#4 !
早く探せ!早く見つけろ!
倉庫はどこに何があるのかなんとなくはわかる!
しかし肝心の部品は見つからなかった。相当妙な場所に隠されているに違いない!
早くしないと鬼の男にやられる。
とりあえず箱の裏に隠れていよう。
懐中電灯の灯りの強さを限界まで下げようとしたが、手が汗でべっしょりしていたため、上手く調整できない!
「おいどこ逃げるんだよ犯罪野郎!」
そっと箱の隙間から、鬼の男を見ると、なんと彼の包丁から、三日月が放たれていた。
三日月は、箱にぶつかると、箱を切り裂いた。おそらくあの月は斬撃である。
触れたものを細切れにする、恐ろしい能力だ。
やはり奴は人間ではなさそうだ……。
しかし、あの斬撃によって、隠れる場所を破壊されてしまうとヤバい。
早く部品を見つけろ!
目に汗が……しみる………痛い。
恐怖心に煽られながらも、今隠れていた場所を離れ、別のコンテナの後ろに移動した。
心臓がドキドキと、耳にはっきり聞こえてくる。
奴にバレないよう、懐中電灯は床を照らすように持ち、辺りを探す。
自分の頭よりも高い位置は、懐中電灯を使うとバレそうなので、暗い闇の中を肉眼で探すしかない。
荒い息を殺すように、無理して呼吸をしないようにしたものの、やっぱきつい……。
「あ⁉︎」
思わず声を出してしまった!
部品があった!
黒の小さな箱の中の袋の中に入っていた。誰がわかるかこんなん!
しかし、見つかったは良いものの、声を出してしまったので、奴に気づかれた可能性がある。
「どこだ貴様………そこか?」
男が気づいた。包丁を振る音が聞こえてくる。
冷や汗を垂らしながらも、しゃがみながら、大量の箱の横を移動する。
おそらくこの大量の箱が彼と俺を挟んでいるたった1つの壁だ。
……あった。さっきの扉だ。
しかし、今いるところと扉との間には、箱などの隠れられるものが1つもない。
急いで走って、とっとと開け………あ、そうだっ!白い円の中に部品を入れておかなきゃならねーじゃんかよ!
チクショッ…………そうだ。
場所は覚えてる。円と扉も距離もある程度わかる。
……懐中電灯を囮にする!
上に向けたらすぐに行くぞ………。
男はおそらく部屋の奥にいるな?少なくとも結構距離はあるな?
……今だ!立てる!
さぁできれば、このまま安全に行きたいが………いや、ここにいる時点で無理そうだな。
安全とは無縁そうだ、ここは。
あった、円だ。よし、しっかり部品を置いて………良いな!
あとは扉を開けて外に出るだけっ!
よし……………ってやべっ!
せんべいが割れる音が、倉庫内に響いた。
「は?」
男がこちらへ向かってくるのがわかる!
ヤバい逃げろ!
しゃがんで走るのは困難なので、少し姿勢を上げる。
「おい待てテメェ!」
あ。
ヤバいバレた……?
突然目の前に三日月が飛んできて、箱を切り裂いた!
そして、その奥には、男が………。
「いい加減にしろよ、ゴミ」
三日月が飛んできた!
俺は走ることしかできない!逃げろ!
猛スピードで逃げているはずだ!
なのに、男がついてくる!すごい速い!
ヤバい、あ、扉だ!…けど追いつかれる!
…………刺される!
なんとか外に出ることができた。
男はどうやら倉庫から出ることができないらしい。もう安心だ。
包丁の先っぽが背中に掠った時はひやっとした。
やはり、この倉庫に来るために使った車は消えていた。
はぁ、こんな森の奥から抜け出さなきゃならんのか……チッ。
こりゃ、苦労しそうだな。
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