本当に大丈夫なのか?
炎が体に触れた瞬間。
バーンーー!
赤い火が粉のように散り、散らばった光線が体の一点に集中し注ぎ、全身がまるで羊水の中の胎児のようで、金色の輝きに包み込んでいる。
不思議な灼熱感が体中に広がって、また急速に冷えていく。
燃えて、冷えて…
灼熱と冷却は両極で無限に駆け巡り、外殻は温度の変化とともに金色から赤色へ、また青色へ循環している。
燃えて、冷えて…
燃えて、冷えて…
燃えて、冷えて…
少女は色の異変を感じて、指をもて空の円をなぞった。
「ストップ!」
黄金の炎は一瞬で無数の欠片にして砕け散る。
助かった…また死ぬかと思うだ…
いや待って、天国でも死ねるのかよ!
少女が首を横に傾げて眉根を寄せ、小さい声でぶつぶつ言う。
「指示はいつも通りに使ってるのに…まさか、バグ?」
「いやいやいや!ありえないわ。だって…」
少女はしばらく考えた…かもしれない!すぐほっとした顔して、無関心に肩をすくめた。
「まあ、気にすることでない。次に進もう♪」
……
ちょっと、神はともあれ、適当にすぎないか?
本で読んだことがあるが、神は最初に丹精込めて人間を創造した。しかし、第一世代の人間の知能が十分に発達しなかったため、体はすでに大人でいても、心は幼い子供のまま。毎日嫌がらせを受けた神は、次から次へと現れる大人の赤ん坊を各々に相手するまでの精神が持たなく、やがて柳の枝を手に取り、適当に土をつけて大地にまき、二番目の人類は次々と生まれたという。
自分の未来をこんな適当な神に委ねると思うと、今めちゃくちゃ不安!
少女が指をぎゅっと握ってパチンとはじくと、光の輝きの中に幕を閉じるように巨大な鏡が現れた。
そして、少女は出会ったばかりのスタッフの謹厳な姿に戻って。
「キャラクターのイメージを作ってください」
「リアル性を高めるためには、キャラクターの細部を美化したり醜くしたり、身長や体重など、一定範囲内で修正は可能です」
えっと…意味わかないですけど…?
まあ、とりあえず彼女の言う通りに、鏡に近づいていればいいんだな?
…
これ、僕…?
一応人型であるが、しかしどう見ても、スライムじゃないか?
「プレイヤー全員、このような初期形態になりますので、ご安心ください」
つまり、人間が天国に来る時、みんな最初こんな感じってこと?
「次に、鏡に指を触れて、キャラを作ってください」
ベタベタの指とは言えないものでそっと鏡を触れると、
ピーンーー!
心臓の光源が指に呼応して、メビウスリングのような無限ループを描きながら体の周囲に張り広げて、一瞬にして、巨大な光沢のある透明な結晶を作り出した。
パキパキと音を立てながら、結晶は少しずつ砕け散っていく。
「キャライメージに…」
「?」
少女の呆然とした顔から察するに、彼女は間違いなく何かに驚いている。
まさか!僕の本当の顔が彼女を驚かせた…?
そこまで醜くないだろう…?
しかし、彼女のぶちギレの動きからすると、明らかにそれよりも何倍ぐらいやばいことがおきた。
「なんでまだスライムのままなのかよ!」
少女は僕に問いかけたかのように自問自答している。
そう、僕はまだ正体不明のスライムで、何の変化もなかったからだ。
僕に言われていてもわからないんだよ!
少女は警察官が囚人を尋問するかのように、僕の体を上から下まで凶悪な目で睨み、邪悪な笑みを浮かべながら、スカート裏のポケットから笑顔と泣き顔の彫刻した黄色と白の銀貨を取り出した。
「フフフ…正体を暴いてやるぞ、この不審者!ここにあるコインを見たか!もし嘘をつく勇気があるなら…フフフ…」
まってよ?この神、なんか頭おかしくない?!
いきなり不審ものとか、僕はここにきたばかりだけど?何も知らないのだけど?!
「おい!キョロキョロしないで、こっちを見ろう!答えなさい!貴様!一体どこから来たんだ!」
どこから来た…?
まって、僕…どこから来たんだろう…
…思い出せない。
「ホホ、教えてくれないかね?」
少女はコインを天に弾き飛ばして、目がキラキラで神からのいわゆる天罰を期待している。
しかし、長い間待っていても、何も起こらなかったから故、照れ隠しに少し赤くなった頬を扇ぐ。
「コホン、じゃ次!どこからログインした!」
「えっと…意味わかりません」
「…」
「…」
何度目の質問と「わかりません」の回答で、少女は完全に諦めた。
彼女の手にあるコインを陽の光に当てて幾度も眺めて。
「大丈夫はずだけど…」
「おい、これもって!」
彼女はコインを僕に渡し、先の会話をもう一度繰り返すと命令された。
だが、今回は位置逆転で、僕は質問側、彼女は回答側。
「えっと…あなたはこの世界の神ですか?」
「何その質問。まあ、答えてあげてもいいわ。私はこの世界の唯一全能たる神ーー」
少女の話はまだ終わってないうちに、空がいきなり一変して、雷がピンと少女の体に降臨!
ピ!――
ピ!――
ピ!――
「コイン…は…大丈夫…なのに…なぜ…」
しばらくして、少女は震えながら立ち上がり、雷でボロボロになった体を整えて、コインをゴミのように空に放り投げ、一歩、二歩、三歩、だんだん僕に近づいてる。
やばい!こいつ何か企んでいるに違いないと第六感が教えてくれた!
相手は神だし、僕のせいで雷に刺さられて絶対に怒るんだろう!
ちゃんと謝ればきっと…
少女の手はいきなりに僕の肩に「優しく」置いて。
「ごめなさい!ごめなさい!ごめんさい!」
自分が怖さに負けて、目を強く閉じてる。
「おもしろいじゃないか!これ!」
え?
おもしろい?
少女の目がキラキラしてて、何かのお宝を見つけたのようで。
「フフフ…」
「安心しなさい、この私にお任せよ!必ずこの世にない一番完璧なキャライメージを作ってあげる!このわたしの手、でね!」
え?ちょっと、進みが速すぎて、何かなんとやらまったくわからないなんだけど!
っていうか…この神。
本当に大丈夫なのか!
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