僕の新姿

広大な草原で、片手に大きな人間の頭、もう片手にかわいいかつらを持つ少女がぬるぬるの「生き物」に力を込めている。

まるでなんらかの人体実験。

この女神…なかなかできるんじゃないか、なんもないところに色んなものを生み出してて。

数分後...

前言撤収!撤収!

「これは太いすぎるよ、だめ!」

少女はボディビルチャンピオンのような足を持ち上げ、頭は強く振りながら、また隣の弱々しく骨ばった「棒」を見つめる。

「これはまた細すぎるよ、だめ!」

彼女は視線を少し離れたところに移して。

「よし...これならちょうどいいかも!」

「瞳の色は...」

「この色…うーん…キラキラすぎて、まるで玄関前の提灯じゃないん…だめだめ!誰かのお守りさんかと思っちゃうのよ!」

「これを試してみよう!うーん…かわいいはかわいいけど、ちょっとぶりっ子すぎないかな?」

おい…もしもし…?

「髪型は、今流行りのものを選ぶのもいいが、ちょっと個性的な方がいいかな…」

「ヘアカラーはどうしよう…情熱的な赤色?魅惑的な紫色?それとも少しポイントカラーで染めてみる?」

「髪の毛の先を少し巻いて可愛く見せるのはどうかな!」

......

誰かー!

誰か助けて!

僕の体!めちゃくちゃになる!

少しぎやかな雰囲気で、まだ芽吹いている花たちが、まるで観客でたまらず頭を出してみようとている。

「できた!」

少女は自分の豚がやっと他人の育てた食物を食べるようになった顔をして、優しいおばさんの笑顔で僕の肩を叩いてくれる。

「ほら、はやく見て!」

ドキドキとともに、ゆっくりと、僕は目を開けた。

新しい人生の門出を祝うかのように、風が少し柔らかい葉を運んで、私の顔擦り抜けていく。

目の前にいるのは...本当に僕なの?

灰色と白がポイントカラーした銀河のような闇の髪が、風に乗ってゆるやかに流れる。前髪はやや右に傾いていて、少しの青春あますっぱさを感じられる。吸血鬼のように血色の良い瞳が星のようにきらきらしてて、ピンク色の小さな桜口はさらに可憐な少女のイメージを生み出す。

なんというきれいな顔だ…

......?

って、待てよ......っ!?

ぱちッ!

ぱちッ!

ぱちぱちぱち!

間違っていないよね?

僕は何度も何度も、頬を叩いた。

女の子、だよね?

僕はクソを食ったような顔で振り返って、新しい体を作ってきた適当な女神を呆然と見つめる。

彼女は「そんなの知らないよ」みたいな感じで頭に手を当てて小唄を口ずさんでいた。

「ララララ…?♪」

カーラ…

何かが砕ける音が聞こえたような気がする。

鏡に映った自分を見ながら、指で頬をつついて、髪をなでつけてみると。

やわらかい…

しかもいい香りがする…

いいかも…

その一部始終を見た少女は、僕の肩をひっかけて、変なおじさんの邪悪な笑みを浮かべながら僕に話かける。

「ねぇ?悪くないでしょう、乙女の感じは。フフフ…」

鏡に映した僕の頬が少しつづ赤くなり、恥ずかしながら頷く。

「悪くない…かも…」

少女は涙のフリをしながらうなずき、「やっと私の用心がわかってくれた」の顔をした。

「さてさて、はやくはやく、次次!」

ちょっと!

まだ次あるの?!

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~アーティフィシャルイリュージョン~ 異世界で何か作りたいのなら、想像に頼る。モンスターに勝ちたいなら、論理に従う。 綿飴ウサギ @chinnkyoki

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