぱいを串刺しされる痛みが,至高の快感となって,超絶絶頂を感じてしまった。


 多留真に犯され続けた状態で,全身がさらに海老反りになってしまい,多留真の胸元やニヤニヤした多留真の嫌らしい顔まで見ることができた。


 この時,,,,夏江の霊体が肉体から飛ばされた!!


 夏江「え?あれ?なんで,わたし,ここにいるの?」


 夏江は,無意識に霊体離脱したことを知った。彼女は意識して霊体離脱することができるのだが,無意識にこのような状態になることはほとんどない。


 彼女は,超絶絶頂を感じてしまうことで,『無意識』に霊体離脱するのではないかと思った。肉体から離れた霊体だけの夏江には,もう絶頂という快楽の感覚は消滅していた。ただ,もの静かな,かつ,すがすがしい気持ちだった。


 夏江の体は,今は主人のいない状態で快楽を感じている。相変わらず全身痙攣しつづけていた。


 霊体離脱した夏江は,せっかくこの状態になったので,何kmまで遠くに移動できるかを確認することにした。


 1km,2km,,,,10km,,,


 なんと,10kmもの距離を,ほぼ一瞬で移動することができるようになった。しかも,まだまだこの状態を持続させるパワーがある。つまり『魂力』が豊富にあることを意味する。


 この状態をどれだけの時間維持させることができるかも確認したかったが,夏江の体は多留真とメリルの指輪に侵されている最中だ。この場は,すぐに体に戻るべきだと判断した。だって,最高レベルの快楽をもっと感じたかったからだ。


 スーー-!!


 夏江の霊体は自分の体に戻った。相変わらず,夏江は多留真によって犯されていて,おっぱいがさらに多くの針で串刺しされていた。


 その後,針が少しずつ抜かれていき,ボロボロ状態になった。出血はしなかった。霊力によって出血をおさていた。


 そのおっぱいは,ふたたび精子風呂の中につかった。


 その状態でも,多留真の体はまるでセックスマシーンのように継続的にピストン運動を繰りかえしていた。すでにその行為は数時間にも及んだ。


 夏江は,その刺激を半眠状態で楽しんだ。


 夏江のおっぱいは,徐々に回復していき,完全にもとのきれいなおっぱいにまでなった。


 果たして精子風呂には,夏江が強く信じると信じまいと関係なく,優れた癒やしの効果のあることが実証された。


 しかも,Iカップだったおっぱいは,とうとう,片方で3kgにもなるKカップのおっぱいにまで大きくなってしまった。乳首も太さと長さが6cmにもなってしまった。


 夏江は,自分の体がいったいどうなってしまうのかと,一瞬,不安になってしまった。


 この時,夏江は肛門の中に異物が挿入されるのを感じた。それは多留真の逸物だった。しかも,メリルの指輪から放出された触手が膣の中に挿入されて,ふたたび子宮の中に精子を注入し始めた。


 夏江は,ふたたび臨月を迎えるような大きなお腹になってしまった。さらにKカップになったおっぱいにも,再度霊力の針が刺さっていった。そしてお尻にも,,,


 美澪『夏江,ごめんね。でも,メリルの指輪が『精子風呂』の効能が切れるまで,繰り返しなさいって命じるのよ』

 夏江『・・・』


 夏江は,『メリルの指輪に支配されてしまったの?』と文句を言いたかったが,痛みによる不思議な快楽が全身を襲い,何も考えられなくなっていた。


 夏江は,この一連の快楽の循環をさらに2回も繰り返すはめになってしまった。


 その結果,夏江のおっぱいは,片方だけで5kgにもなるOカップにまでなってしまった。しかも,乳首の太さと長さは10cmにもなった。すでもに,乳首からでも男性の性器を包み込むことができるほどだ。


 事実,多留真は,肛門への攻撃から乳首への攻撃に移っていた。夏江の乳首の先端部分が陥没して,しっかりと多留真の逸物を包み込むことができた。包み込みながらでも,母乳がどんどんと溢れ出た。


 夏江のお尻も針によって破壊され,精子風呂で回復するという事を2回も続けた結果,お尻周りが1m20cmにもなってしまった。


 その頃には,バスタブの中の精子が薄褐色に変色してしまい,精子から発する精気が失われた。


 バタン!


 セックスマシーンに変えられた多留真は,体力の限界がきて,その場で倒れるように眠った。


 これでは,日中,多留真は仕事ができないと思って,多留真が仕事を休む旨を,夏江が警視庁に報告しておいた。


 夏江は,自分がなぜこんな体に変えられたのか美澪に聞いた。


 美澪『なぜこんな体にされたのかですって? 単純なことよ。指輪の命令よ。つまり,男どもから精子を奪うためのセクシーな体になるためよ』

 夏江『・・・』


 夏江は,娼婦になりたいわけでないし,不特定の男どもとセックスをしたいわけでもない。


 夏江がしたいこと,それは,通常の捜査では解決できない事件を解決したいということだ。そのために,わざわざ超現象調査室に転属した。


 そして,夢にまで見た霊能力を目覚めさせた。


 でも,メリルの指輪のパワーを借りて,霊能力を強くしてしまうと,おっぱいとお尻も大きくなってしまうという副作用があるのを初めて知った。

 

 肉体があまりに肉感すぎる体つきになった夏江は,予定通り,虚道宗の武術大会に出席すべく,北海道へと向かった。



----


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る