第9話 もう金には困らないな...
俺はカジノに来た。
果たしてこのイーグルコインは使えるのか?
勝負だ…
これが通じなければ、本当に俺は女神に騙されもう生きる術はない。
「ロイヤルカジノへようこそ!」
なかなか高級そうなカジノだ。
有る物は、見た感じ前の世界と変わらない。
俺はルーレットを選んで勝負する事にした。
金貨1枚分のチップに変えて貰い00に賭けた。
来れば36倍だ。
「00です」
いきなり金貨1枚分のチップが金貨36枚になった。
これで360万円…やった! このイーグルコインは本物だ。
「よし、もう一回00に全部だ」
イーグルコインなら絶対に負けない。
「00です」
金貨12960枚(12億9千600万円)になった。
このカジノは青天井上限が無いのが売りだ。
金貨12960枚のチップをそのまま00に賭けた。
「また00ですか?」
「はい」
俺はニヤリと笑いそのまま賭けた。
勿論、球は00に入った。
周りから歓声が沸いた。
凄いぞ、彼奴…
それもその筈1296枚の36倍。
「46656(46億6千560万)だ、勿論俺は全額00にコールだ。
「ちょっと待ってくれ…これ以上は…」
「あそこに青天井…天井無しって書いてあるけど? 嘘をついているのか?」
「そうだそうだ…ちゃんと書いてあるぜ!」
「兄ちゃんの言う通りだ、ルールは守れ」
「…解りました」
顔が青い。
そりゃそうだ…もし今度も俺が勝てばチップ1679616(1千679億6千160万)
恐らく、このカジノじゃ払えるかどうか解らない。
「00です…」
「それじゃ次も00で…」
「ちょっと待ってくれ!」
奥から小太りの男が走ってきた。
「悪いがこれで終わりだ…この金がこのカジノのほぼ全財産だ、もう無いんだ」
どうやら、オーナーのようだ。
どうするべきか?
「青天井がルールの筈だ…それなら最後に1回勝負だ、もし俺が勝ったら、このカジノの金だけじゃない…経営権から土地から全部寄越せ」
「解りました…」
「それじゃ00で…」
オーナーの目が光った気がした。
多分、此処で如何様をする気なのだろう…
無理だ。
恐らくディーラーも何度もやっている筈だ。
だがイーグルコインの前では如何様すら通用しない。
「待て00以外にしろ!」
「解った0で」
俺は別に如何様なんてしていない。
球は無情にも0に入ってルーレットは止まった。
「そんな馬鹿な…」
たった半日で俺はカジノを手に入れた。
これで俺はもう生涯金に困る事は無い。
◆◆◆
結局、カジノには約2千億円の金があった。
機材や土地を併せると約2千200億円近い資産があるらしい。
俺はそのまま、オーナーとは成らなかった。
俺は現金の約2千億円の金だけ貰って、カジノその物は返した。
「あの…宜しいのでしょうか?」
「俺にはカジノは経営出来ませんから…その代りお金の方を冒険者ギルドに運びこんでくれませんか?」
「カジノを返して頂けるならその位はさせて頂きます」
このカジノは黒字の筈だ。
カジノさえ返せば…直ぐに金なら取り返せるだろう。
それにイーグルコインは、本物と同じなら明日には無くなる。
次にギャンブルをすれば負ける可能性が高い。
これでもうお金には困らない。
最高の宿にでも泊まろうかな?
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