27 虚道宗と特罰

 モモカは,幸いにも,11体の肝臓を入手していたので,魔力をある程度蓄えることができた。回復魔法1回分くらい何の問題もない。


 絶頂を味わったあとのモモカは冷静だった。逸物が切断されたミルミを説得する方法を,色仕掛けから取り引きへと方針を変更した。


 モモカ「せんぱい,わたしの言う通りにしてくれたら,あそこを止血してあげるし,完全に回復させることだってできるのよ。どうしますか?」


 この状況では,モモカの言う通りにするしかなった。


 ミルミ「わかった,わかった。なんでも言う通りにする。だから,すぐに止血して,あそこを元に戻してくれ」

 モモカ「ほんとうですよ。ウソついたら,すぐに殺しますよ。いいですね?」

 ミルミ「ほんとうだ!天地天命に誓ってモモカの言う通りにする!!」

 モモカ「では,治してあげましょう」


 モモカは,膣の中から,ゆっくりと切断された逸物を取りだした。すでに半分ほど膣から出ていた。局所亜空間魔法陣は,異物を外に吐き出す機能を持つ。


 モモカをそれをミルミの股間の部分にうまく接触させて,その部分を左手でやさしく触っていった。


 ホァーーー!!


 逸物の接合など,中級レベルの回復魔法で容易で治癒できるものだった。ものの20分もしないうちに,ミルミの股間は,完全に元の状態に完治された。


 これには,ミルミが驚いた。


 ミルミ「お前,,,これって,何だ?お前,,,神様か?それとも仏様か?」

 モモカ「いいえ,せんぱいが推薦する門弟ですよ。わたし,せんぱいの性奴隷にだってなってあげるわ。どう?外傷を治せる異能を持つせんぱいの性奴隷ですよ。 ふふふ,せんぱいって,なんて幸せ者なんでしょう!!」

 ミルミ「・・・」


 ミルミは,「膣が,男性自身を切断させるほどのパワーがあるなど,魔女か悪魔だ!」と言いたかった。でも,言えるわけがない。

 

 ミルミ「そうだな,,,俺は,,,とても幸せ者だ。お前は,俺の性奴隷になるんだぞ?」

 モモカ「はい,なります!でも,せんぱいは,わたしの言うことをしっかりと守ってくださいね?」

 ミルミ「ああ,もちろんだ」


 ミルミは,そのあと,「殺されたくないからな」と続けて言いたかったが,言うのを止めた。


 ミルミとモモカは,その後,無駄ばなしをした後,睡魔に勝てずに眠りについた。



 次の日,,, 


 モモカとミルミは,物置小屋で朝を迎えた。最初に眼を覚ましたのはモモカだった。モモカが,ごそごそと動くので,その刺激で,ミルミも眼をさました。


 ミルミは,目を覚ましたが,果たして,自分の前に,モモカがいた。昨晩起きたことは,すべて,現実だと理解した。


 彼は,殺された仲間を考えるのは止めることにした。それよりも,モモカのこのKカップもの爆乳をいつでも抱ける幸運を大事にすべきだと,自分に強く言い聞かせた。


 ミルミ『うん,そうだ。11人の仲間は,単に,失踪しただけだ。俺には関係ない。うん。そうしよう!!』


 ミルミは,多少は気持ちの整理がついたので,これからのことをモモカに説明した。


 彼は,まず,虚道宗の編入試験概要について説明し,虚道宗の正門に行く道順なども詳しく教えた。そして,これからの行動計画を述べた。


 ミルミ「俺は,一旦,自分の寮に戻る。モモカは,遠回りになるが,来た道を戻って,正門へ行く道順を歩いてくれ。今日の午後でいいから,正門に着いたら,受付の者にわたしの名前を告げて呼んでくれ。その後のことは,その時々で考えよう」

 モモカ「せんぱい,了解です。その通りにします」


 かくして,ミルミは一足先に寮に戻っていった。その足取りは重く,一挙に10年も年をとったようだった。

 


 ー 虚道宗の編入試験会場 ー


 編入試験会場といっても,特別な場所があるわけではない。第5道場の第3会議室を編入試験会場に当てた。今日は,たまたま2名の編入希望者があった。


 ひとりはモモカだ。もう一人は,同い年くらいの少女で,オミレという女性だ。


 彼女らには,最初に体力測定が課せられた。体のスリーサイズ,視力測定,聴力測定などを経てから,50メートル走,腹筋,腕立伏せなどだ。その後,第5道場の師範と副師範による面接だ。師範は,30代後半の男性で,副師範は30代前半の女性だった。


 オミレの面接が終了した。彼女の場合,事前に連絡がきていたのか,ものの10分もせずに面接が終了し,第5道場の女性の門弟がオミレを連れていった。どうやら,問題なく入宗したらしい。


 次はモモカの番だ。モモカの場合,推薦人がいるので,推薦人のミルミも同席した。

 

 最初に副師範がモモカの体力測定の結果を師範に報告した。

 

 副師範「モモカさんの体力は,かなりの好成績です。この結果だけなら,合格のレベルです」

 師範「わかった。せっかく推薦人がいるんだから,彼から推薦の理由を聞こう」


 そう言って,推薦人の名前を確認すると,『ミルミ』だった。


 師範「ん?ミルミ? お前,昨日,巡回中に行方不明になったあのミルミか?」


 この反応は,十分に予想された反応だった。ミルミは,今朝,寮長に説明した内容と同じように報告した。


 ミルミ「はい,そうです。昨晩,巡回が終わる頃,わたしは,急に用事があるのを思い出して,相棒のクルトに,翌日の朝に寮に戻ると言付けして,近くの町で,編入希望するモモカと会っていました。彼女との約束があるのをすっかり忘れていたので,正式に外出許可を取りませんでした。申し訳ありません」


 彼の言葉に,副師範が補足した。


 副師範「寮長からも,同じ内容の報告をつい先程,受けました。ですから,クルトは,ミルミと分かれてから,失踪したものと思われます」

 師範「そうか,,,捜索隊の10名は,まだ戻らないのか?」

 副師範「現在も,治安部署の連中が,総出で探している状況のようですが,何も手がかりがないようです」

 師範「そうか,,,でも,この件は,面接には関係ないな。ミルミ,ところで,モモカを推薦する理由を言ってくれ」


 こう問われても,特に推薦する理由などあるはずもない。でも,まるっきりの嘘も言えない。


 ミルミ「あの,,,モモカは遠い親戚でして,,,彼女がこの虚道宗に入りたいというので,推薦人になったまでです。モモカのことは,小さい頃に会ったきりなので,その,,,性格とか,学力,運動能力などは,ほとんで知りませんでした。昨日,会ったときに聞いた話では,彼女は運動が得意らしいく,いわゆる『強者』になりたくて,この虚道宗に入りたいそうです」


 副師範がいやみったらしく言った。


 副師範「ふふふ,頼りにならない推薦人だこと。あなたはもういいわ。修行に戻ってちょうだい」

 ミルミ「はい。失礼します」


 ミルミは面接会場から去った。それを確認した師範は,副師範に目配せした。彼女もコクっと頷いて,この会場から去っていった。


 今,この会場には,第5道場の師範とモモカだけだ。


 師範「さて,真面目に面接をしよう。体力測定の結果,あなたは合格レベルになる。でも,特待生ほど優秀でもない。ここは全寮制だから,寮費とか月謝も必要だ。毎月50万円ほどになる。モモカ君は,支払えるのかな?」


 モモカは,古典的な手法で攻めてきたと思った。モモカは,わざと,内気な素振りを示して返事した。


 モモカ「あの,,,わたし,ここに入ってから,バイトして月謝と寮費を稼ぐつもりでした」


 師範は,席を立ち上がってモモカの隣に座った。モモカのボディーサイズはすでにわかっている。豊満なKカップだ。両方で6kgにもなる豊満なおっぱいだ。師範は,モモカのKカップの爆乳をジロジロ見ながら,モモカの耳元で囁いた。


 師範「どうだ?わたしの秘書にならないか?それなら,月謝も寮費もかからない。それどころか,毎月の秘書手当がつくぞ。もっとも数万円程度だが,ないよりはいいだろう。住むところはわたしの師範邸だ。部屋が4部屋もあるので,1部屋まるまる使える。ん?どうだ?」


 師範は,そういいながら,モモカのおっぱいを触ろうとした。


 師範「え?う?」


 ドターン!


 師範は意識を失って,その場で倒れた。


 モモカ「え?どうしたんですか?」


 モモカは,その場に倒れた師範を揺り動かした。だが,師範は,意識を取り戻さなかった。


 モモカは,どうしたものかと考えたが,まずは,師範が倒れた原因を探ることだと思った。そのためには,,,


 モモカがそう思うと,おのずとどうするかがわかった。微量の霊力を,師範の体に流せばいいのだ。


 モモカは,師範の首筋に右手を当てて,そこから霊力を流していった。


 モモカ「え?途中で霊力が遮断されたわ。ん?どうやら,お腹の下部分で,霊力が阻害されるみたい」


 モモカは,さらに詳しく調べようとしたところ,廊下から力強い足音が聞こえた。


 カッカッカッカッ!(廊下を走る音)

 ドン(ドアが開く音)


 ドアが開いて,副師範が会場に飛び込んで来た。


 副師範「なんの音ですか?」


 副師範は,師範が倒れていて,モモカが師範を揺り動かしているのを目撃した。


 副師範は,慌てて駆け寄って,モモカを突き倒した。


 副師範「何をしているんですか!!師範を殺す気?」


 副師範は,すぐに保安隊と救急隊を呼んだ。保安隊も救急隊も,虚道宗の門弟だ。保安隊になるには,成績優秀者に限られる。また,救急隊になるには,成績優秀者で,かつ救急救命士の資格を持たなければならない。門弟の中でも,内弟子から選ばれる。


 ちなみに,門弟のランクは,雑用係,外弟子,内弟子,直弟子の4段階回に分かれる。


 モモカの場合,もし第5師範の秘書になった場合,門弟ではなくなり,虚道宗の職員側になる。ちなみに職員にもランクがある。それは,直弟子,副師範,師範,副宗主,宗主の順となる。直弟子の立場は,門弟であるのと同時に職員側にもなる。一応,わずかだが給与が支給されるからだ。


 秘書という立場には,なんら権限はない。内弟子であれ,副師範であれ,秘書を採用することは可能だ。その給与は,虚道宗という組織からではなく,個人から支給する。つまり,私設秘書のことだ。


 モモカは,なんら言い訳する機会が与えられることもなく,保安隊に連れられて,反省房に監禁された。


 保安隊の隊長は,モモカを反省房に収容してカギを掛けた。


 隊長「ここでしばらく反省していなさい。自供するなら早いほうがいいぞ。罪が軽くなる。もし,第5師範が死亡すれば,お前も集団リンチを受けて処刑される。まあ,意識を取り戻しても,リンチは免れないがな。ふふふ」

 モモカ「え?警察に連絡するとか,裁判とはないのですか?」

 隊長「ない。ここは治外法権だ。逮捕状がない限り,警察は一歩もこの敷地に入ることはできない。それに,ここで死亡したところで,火葬され,骨まで砕かれて,その灰さえも川に流される。いっさいの証拠は残らない。もっとも,お前の場合,現行犯だから,言い逃れはできないぞ」

 モモカ「・・・」


 モモカは,ちょっと考えてから言った。


 モモカ「あの,,,どうしたら,ここから出してもらえるのですか?」

 隊長「無理だ」

 モモカ「なんでもします!!ほんとうに何でもです!!その,,,性奴隷にだってなります!!お願いします!!」


 そう言われて,隊長はしばし考えた。そして口を開いた。


 隊長「まあ,可能性は低いが少しはあるかもしれん。男に対しては,その体を与えればいいだろう。だが,副師範は女性だ。彼女をどうやって説得するか問題だ」

 モモカ「では,まず副師範を説得してみます。それができれば,あとは,いくらでも皆さんの性奴隷になります!!」

 隊長「では,まず,俺の性奴隷になってからだ。俺が満足したら,副師範に会わせてやろう」

 モモカ「はい,よろしくお願いします」


 その夜,保安隊の隊長は,こっそりと反省房に来て,その部屋に入った。そして,彼はモモカを抱いた。しかも,わずか5分で膣内に射精した。正確には,局所亜空間魔法陣なのだが。


 隊長がすぐに射精したのは,モモカのあの部分が気持ちいいからではない。見張りを外で待たしている以上,すぐに戻らなければならないからだ。


 隊長「この場所では,短時間でしかお前を抱けないな。でも,まあいい。回数で稼ぐとしよう」

 モモカ「あの,,,副師範に会わせてもらえるのですか?」

 隊長「そうだな。その約束だったな。明日にでも,彼女にお前のことをお願いしてみよう」


 そう言い残して隊長は,そそくさと去った。隊長としても,こんなことがバレてしまうと降格処分になってしまうからだ。


 モモカは,食事を与えられなかった。しかし,まったく腹が減らなかった。というのも,モモカが元気なことと,モモカがぜんぜん食事や水を要求しないこともあった。


 隊長が去った。この反省房でモモカは,Kカップの爆乳になってから,モモカは,なぜか『前世の記憶』を夢の中で断片的ではあるものの頻繁に思い出すようなった。


 どうも爆乳になること前世の記憶を思い出すことが比例しているようだ。


 モモカ『わたし,,,,やっぱり前世では,優れた霊力使いだったようだわ。その記憶を追体験していきましょう』


 モモカは,この反省房の中で集中的にイメージトレーニングしていった。彼女は,だんだんと霊力の扱い方をマスターしていった。


 翌日の夕方。


 副師範が保安隊隊長とともに反省房にやってきた。隊長はカギで反省房の扉を開けた。副師範が反省房に入ったので,また,その扉を閉めてロックした。


 副師範「では,1時間後にまた来てちょうだい」

 隊長「了解しました。では,どうぞごゆっくり」


 保安隊隊長は去っていった。反省房は,完全な個室になっていて,外からは,小さな小窓から部屋の中を伺い知ることができる。でも,部屋の内側から,布なので,その小窓を覆ってしまうと,外側から部屋の中を見ることができなくなる。


 副師範は,自分の来ているコートを脱いで,それを小窓を覆うようにして吊り下げた。


 副師範「モモカ,あなた,このままでは,間違いなく集団リンチされて死刑にされるわよ。でも,わたしの言いなりになってくれたら,なんとかしてあげるわ。どう?」

 モモカ「それは,いいのですけど,,,わたし,師範の秘書になる予定です。それに,保安隊の隊長の相手をしないといけないですし,,,」


 モモカは,モジモジしながら,正直に言った。この状況は,モモカにとっては,決して都合が悪いものではない。返って,都合のいい状況だともいえた。


 副師範「師範のことは,気にしなくていいわ。どうやら,強力な呪詛で眠らされているらしいわ。当面,意識を取り戻すことはないから安心して。あなたの秘書の仕事,つまり,性奴隷のことだけど,その役割は巡ってこないわ。

 呪詛の解除方法は,今,検討中だけど,どうやら,かなり強力な呪詛でやられたみたね。いったい,誰に恨みを買われたのかしら?」

 モモカ「え?それって,わたしではありませんよ」

 副師範「ふふふ。そんなのわかっているわ。でも,間が悪かったわね。今の状況では,あなたを犯人にするのが一番面倒のない方法なのよ。呪詛の解明には,たぶん,1ヶ月以上もかかってしまうわ。そんな面倒くさいこと,誰がするものですか!」

 モモカ「・・・」


 モモカは,だんだんとこの虚道宗の組織がどんなものかわかってきた。

 

 モモカ「わたし,死にたくないです。副師範の言う通りにします。なんでもします!」

 副師範「そう?よかったわ。でも,わたしが納得しただけではだめね。この虚道宗全員が納得するような方法でないとね」

 モモカ「つまり,どうすればいいのですか?」

 副師範「簡単なことよ。1週間程度,その肉体を全員に差し出せばいいでしょう。その後のことは,わたしがうまくアレンジしてあげるわ」

 モモカ「・・・」


 モモカは,何でもしますと言ったものの,そこまでする必要があるのかと自問自答した。ケツをまくって,大暴れしようかとも思った。でも,せっかく,大量に精子を手に入れる機会があるのだ。それに乗ることにした。


 モモカは,わざと泣きたくなるような顔をして,小さい声で言った。


 モモカ「副師範,わかりました。なんでもします。よろしく,,,お願いします。シクシクシクーー」

 

 副師範は,ニコニコとしながら言った。


 副師範「大丈夫よ。あなたは,ただ,お尻を出すだけでいいから。あなたは,目隠しをしていればいいわ。相手の顔を見ることもないしね。あっ,そうそう,あなたのおっぱいは,超がつくほど大きいから,そのおっぱいも差し出してね。今日は,ゆっくりと寝なさい。明日の朝からは,本番よ。1週間,ぐっすりと寝る機会がないかもしれないからね。ふふふ」

 モモカ「・・・」

 

 

 その後,保安隊の隊長が来たので,副師範は部屋から出ていった。

 

 その日の夜,保安隊の隊長が,また5分でモモカを抱いた後,やはり,そそくさと出ていった。モモカは隊長に質問したかったが,隊長は何も言わなかった。することだけして去っていった。



 次の日の朝,,,


 モモカは,副師範に連れられて,男性トイレの隣に設置された小さな掘っ建て小屋の中に入れられた。そこにはマットレスが敷かれてあり,シーツの代わりに,撥水性のビニールシートが敷いてあった。季節がもう冬に向かうので,石油ストーブが2台設置してあって,部屋の中はとても暖かかった。


 副師範「ここがあなたの奉仕する場所よ。1週間頑張ってちょうだいね。あなたの頑張り次第で,明るい未来が来るかもしれないし,暗い未来かもしれないわ」

 モモカ「はい!頑張ります!!」

 副師範「どう?今から男どもに犯されるけど,目隠しはいる?」

 モモカ「いいえ。いりません。見たくなかったら目を閉じるだけでいいですから」

 副師範「そうね。それと,抵抗できないように,両手首と両愛首は,ロープで固定させてもらうわよ」

 モモカ「あの,,,それはいいのですが,ときどきは解いてもらえますか?」

 副師範「大丈夫よ。1時間に10分程度,休憩を入れるから」


 副師範は,一緒に連れてきた内弟子3名に指示して,モモカを全裸にさせ,両手首と両足首をロープで縛って,大の字の恰好にして,身動きできないようにさせた。


 そして,虚道宗の男達に,10分2千円でモモカを抱かせた。50分で1万円の収入だ。門弟たちは,こぞってモモカを抱いた。


 このモモカに与えられた罰は『特罰』と呼ばれる。副師範の一存で決めることが出来る。それに,今回の罰は門弟たちにとっても,師範たちや宗主にとってもメリットのあることだ。ここで収益を上げたお金の一部分は,宗主や他の師範にも分けられる。つまり,誰も反対するのものはいない。


 モモカが特罰を受けはじめて数時間が経った頃,客としてある門弟がやってきた。それは,モモカの下僕になった門弟ミルミだった。彼はミルミの両手と両足首が縛られているのロープを解きながら言った。


 ミルミ「モモカ,特罰を受けているけど,わたしにできることはないか?」

 モモカ「別にないわ。ここで他の連中の精子をむさぼるのも決して悪いことではないわ」

 ミルミ「でも,このままでは,下手したら門弟全員に犯されて,しまいには毒殺されて遺体をどこかに埋められてしまうぞ?」


 ミルミの極端な話に,モモカはフフフと笑った。彼女は冗談半分で言った。


 モモカ「そうね,だったら,ここで死ぬよりも,警察に捕まったほうが生き延びられるわね」


 ミルミは軽くうなずいた。彼は,モモカの言葉を冗談とは取らなかった。


 モモカ「あなたもお金を出したんでしょう?折角だから,私を犯していったら?」

 ミルミ「いや,俺はいい。とてもそんな気持ちにはなれない」

 モモカ「あら,そう?でも,もう10分経ってしまうわ。また,ロープで縛ってちょうだい」


 ミルミはまたモモカの両手首と両足首にロープで軽く縛ってから言った。


 ミルミ「すまないが,あなたのこのあられもない姿を写真に取らせてもらう。もっとも,他の連中もすでに写真や動画で撮って自慢しているようだ」

 モモカ「もうどうでもいいわ。好きにして」

 

 ミルミはモモカの縛られた体を何枚も写真を撮ってから,この部屋を出た。その際,こっそりと数本のモモカの髪の毛を手に持った。


 そして,彼はすぐに虚道宗に退宗願いを届けてこの地を去った。そして,その足で札幌に戻り,すぐに道警本部に直行した。モモカが行った殺人をすべて洗いざらい報告するためだ。その行為はモモカを救うことになると信じた。

 

 一方,爆乳のモモカを抱いた連中は,その時に撮影した写真や動画を友人らに自慢した。すると,すぐにモモカを管理している門弟らに『俺を先に抱かせろ!』,『俺は倍の料金を払う!』,『いや,俺は3倍払う』,『俺はもっと払う』という要望が殺到してしまった。


 とうとう収拾がつかず,10分1万円という値段に変更し,時間の延長は30分までとした。あまりに希望者が多いからだ。


 モモカは,24時間休みなく1週間連続で男どもにその身を晒した。


 こうして1週間が過ぎた。その間,副師範は,モモカが至極元気なのをいいことに,食事を与えることさえ忘れてしまった。それよりも,予想外にも,この1週間で500万円も稼いでしまった。


 1週間後,副師範はモモカの拘束を解いて言った。


 副師範「モモカ,あなた,よく頑張ってくれたわね。上出来よ。予想外に儲けることができたわ。ほんとうは,このまま続けたかったけど,師範が意識を取り戻してしまったわ。これから,師範のところに案内します。あとは,師範の指示に従いなさい」

 モモカ「それって,どういう意味ですか?」

 副師範「それだけの意味よ。あなたは,無罪放免ってわけね」

 モモカ「・・・」


 モモカは,この1週間,辱めを受け続けた事に対する賠償を求めようとも考えたが,止めることにした。どうせ,こんな組織,そのうち,壊滅する運命だと思ったからだ。


 それに,この1週間,モモカにとっても無駄ではなかった。精子が大量に注入され続けたことで,霊力もふんだんに使えるようになった。


 さらには,前世の記憶のせいもあるが,『自分の体に触ったものには死を!』という意識があった。


 モモカは犯す男どもに精神支配を試みた。その支配内容は簡単なことだ。例の河川に飛び込み自殺をさせることだ。モモカは自分の体に触る男どもに『24時間以内に近くの河川に飛び込め!』という簡単な命令を込めた素の霊力を頭の中に注入していった。それは,絶対不可避の呪詛と同じ効果を発揮する。そのような霊力の使い方も,モモカは前世の記憶から習得していった。


 モモカは,同じ命令だけではつまらないと思い,『あなたの大事な貴重品と手持ちの現金,さらに暗証番号をメモった紙と銀行カードをプレゼントとして,ベッドの横に置いてある私のリュックサックの中に入れてから,24時間以内に河川に飛び込みなさい』などという文章の長い命令文も試していった。


 このような命令文は,ことごとく有効に働き,モモカのリュックサックの中には,現金やクレジットカードだけでなく,門弟が大事にしている呪符も貯まっていった。


 この1週間の特罰で,モモカの儲けは現金で700万円ほどにも達した。



 ーーー

 

 

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