第7話 一人作戦会議
さて、一段落ついた所でまた俺は例の衝動に駈られ出す。
今度は家の中まで入ろう。
いつものように藤原さんと下校しながら、気味悪がられない程度に気を遣いながら
あの娘の家が完全に留守になるタイミングを狙って聞き出した。
どうやら来週の土曜日、丸1日家族でデパートに行くらしい。
もう決行日は確定した。後は何をするかだ。
パンツを盗む所まで踏み込んだ俺はついに一線を越える決断をする。
「あの娘の裸が見たい。」
来週の土曜日まであと9日、それまでに必要なものを調達しよう。
まずは作戦を練る事にする。
藤原さんから聞いた話によると、あの娘の家族は基本、午前中から行動するらしい。
そしてあの娘は毎日風呂に入る。洗濯物の入れ替わりを見ていれば分かる。
もう解るはずだ。
つまり、あの娘の入浴を隠しカメラで撮影するんだ。
…ただ、一日中行動した日の晩にもきちんと風呂に入るかどうかは未確定だ。
念のためカメラの他にも、なるべく大容量のバッテリーも準備しておこう。
俺が直接侵入して撮影する作戦も考えたが、一般の家の風呂場周辺に人間一人が住人に見つからず隠れられる場所があるとは思えない。
バッテリーとカメラならどこかに隠せるという可能性に賭ける。
そして肝心の侵入方法だが、玄関横にあるトイレの小窓についている鉄製の格子をドライバーで外して侵入する。
トイレの小窓自体に鍵がかかっていない事は既に10日ほど前の深夜に確認済み。
ドライバーで格子を外す時間がどれ程かかるかはやってみなければ分からないが、あの娘の家には車がない。
つまりここから最寄り駅まで歩いて向かい、6つ先のデパートがある駅まで電車で向かう事になるはずだ。そうすると往復だけで90分はかかる。どれだけ侵入に時間がかかってもそこまでの時間はかからないだろう。
カメラとバッテリーの回収方法だが、ここは我慢の見せ所だ。
前に近所の電化製品屋で見たバッテリーの最大駆動時間は約48時間となっていたはずだ。
つまり丸2日分録画した後に勝手に充電が切れる事になる。
そしてそれを回収するまではおそらく数ヶ月はかかる計算だ。
そう、次にあの娘が家族総出で出かける日に回収に向かう。
数ヶ月は生きた心地がしない事が予想されるが、これも目的の為なら仕方ない。
これらを全てメモ帳に書き起こした後、俺は眠りについた。
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