第16話 悪霊払い

 夏江は,京都や奈良にある数々の有名な寺院で悪魔祓いの御札を集めることから始めた。もし,その御札がほんとうに御利益があるのなら,その御札に念を入れた人物を特定するという手順だ。


 夏江は,有名な寺院でも総本山の住職にご利益のある悪魔祓いの御札がほしいと訪ね廻った。しかし,一枚1000円程度の,普通に売られれている偽物のお守りしか入手できなかった。


 夏江は,このままではまったく効果は期待できないと思った。なにか強力なつてがないとダメだ。夏江は,電話で職場の上司である室長に訪ねてみた。すると意外にも,室長の親戚に高野山で修行している人物がいることを教えてくれた。風海という人物だ。まだ修行を始めて2年ほどしか経っていない新米の僧侶だ。


 急遽,夏江は高野山に行って風海を訪ねることにした。


 ー 高野山 ー

 夏江は,高野山で宿坊を確保して一泊することにした。その宿坊でもいろいろと情報はとれたが,でも悪魔祓いに有効な御札の情報は得られなかった。

 

 翌朝の朝,室長から連絡をとってもらって,夏江は風海と会うことができた。夏江はここに来た目的を風海伝えた。


 風海「なるほど,,,ほんとうに効果のあるお札でないとダメですね。それほどともなると,高僧でも1週間,いや1ヶ月間ほど念じで,除念力を御札の中に封印しないとダメでしょうね」

 夏江「あの,1ヶ月も待てないです。2,3日でそれなりに効果のあるものは手に入らないでしょうか?」

 

 風海は少々迷った。ツテがあるにはある。だが,,,


 夏江「あの,,,何かツテがありそうですね,,,」


 風海は,どうするか迷ったが,思い切って言ってみることにした。


 風海「実は,霊能力の高い同僚がいまして,,,彼の除念力なら,ある程度有効な御札を入手することはできるでしょう。1時間も念じてもらえれば,1ヶ月ほどは有効な御札ができると思います。ですが,,,」

 夏江「ですが?なんですか?」

 風海「彼は,お金では動きません」

 夏江「ではなんで動くの?」

 風海「彼はもちろん童貞なのですが,めちゃめちゃスケベで,毎日エロ本を見ては楽しんでいます。たぶん,夏江さんの,,,その,,,裸を見せることくらいはしないとダメだと思います」


 夏江は,どう返事していいかわからなかった。でも,裸を見せて,それで有効な御札が手に入るならそれでよしと判断した。


 夏江「構わないわ。OKよ」

 

 風海は夏江が反対するものと思ったが,意外にもOKの返事がでた。


 風海「ほんとうにOKなのですね?話を進めますよ」

 夏江「いいわよ。あと2,3日はここで泊まってますから,その人物を紹介してください」

 風海「わかりました。たぶん,真夜中にしかここに来れないと思います。夜は2時頃までは起きるようにしてください」

 夏江「わかりました。ではここで待つようにします」



 夏江は,昼間は高野山を散歩して,午後,少し仮眠して,真夜中に備えた。


 真夜中の24時。


 コンコン!


 微かにドアの音が鳴った。


 夏江はゆっくりとドアを開けた。そこには,ひとりの青年がいた。年の頃はまだ20歳にも満たない青年だ。名は雨海だ。


 雨海「風海の紹介で来ました。部屋に入っていいですか?」

 夏江「どうぞ,入ってください」


 雨海は,部屋に入ってから,懐から御札を2枚出した。


 雨海「この御札は,わたしが誠心誠意,念を込めたものです。1ヶ月ほどは有効だと思います」


 夏江は,ニコッと微笑んだ。だが,問題はここからだ。お礼として裸を見せるだけでいいのかどうかだ。


 夏江「あの,,,お礼として,何をすればいいのですか?」


 雨海は,ちょっと,戸惑ってから言葉を発した。


 雨海「あの,,,裸を見たいです」

 

 夏江はそれだけでいいのか聞いてみた。


 夏江「裸になるだけでいいの?」


 雨海「はい。女性の体に触るのは,戒律に反します。それをすると,僧侶を止めることになります。還俗することになってしまいます」

 夏江「わかりました。わたしの裸でよければいくらでも見てください」


 夏江は,ゆっくりと来ている服を脱いでいった。ブラジャーを外し,豊満なDカップの乳房を露わにした。パンティも脱いだ。


 夏江は,裸で立ったままの姿勢を維持した。


 雨海は,正座していたので,少し見上げるようにして夏江を見た。


 雨海「あの,,,座っていただけますか?もっと,しっかりとおっぱいを見たいです」

 

 夏江は,言われた通りにした。雨海の前で正座で座って,おっぱいを揉むようして見せた。さらに,乳首も自分の指で刺激を与えていった。


 雨海は,まじまじと見た。


 雨海「こ,これが女性の体か,,,」


 手を出せば,まさに裸の女性がそこにあるのだ。


 ヨダレが少し出てしまった。夏江のおっぱいはDカップだ。おまけに相当の美人だ。夏江の裸を前にして勃起しない男性などまずいないだろう。おまけに夏江は,厳密にはまだ処女だ。多留真に処女を上げようとしたが,処女膜を破壊するまでのは至っていない。多留真とべットを共にしても,愛撫だけにとどまっている。


 夏江は,だんだんと体が火照ってくる感じを覚えた。人に見られているという刺激が余計に体の火照りを増強させた。右手を乳首からクリトリスに移動させて,完全に自慰スタイルに移行した。


 雨海はそれを見て,これ以上,性欲に身を任せてしまうと,後には引けなくなってしまいそうだと感じた。そこで止む無くここまでとした。


 雨海「すいません。そこまで結構です。服を着てください」


 夏江は自慰して,最後まで行きたかった。でも,やはり,この状態でも恥ずかしさは残っていたので,そそくさと自慰を止めて服を着始めた。夏江は服を着ながら雨海に質問した。


 夏江「あの,この御札はどれくらいのご利益があるのですか?」

 

 雨海は夏江の体が衣服で覆われていくのを眺めながら返答した。


 雨海「その前に聞きたいのですが,あなたは,どんな敵から身を守ろうとしているのですか?」

 

 その質問に,夏江は少し戸惑った。機密情報もあるからだ。でも,相手が僧侶なので,大まかな内容を話すことにした。


 夏江「わたしたちの敵は,ボス格の霊魂です。それは人の体に憑依することができます。しかも,その霊魂には,手下の霊魂がいるみたいで,やつらは人の意識を奪って廃人にしてしまうことさえできるようです。

 そのボス格の霊魂は,普段は指輪の中に隠れています。わたしたちは,その指輪を発見して捕まえたいのです。でも,その前に自分の身を守る必要があります。それで,悪霊退治の御札を求めています」。

 

 雨海はそれを聞いて,しばらく考え込んだ。そして重たい口を開いた。


 雨海「わたしは,霊魂のパワーを『魂力』と呼び,そのパワーのランクを,初級,中級,上級,そしてS級と便宜的に分類しています。初級は念写のように,見えないものが写真に映る程度のものです。中級になると,精神力の弱い人なら,容易に睡眠状態にもたらすことができます。上級になると,ほとんどの人に憑依することが可能となり,普通の精神力の持ち主に対して,すみやかに睡眠状態にさせることもできます。意識障害を起こすことも可能でしょう。場合によっては,軽いものなら物を少しくらい動かすことができる場合があります。S級は,上級よりももう1段上位のレベルになります。もっとも,わたしは,上級以上の魂力を持つ霊魂には遭ったことはありません」

 

 この分類を聞いて,夏江はメリルの部下たちの霊魂は,中級か上級レベルの魂力を持っていると推定した。


 夏江「その分類でいうと,わたしたちが相手にしている霊魂は,中級レベル以上の魂力を持つと考えていいのでしょうか?」

 雨海「そう思います。わたしが準備した御札は,魂力中級程度の悪霊や霊魂に対して効果があるものです。魂力上級レベルに対抗できる御札になると,集中的に1週間程度山にこもって,除念力,もっとわかりやすい表現を使えば,『法力』を注ぎこまなければなりません」


 雨海は,そこまで言って,さらに言葉を続けた。


 雨海「その,,,あなたの裸は大変魅力的で,もっと手助けしてあげたいのですが,,,でも,わたしが1週間もかけて準備するとなると,僧正の了解をとらないといけません。それ相応の金額をお布施として提供いただくことになります」

 夏江「それ相応の金額とは,だいたいいくらくらいですか?」

 雨海「この手元に準備した中級の御札でも,数百万円ほとのお布施が必要です。もっとも,今回はわたしが内緒で準備したものなので,あなたの裸を見たことで,チャラにさせていただきます。ただし,上級ともなると,内緒で準備することはできません。僧正は少なくとも1千万円のお布施を要求すると思います」


 夏江は,少し戸惑ってしまった。御札を経費で購入するのは可能かの知れないが,ほんとうに御利益があるという証明も必要になるだろう。そうなると,無駄に時間がかかてしまう。そこで,思い切って自分の身を差し出すことで無料に手に入らないか提案してみた。


 夏江「あの,,,わたし,まだ処女です。恋人はいますが,まだ最後までいっていません。わたしの処女を差し上げます。ですから,なんとか上級の御札を準備していただけませんか?」


 その言葉を聞いて,雨海は黙ってしまった。しばらく沈黙が続いた。そして,重たい口を開いた。


 雨海「あの,既に申し上げましたが,女性とそのようなことをしてしまうと,わたしは僧侶を辞めなくてはなりません」

 夏江「そうでしたね,ごめんなさい。でも,その,,,1週間もかからないで,簡単に上級レベルの御札を創れないのですか?しかも,こっそりと,,,」


 その言葉を聞いて,雨海はすぐに否定しなかった。もじもじとしている雨海を見て,夏江はもう一度ブラジャーを外しておっぱいを見せた。そして,また自分の手でおっぱいを揉み始めた。


 夏江「どう?わたしのおっぱい,美しいでしょう? わたしのおっぱいを触っても,エッチしたって,バレなければ僧侶を辞めなくててもいいのでしょう?」


 夏江はさらに挑発した。


 雨海は,夏江の裸体を目の前にして,どうするか迷った。短時間で上級レベルの『法具』を準備することは可能だ。でも,それをしてしまった場合の後遺症がどうの程度なのか不明だ。


 雨海は,意思の弱い子だった。いろいろと迷った。毎日,エロ本を見て自慰するばかりの日々だ。今日,思い切って,生身のおっぱいを触って自慰して,上級の法具を創ってほうがいいのではないかと覚悟を決めた。エッチさえしなければ,法力の低下はないだろうとの考えだ。


 童貞を捨ててしまうと,法力が消滅するか,大幅に低下するのは,これまでの先輩僧侶をみてきて,よく知っている。でも女体を触るだけなら法力の低下はほとんどない。それは,先輩たちからこっそりと教えられたことだ。


 雨海「簡単に上級レベルのものを準備する方法はあります。でも,それは御札ではありません」


 雨海は,長さ10cm程度の三鈷杵を取り出した。その中央部分は取り外しができるようになっていて,10cm程度の液体を収納することができる。


 雨海「この三鈷杵の容器の中に,わたしの精子を入れることができれば,上級レベルの退魔法具になると,以前,僧正から教えられたことがあります。でも,どうやって自分の精子を入れたらいいのか,自分ではわかりません」              

 

 その言葉を聞いて,夏江は嬉しくなった。


 夏江「わたし,あなたの精子を口で受けます。そして,口からその容器に入れてあげます。わたしは,あなたの体や,あなたのあそこを触ってもいいですね?それなら,わたしの口であなたの精子を受けて,その容器の中に入れることはできると思います」


 雨海は,少し恥ずかしくなって下を向いた。


 雨海「あの,,,よろしくお願いします」


 雨海は,修道着を脱いで裸になった。すでにあの部分は勃起状態だった。


 夏江「あの,それを触っていいのですね?」


 夏江は確認の意味で雨海に聞いた。雨海はすでに覚悟を決めていたので,軽く頷いた。夏江は恐る恐る雨海の逸物を右手で握った。


 ピックーーン


 逸物から電流のようなものが,雨海の体全体に走った。


 雨海「うっ,うっ,,,で,で,,,」


 その言葉を聞いて,夏江はすぐに反応した。これは,もしかして,すぐに射精するのではないか?


 夏江は,すぐに口で雨海の逸物を口に含んだ。それと同時に,精子が夏江の口の中に放出された。


 ピュー!ピュー!ピュー!


 夏江の口の中に放出された濃厚な精子は,夏江にとって,特別な味がした。少なくとも多留真のようなしょうもない変な味ではない。夏江は,内心思った。


 夏江『これが,値千金の精子の味なのね?!めちゃくちゃ香ばしい味がするわ』


 でも,その香ばしい味を十分に味わう時間はなかった。


 夏江は,その精子を,三鈷杵の容器の中に一滴も漏らさないように,口から上手に吐き出した。そして,その容器に蓋をして,もとの形の三鈷杵に組み直した。


 雨海は脱力状態だった。自分で自慰するのとまったく違う。自分でする場合は,ほとんど疲れを感じない。でも,今,こうやって,夏江の口の中に精子を放出すると,なんか,すべての精力が奪われるような感じを受けた。


 夏江には,もともとそんな能力はない。だが,こと性欲を抑えに抑えた僧侶が相手だと話は別だ。これまでの抑えに抑えた欲望や精力が一度に放出されてしまう。そして,そうなってしまった僧侶は,今後の修行に大幅に悪影響を与えてしまう。


 でも,雨海はそうなってもいいという覚悟で,精子を放出した。


 10分ほど,休息をとったあと,雨海はゆっくりと服を着た。用事が済んだので,夏江に別れの言葉を言った。


 雨海「この三鈷杵は,たぶん上級レベルの悪霊の攻撃からでも,身を守ることができると思います。有効期間は1ヶ月程度だと思います。では,もう用事が済んだので,これで失礼します」


 雨海は,なんとか立ち上がって帰り始めた。夏江は,これからもこの雨海と連絡を取りたかったので,電話番号を聞くことにした。


 夏江「あの,今後もあなたと連絡を取りたいので,電話番号を教えてください」

 雨海「電話は,1週間に1回くらいしか使いません。ショートメッセージを残してもらえれば連絡します」


 雨海は,自分の電話番号を雨海に教えた。そして,ふらついた体をして,この場から去った。


 夏江は,2枚のお札と三鈷杵を見てニコッと微笑んだ。そして,布団の中にもぐって寝た。翌日,夏江は意気揚々として警視庁に戻った。


 ーーー

 


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