39 ボタンの催淫術
名前をボタンに変えて生きていくことにしたモモカは,数日,祭壇のところで過ごし,初級レベルの回復魔法を基呪符に施すことに成功した。魔法陣をそのまま埋め込めば簡単なのだが,そんなことをすると,魔法だとバレてしまう。それはモモカが生きている証拠にもなりかねない。それは避けなければならない。
実際に初級レベルの回復魔法を展開中の魔力をそのまま基呪符に注ぐことで,その一部の魔力が基呪符の中に閉じこめられることがわかった。効率の非常に悪い方法だ。1万円で千円を買うようなものだ。
でも,まあ,もともと魔力が無料で使えるので良しとした。
モモカは,テレビ報道から連続大量殺人犯のモモカが射殺されたという報道が何度もされていることをニヤニヤしながら見た。彼女は,これからは,もっと慎重になって殺人行為をすべきだと思った。今後,事件現場でモモカの指紋や遺伝子情報が残っていたら,それこそ大変なことになる。次は機関銃攻撃ではすまいはずだ。
今,モモカには下僕2人と協力者が1人いる。剣術使いのハマルと呪符使いのオミレだ。それと,モモカに協力的な第1師範だ。
ハマルの仕事はモモカとの剣術の練習相手だ。今後,敵を倒す上で,剣術のレベルアップは必須だと考えた。ただ,片方のおっぱいが4kgにもなってしまうMカップのおっぱいがどうしても運動の妨げになってしまう。そのため,モモカは腕を使うのを止めて,霊力で銀色に色付した刃を用いてハマルと稽古をつけることにした。
オミレの仕事は精子集めだ。少養棟で監禁されている少女を犯す男連中にコンドームをつけてもらって,そのコンドームを回収する。
オミレの頑張りによって,モモカはこの祭壇の場所に居座ることで,豊富な魔力と霊力をたんまりと蓄えることが可能となる。
モモカに協力的な第1師範のナビレは年齢不詳だ。でも,どうやら子供が数人いて,すでに成人しているようなことを言っていた。このことから少なくとも40歳を越えているのは間違いない。でもその裸体から17,18歳と言っても誰も疑うものはいないはずだ。
モモカは,当初の目的である宗主暗殺のことを思い出した。そこで宗主に近づく方法をナビレに聞いた。
モモカ「ナビレさん,あの,宗主に会いたいのですが,紹介していただけますか?」
ナビレ「宗主?なんで会いたいの?」
この質問にさすがに宗主暗殺とは言えなかった。
モモカ「宗主の娘さんから大事な伝言を預かっているんです。直接,宗主に会って伝える必要があるんです」
このモモカの言葉に,ナビレは明らかにウソだと思った。なんせ,モモカは大量殺人犯だ。彼女は,モモカの『会いたい』という意味を『殺したい』という意味に理解した。
ナビレ「ふふふ,宗主に会いたい?それって,宗主を殺したいの間違いじゃないの?」
モモカ「・・・」
ナビレの鋭い言い返しにちょっとビックリしたが,でも,これまでのモモカの言動からすれば,簡単にわかることだ。
ナビレ「その沈黙って,黙認という意味かな? 宗主が死のうが死ぬまいがどうでもいいけど,でも,そう簡単には会わせられないわ」
モモカ「じゃあ,どうすれば会わせてくれますか?」
ナビレ「そうね,,,かわいい男の子をわたしにあてがってちょうだい。年齢はあなたと同じくらいのね?」
その要望に,モモカはすぐにミツルを思い出した。
モモカ「え?そんなことでいいの?わたしの言いなりになる男の子が1人いるわ。ミツルっていう子よ。殺すなり煮るなり好きにしていいわ」
ナビレにとっては,男などいくらでも掃いて捨てるほど入手できる。でも,自由に体をいじくることができる男の子を得るのはさすがに難しい。犯罪行為になってしまうからだ。
ナビレは冗談半分で言ったつもりだが,まさかほんとうに男の子を手に入れることが’できるとは思ってもみなかった。
モモカはミツルをナビレに売った。ミツルの電話番号をナビレに渡した。ナビレにとって,その電話番号だけで充分だ。ナビレの声で相手を虜にすることなど手の平を裏返すことくらい容易なことだ。
ニコニコしながらナビレはミツルの電話番号を手に入れた。
ナビレ「OK,これでいいわ。宗主に会う方法だったわね。1週間後に虚道宗で開催される武術大会があるわ。そこで優勝すれば,宗主にお願いごとを頼めるのよ。宗主と会ういいチャンスだと思わない?」
モモカ「試合?でも,試合って呪符を使うのでしょう?わたし,そんなの使えないわ」
ナビレ「大丈夫よ。呪符を手に持って,使っている振りをすればいいだけよ。それに試合に出る選手はせいぜい5品程度の呪符しか使わないわ。加速ができても,せいぜい2倍束程度よ。それに,武道有段者といっても,ボタンの敵ではないはずでしょう?」
モモカ「そうね,,,試合で木刀は使えるの?」
ナビレ「木刀と言っても,竹刀の表面に薄いラバーを巻いているものよ。素手で受けても,怪我しないようにね」
モモカ「じゃあ,その大会に出てみようかな?」
かくして,モモカは,ブラジャーをつけずに,胸元を大きく開けたタンクトップを着て,Mカップものおっぱいを左右前後に揺らしながら,長さ60cm程度の短めの竹刀を右手に持って,ハマルと稽古をすることにした。
おっぱいを揺らすことで,対戦相手をおっぱいに見入らせて,戦闘力を大幅に防ぐのが狙いだ。どうしたら,相手をおっぱいの上下左右の振動で悩殺させることができるか,それも大事な戦術だ。
練習相手になるハマルは,たまったものではない。すでにあそこがビンビンになってしまった。稽古の合間にハマルはモモカにお願いした。
ハマル「モモカ様,いや,ボタン様,あの,,,ちょっとでいいので,そのおっぱいを吸わせてくれませんか? 吸いながら自慰させてください」
モモカの体は,兄のセイジのものだ。そうやすやすと他人に与えることはできない。与える時は,相手が死ぬ時だと決めている。
モモカ「死にたいなら,吸わせてあげるわよ」
ハマル「・・・」
ハマルは,譲歩した提案をした。
ハマル「では,せめて,そのおっぱいを見せてくだい。そして,乳首から豊富に出る母乳を自分で吸ってください。その服はもう母乳でべちょべちょでしょう?」
モモカのおっぱいは,Mカップになってから,さらに母乳がよく出るようになった。特に,最近は精子が豊富に手に入ることから,ますます顕著になった。
モモカは,おっぱいの悩殺攻撃をするよりも,いっそ,第1師範のナビレから,催淫術を習得するほうが手っ取り早く男どもを倒すことができるのではないかと考えた。そこで,モモカがナビレに催淫術を習いたいとお願いすると,ナビレから条件が出された。
ナビレ「わたしの催淫術は,20年もかけて修得したものよ。おいそれとは教えられないわ。それなりの見返りを提示してちょうだい」
今のモモカにそれに引き合うものを提示するのは困難だ。すでにミツルを差し出してしまった。そこで次のような提案をした。
モモカ「それに引き合うものは何もないわ。でも,ナビレさんのためになんでもするわ。殺人でもなんでもするわ」
このことを聞いて,ナビレはどうするかちょっと迷った。まずは,もっとモモカのことを知る必要があると思った。
ナビレ「あなたには仲間がいるの?それとも単独で行動しているの?」
モモカ「わたしは,ある方のシモベよ。その仕事の一環でここに来ているの。でも,時間的に余裕があるから,その合間にナビレさんの頼まれ事はできるわ。どう?」
ナビレは,ちょっと考えてから返事した。
ナビレ「そうね,今すぐではないけど,その時になったらお願いごとを聞いてちょうだい」
モモカ「了解でーす。なんでもしまーす」
モモカは上機嫌だった。頼まれ事と言ったって,せいぜい簡単な殺人くらいだろうと思った。
それからの日々は,ナビレからの催淫術の伝授をしてもらう日々だ。それは,すなわち,ナビレとの逢瀬の日々だった。
ナビレ「催淫術って,いつでも最高レベルの愛液を出せるようにすることよ。相手をこの上なく愛し,かつ,自分も最高レベルの絶頂に達して,初めて最高の愛液,つまり最強の女性フェロモンが放出されるのよ。そして,それを強化呪符によって,何倍にも増強させるの」
モモカ「ということは,平静を保ちつつ,最強の女性フェロモンを股間から放出させるってことなの?」
ナビレ「そうよ。それも,いつ何時でも放出できるようにすること!まず,手始めに,わたしと肌と肌を合わせて,最高レベルの絶頂とは何かを体験することから始めましょう」
かくして,モモカはナビレの催淫術に染まって,かつ,ナビレの愛撫によって,これまでに感じたことのない快楽を味わうことになった。
しかし,,,数日後,ナビレは違和感を感じた。その違和感を率直にモモカに聞いた。
ナビレ「あなたの,その,,,膣って,どうなっているの?わたしの指を何度も差し込んでいるけど,どうやら,ほんとうの意味で絶頂には達していないようだわ。愛液も出ているようだけど,でも,ぜんぜん女性フェロモンが含まれていないわ」
モモカ「・・・」
モモカはちょっとだけ膣の秘密を暴露することにした。
モモカ「わたしの膣って,指輪の能力を受け継いでいるの。その場所は,別の空間に繋がっているのよ。だがら,わたし,今でも処女なの」
モモカの告白に,ナビレは思わず大きな口を両手で塞いだ。そして,なんどか深い呼吸をした。
ナビレ「それって,永遠にそうなの?」
モモカ「1ヶ月くらいで消滅するらしいわ」
ナビレは,気を取り直して言った。
ナビレ「あなた,残念だけど,わたしの催淫術を習得するのは無理ね。膣から女性フェロモンが出ないことにはどうしようもないわ」
モモカ「・・・」
モモカの催淫術習得の夢は,こうして破れてしまった。
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